[レポート] WPS203-AWSと教育: 教育の中のイノベーション (3/3) #reinvent
AWS re:Invent 2019で実施されたセッション WPS203 - AWS Educate: Innovation in education の内容をレポートします。
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セッション情報
概要
AWS教育、イノベーション、音声AI、機械学習、および深層学習に関連するトピックに関する、高等教育のリーダー達による10分間の強力なライトニングトークに参加してください。
前説
イノベーションを加速させるために、高等教育は重要な役割を持っています。今回は3つの異なる機関のリーダーにイノベーションについて、どう考え、どう取り組んでいるのかを紹介します。
※ この内の三人目、Kyle Collinsさんの登壇内容です。
登壇者
- Kyle Collins - Assistant VP, Technology Transformation, Saint Louis University
- セントルイス大学 テクノロジートランスフォーメーション アシスタントVP
トーク内容
- 私はセントルイス大学のIT部門の一員
- カトリック教会・イエスズ会系の大学
- ミシシッピ州西部で最も古い大学で3世紀目に入った(1818年設立)
- 人生を変える研究を支援し、コミュニティに思いやりのあるヘルスケアを提供している
- これらのミッションをサポートするために、ITサービスをコモディティ化して提供コストを削減し、過去3年に渡って変革をしてきた
- そんなイノベーションに対して少し変わったやり方を取り入れてみた
- 新しいテクノロジーについて素早く検討し、有用性やインパクトについて評価している
- ステークホルダーを巻き込んでPoCを行ってすぐに評価し、本番投入してプロジェクトを進める
- Alexaのプログラムは良い例
- 「キャンパスで今夜何がある?」
- 「学生センターはどこ?」
- 「ママに電話」
- 「図書館はいつ開く?」
- 「学生病院はいつ開く?」
- 「どこでピザをオーダーできる?」
- 「瞑想のガイドして」
- 「水銀の原子量はいくら?」
- 「キャリアサービスを呼んで」
- 「服をどうやって変える?」
- 「今日(の卒業式)は何時から始まる?」
-
Alexaは2018年秋に導入した
- 目的は、特に新入生が、早くキャンパスでの生活に馴染んでもらうために、必要な情報に素早くアクセスできるようにすること
- 最初に4週間のPoCを実施し、様々なデバイスをキャンパスに持ち込んで、学生に音声アシスタントを利用してもらい、有用性を評価した
- その時点では、まだ何をどうするのかは何も分かっていなかった
- 利用した学生から多くの良いフィードバックを得て、Alexaのプラットフォームを使うのが良さそうだと分かった
- キャンパスの全ての学生寮の部屋にAlexaを設置するのに3ヶ月かかった(2,279のホールルーム!)
- パートナーと基本的なスキルを開発するために、デバイスを注文した
- 秋には全ての学生寮の部屋にデバイスが設置され、130の質問に回答でき、45の電話帳もち、彼らから母親に電話することができた
- さらにPandoraやSpotifyのような音楽ストリーミングサービスや、リマインダー、通知、ナレッジの質問などAlexaの基本セットも使えた
- 最初の一年で15万回利用された
- 全てのユーザーが利用したわけではなかった
- オプトアウトは簡単で、電源プラグを抜いて、年末まで引き出しにしまっておくだけだった
- 1年を通じて、アンケートをとったり、彼らの助けになるようなメールを送ったりした
- 中間期の時にメールを送った ”Alexaがリマインダーを設定したり、瞑想を手助けしたり、音楽をきいたり、キャンパス内のさまざまな事を知れることを知ってた?” と
- 学生達のフィードバックは前向きで、非常に成功したプログラムだった
- また、彼らはもっと多くをAlexaに望んでいることも分かった
- 来年のAlexaスキルを大幅に向上させたいと考えていた
- 幸いにも、オープンソースのQ&Aチャットボットを紹介されていた
- また、AWSのプロフェッショナルな素晴らしいチームと連携し、3週間のPoCを行ってチャットボットの有効性を評価した
- 学生にも意見をもらい評価した後、8週間で開発を行った
- 130の質問から数百の質問に拡張した、もはや正確な数は分からない
- シャトルバスのAPIを持っていて、バスがどこに居るかをリアルタイムに知ることができるので、何分後にバスが来るのかを知ることができる
- 運動競技のシステムとも統合されているので、いつ試合があるかを尋ねることもできる
- また、食事のシステムとも統合されているので、今夜のビーガンメニューの内容を尋ねることもできる
- 拡張性が高く、質問や情報を非常に簡単に追加できる
- Webインターフェースも使えるようにした結果、全利用者のうちチャットボットは30%に利用された
- チャットボットにテキストメッセージも送信することができる
- また、これを公開し、保護者や非住居の学生にもダウンロード可能にして、Alexaデバイスやスマホアプリで利用可能にした
- 重要な機能として 賛成/反対 が簡単にできるフィードバック機能を追加した
- これですぐに返答が満足いくのものだったのか、悪い返答だったのかを判断でき、迅速に改善につなげることができる
- 迅速であることは、上層部のステークホルダーの注意を引くのには役立つが、最終的な成功をもたらすわけではない
- 私達がフォーカスしてるのは生産性、機能性、使いやすさであり、どうすれば、学部の学生にとって、大学でより良い体験をしてもらうためのサービスを提供できるか
- フィードバックを得て継続するというプロセスは私達のDNAに刻み込まれている
- 私達を助け、迅速に展開して、イニシアチブをサポートしてくれる、AWSのプロフェッショナルなチームとの関係のように、強力なパートナーシップはもう一つの重要な項目
- Alexaの来年の目標はパーソナライゼーション、そして、それを早く公開する
- 個人の特定をどうするかを知り、どうやって適切な場所で安全にパーソナライズされた情報を提供できるか、が次のステップになる
感想
前の2つの事例と違って、AWSの教育そのものではなく、教育現場でのAWSを活用したイノベーションについての事例でした。学生をユーザーとして、彼らのエンゲージメントを高めるために、Alexaやチャットボットをパートナーと共に早くフィードバックを得ながら開発して、もっと良くしていく、そんな製品開発の参考になりそうです。