[レポート] CTD206: AWS Media Servicesを使って世界最大級のスポーツイベントを放送する #reinvent
はじめに
清水です。AWS re:Invent2018にてセッション CTD206 「Broadcasting the World's Largest Sporting Events: AWS Media Services When It Matters Most」を聴講してきたのでレポートします。
セッションの概要は下記になります。
Learn how TV New Zealand and France Television broadcast the Commonwealth Games and a major cycling event using AWS Media Services. Broadcasting live events is unpredictable. Reliability, agility, and scale all play important roles in ensuring a broadcast takes place without issues. Learn how to create channels on the fly for live events and how to seamlessly handle a fluctuation or influx of viewers using AWS Elemental MediaLive, AWS Elemental MediaPackage, and Amazon CloudFront.
スピーカーは下記のお三方です。
- Greg Truax - Director of Engineering, AWS
- Raphael Goldwaser - Lead Video Architect, France Télévisions
- Andrew Blakey - Development Manager, TVNZ
レポート
スポーツイベントのストリーミング放送とAWS Media Servicesについて
まずはGreg Truaさんから、スポーツイベントのストリーミングとAWS Media Serivcesについての紹介がありました。
- アメリカでの視聴者数、首位のスーパーボールをはじめ、ほとんどがスポーツイベント
- 2018年にOTT配信した重要なスポーツイベント
- 2月の冬季五輪、4月のコモンウェルスゲームズ、6,7月のワールドカップ、7月のツール・ド・フランス、9月のアジアカップ
- なぜインターネット上でスポーツを見るのか?
- より大きなコンテンツライブラリ
- ロングテールイベントでも配信可能
- 画質の良さ
- インターネットストリーミングのほうが良いコーデックを使っている
- HEVC+AVC(放送ならMPEG-2+AVCになってしまう)
- HDRディスプレイはスマホやスマートTVでの利用が多い
- 4K UHDでの配信もできる
- インターネットストリーミングのほうが良いコーデックを使っている
- レイテンシはOTAやケーブル、衛生放送と同じぐらいに縮小している
- アプリを使った優れたユーザ体験を提供可能
- 別カメアングル
- 複数オーディオ
- タイムシフト再生
- 自動ハイライトクリップ
- 高度な統計情報
- レコメンデーション
- リアルタイムチャット、ソーシャルメディア連携
- より大きなコンテンツライブラリ
- なぜOTTストリーミングはクラウドに適しているのか?
- スポーツイベントは数週間だけ
- 必要なコンピュータリソースを、長期間保有する必要がない
- 数百万のユーザへのスケーリング
- ピーク対応のための大規模スケーリングが可能
- 弾力性
- ミスできないスポーツコンテンツに対して、複数AZで構成されるAWS Media Sericesは有効。最高レベルの冗長性を提供
- スポーツイベントは数週間だけ
- 弾力性を持つアーキテクチャ
- AWS Elemental MediaLiveのアーキテクチャ
- AWS Elemental MediaPackageのアーキテクチャ
ライブスポーツイベント配信の2つの事例の紹介
続いて事例の紹介です。まずはTVNZのAndrew Blakeyさんから、コモンウェルスゲームズの事例についての紹介がありました。
Gold Coast 2018 Commonwealth Gamesの事例
- TVNZ(テレビジョン・ニュージーランド)はニュージーランドの国有テレビ局
- 2018年のコモンウェルスゲームズについて映像で紹介
- 2017年10月時点のストリーミングアーキテクチャ
- AWSへの移行
- CWG(CommonWealth Games) 放送ワークフロー 全体像
- CWG ストリーミングアーキテクチャ
- CWGの冗長性について
- CWGの結果
- 300万のTV視聴者
- 230万のライブストリーミング視聴者
- 4,900万分のストリーミング視聴時間
- 今後の課題
- マネタイズ
- AWS Elemental MediaTailorの使用を検討したい
Le Tour de Franceの事例
続いてFrance TélévisionsのRaphael Goldwaserさんから、Le Tour de Franceの事例についての紹介です。
- フランステレビジョン(france tv)について。フランスの公共放送機関
- 数字で見るフランステレビジョンのストリーミング
- 月間6億超のビデオ視聴
- 6,000超時間のライブイベント配信
- 40超のチャンネル
- 毎日300超の新しいビデオアセット
- 60%超がモバイルデバイスのトラフィック
- 月間15PB超のトラフィック
- 主要なストリーミングコンテンツ
- 全仏オープンテニス
- ツール・ド・フランス
- オリンピック
- 数字で見るツール・ド・フランスのストリーミング
- 850万のfrance tv sportへの訪問者
- 全ビデオの視聴数4,100万
- france tvへの訪問者は1,300万
- 3,100万のソーシャルメディア投稿視聴
- ツール・ド・フランスのライブイベントの歴史
- 2015年まで
- レガシー時代
- 8チャンネル限定
- 放送のプレイアウトをOTTでストリーミングする、という位置づけ
- レガシー時代
- 2015年から2017年まで
- テスト期間
- 21チャンネル限定
- オンプレミスのハードウェア利用
- Elemental Cloudの検証(Elementalの緑色ロゴ時代)
- テスト期間
- 2017年から
- フルクラウド
- チャンネル数制限無し
- パートナー
- AWS Elemental
- Wildmoka
- 2015年まで
- 以前のワークフロー
- 現在のライブイベントワークフロー
- 移行に際しての要件
- 素早いチャンネルの開始
- HLS/DASH対応
- ブランディング
- スケーラビリティ
- Dynamic AD Insertion
- リアルタイムのクリッピング
- 私たちが得たもの
- オールインワン
- ライブ、VOD、クリッピング
- 高セキュリティ
- 高クオリティ
- オールインワン
- 私たちが学んだこと
- 長期間の関係性
- バグとフレンドリーに
- クラウドですべてのライブストリーミングプラットフォームは実現可能
感想
昨年のre:Invent2017でリリースされたサービス群、AWS Media Sericesの紹介と、その事例紹介のセッションでした。サービスリリースから1年経過し、Le Tour de Franceなどいろいろなスポーツイベントのストリーミング配信でAWS Media Serivcesが使用されていますね!また個人的にはスポーツイベントの配信畑出身なので、スポーツイベントとクラウドの相性の良さはとても納得できました。またAWS Elemental MediaLive、AWS Elemental MediaPackageの内部アーキテクチャも紹介されており、大変興味深いセッションでした。