[レポート] 機械学習でゲームチェンジ:AI, ML, IoT がどのようにスポーツを変えているか #AIM369 #reinvent
はじめに
みなさま Xin chao !
本記事は、AWS re:Invent 2019 のセッション 「AIM369 Changing the game with ML: How AI, ML, and IoT are transforming sports」 のレポートです。
セッション概要
セッション概要を和訳したものです。
業界に関係なく、機械学習に興味のあるスポーツファンの方にぴったりの講演です。 世界のトップスポーツ組織のいくつかは AWS の機械学習でどのように革新しているか、そして彼らの一部が Amazon ML ソリューションラボでの仕事に着手した方法をご覧ください。 Formula 1 (F1) の 1 秒間あたり 100 万データポイントから、1 週間あたりの NFL の 3TB のデータまで、Amazon SageMaker を使用して予測リアルタイムモデルを構築、トレーニング、デプロイします。 カーテンの向こう側がどうなっているのか、そしてどのように機械学習を始めることができるかをよりよく理解して、このセッションの内容を持ち帰ってください。
スピーカー
- Priya Ponnapalli - Prin. Scientist and Manager, Amazon Web Services
レポート
機械学習の好機
- 反応から予測へ
- 遅延からリアルタイムへ
- 手動から自動へ
- 平坦な表現から視覚的にリッチに
主要なカスタマー
- NFL (アメリカンフットボール)
- Formula 1 (自動車レース)
- MLB (野球)
NFL でのユースケース (NEXT GEN STATS)
フィールドからのデータ
スタジアムのセンサーは、すべてのプレーヤー, ボール, ref の RFID タグを追跡し、ゲームウィークごとに 3TB のデータをキャプチャして、インチ精度の速度と位置のデータを記録する。
- QB がパスを投げるまでの時間
- フォーメーションの把握
- ダブルカバレッジの状況
- セパレーション (=レシーバーとディフェンスの距離)
- 投げられたパスの距離 など
Amazon SageMaker を活用
- 35,000 プレイによって訓練されたモデル
- 0.1 秒ごとのセンサーからの信号
- 1 秒未満で行われる予測
- API で放送局にプッシュ通知し、試合 (の画面) と統合
試合内での情報提供例
- パスの成功のキーファクターはセパレーションが xx ヤード以上であること
- QB がディフェンスにサックされるまでの猶予は xx.x 秒
- このタイミングでパスするとタッチダウンの確率は xx.x % など
詳細な情報 - aws.com/nextgenstats
Formula 1 でのユースケース (F1 Insights)
車からのデータ
車体ごとに 120 のセンサーが、毎秒 1.1M のテレメトリデータポイントを生成する。
- ステアリングの角度
- 速度
- ERS (=エネルギー回収システム) の使用状況と蓄電状況
- 燃料使用量
- DRS (=空気抵抗低減システム) の状況
- G フォース (=加減速やコーナーリングで生じる重力) など
トラック (≒サーキットのコース) からのデータ
車体の位置データ, テレメトリーデータ (=走行中の車の詳細なデータ), タイミングデータ (=走行タイムに関するデータ) は S3 上に保存され、過去のデータと結び付けられる。
- タイヤの状況
- 公式記録
- 天候
- 車体の診断状況 など
機械学習を利用する F1 Insights (2019 年シーズン)
集められたデータは Amaon SageMaker に導かれ、レース放映中に表示される 「Battle Forecast」や「Pit Strategy Battle」に使用されている。
Battle Forecast
特定の後続車がこのペースを維持して走行を続けたら、前走車の追い抜きまであと ○周、追い抜きの難しさは××、というレース放映中の予測表示。
Pit Strategy Battle
前走車との距離が ○○ の状態で後続車がピットインしてタイヤを交換すると、△△ の確率で後続車が追い抜くことができる (註)、というレース放映中の予測表示。
詳細な情報 - aws.com/f1insights
(註 : 後続車が前走車より早いタイミングでピットインし新しいタイヤに交換すると、古いタイヤで走り続ける前走車とのタイム差により、前走車のタイヤ交換後に後続車が前にいることができる場合がある。 コース上での追い抜きが難しい近代 F1 では有効な追い抜き手法となっているが、先に交換したタイヤの寿命が厳しくなるリスクもある。)
MLB でのユースケース (STATCAST)
フィールドからのデータ
AWS を使用することにより、MLB は、センサーと LiDAR テクノロジーを使用して収集された、1 シーズンあたり 18PB を超えるデータを取り込み、分析し、保存することができる。
Stolen Base Probability
出塁したランナーのリードに応じた、塁成功確率のリアルタイム予測表示。
ESPN2 の統計主導型の全国放送
9 種類のユニークな Statcast、試合中に 78 回配信。
詳細な情報 - aws.com/statcastai
スポーツ全体に関する詳細な情報 - aws.com/sports
AWS はゲームを変えている
データのポテンシャルを開放する
- リーグやチームのデータを自動化、分析、活用する方法を変えている
ファンを引き付け楽しませる
- 試合前、試合中、試合後のファンのエクスペリエンスを高める
変革のペースを加速させる
- パフォーマンス, 健康, 安全を向上させる変革のために、データを使用する
始めましょう
AWS では他のどこよりも多くの機械学習が行われている (≒たくさんの顧客事例がある)。
ループを作成する
- テクノロジーイニシアチブをビジネス成果と結び付ける
データ戦略を前に進める
- 構造化および非構造化のデータソースにアクセスする
成功のために整理する
- 機械学習を開発者の手に委ねる
詳細情報 - aws.amazon.com/ai
さいごに
以上、「AIM369 Changing the game with ML: How AI, ML, and IoT are transforming sports」のセッション概要でした。
MLB および、自分の好きな F1 や NFL で、機械学習がどのように活用されているのかを知ることができる、とても興味深いセッションでした。
詳しく知りたい方は、本セッションの動画が公開されたら動画を直接確認してみてください!