[レポート] SalesforceとAWSはどのようにしてコンタクトセンターを加速させるのか #ENT235 #reinvent 2019
ラスベガスにて開催されているAWS re:Invent 2019に参加しています。
本エントリは「ENT235 - How Salesforce and AWS accelerate the contact center」セッションについてのレポートです。
セッション概要
Eighty percent of customer service interactions still take place over the phone. With the growing presence of cloud telephony in contact centers, companies now have an opportunity to weave intelligence into these phone interactions. In this session, learn how telephony can be integrated with Service Cloud to boost agent productivity, enhance reporting and training for supervisors, and deliver business insights based on call content and analytics. This presentation is brought to you by Salesforce, an APN Partner.
Presented by
- Lisa Hauser - Sr. Director – Strategic Product Partnerships, Salesforce
- Gautam Vasudev - Product Management Senior Director, Salesforce
- Tracy Kelly - AVP, Shared Services Contact Center, John Hancock
レポート
(Salesforce社)
- 顧客は平均して10個ものチャンネルを使っているが、チャンネル全体で一貫したエクスペリエンスを期待している
- 顧客の93%が音声を使ったコンタクトセンターを運用しており、未だに音声は人気のチャンネル
- しかし、音声はService Cloud Console内のAI対応ができていないため、まだデータに依存している
- Salesforceで取得できるデータはエージェントのメモのみ。エージェントが対応しながらの大量のメモは期待できず、顧客の把握が完全にできない
- そのためエージェントとの電話は長くなり、ユーザーは苦痛に感じることが多い。結果的にコンタクトセンターに対して推定750億ドルという費用がかかっている
- Service Cloud Consoleに音声サービスが統合された
- チャンネルに、チャットやメールのような文字起こしの情報を表示させる単一のプラットフォームを追加できる
- これにより、エージェントは顧客のコンテキスト把握や会話履歴をリアルタイムで表示できる。顧客のカスタマージャーニーを見ることができる。
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文字起こしされたトランスクリプトとEinstein AIによる次に返すべきアクションの提案によって、エージェントのレベルは増強される。
- スーパーバイザーにとっても、エージェントと顧客の会話内容が文字情報で見れることによって管理しやすくなる
- コンタクトセンターのリーダーにとっては、統一されたインフラアーキテクチャおよび分析は適切な投資になる
- John Hancockは人生のあらゆるステージで顧客に金融ソリューションを提供している
- John Hancockでは数年前に障害があり、改善を望んでいた。具体的には、顧客がエージェントからエージェントへたらい回しにされたとき、渡されたエージェント自身は顧客を完全に把握していなかったこと。
- 在宅ケアと健康のための長期ケアソリューションを提供している。これは長期療養している人にとっては切実な問題 。ソリューションを提供することで、顧客の生活とロイヤリティに大きなプラスの影響を与えることができる。
- Service Cloud上での音声サービスのデモ。
- エージェントと顧客の会話がリアルタイムで文字起こしされている
- Eistein AIは、その情報を元に次のアクションを提案してくれる
- また、Eisteinは通話の要約を作成してくれる
- これらの機能によって、エージェントは通話時間を10〜50%も効率化できる
(John Hancock社 Tracy Kelly)
- 3年前にコンタクトセンターのインフラ改善を検討していた。当時Amazon Connectも立ち上がったばかり
- AWSと何度も議論を行った末、Amazon Connectが最適なソリューションだと判断した
- SalesforceとAmazon Connectは簡単に統合でき、我々が望む機能がそろっている
- 2018年6月から小さくパイロット版で始めた。25人のグループで問い合わせフローを作り始めた
- スポットでLexも利用し、意図が正しく認識されるかのテストを行った
- 文字起こしと感情分析も試してみた
- 結果、パイロット版は我々が期待していたものであることを証明し、その後本番実装へ移行した
- ほんの数週間前、我々は生命保険グループすべてのコンタクトセンターをAmazon Connectに配置することができた
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内製で開発しましたか?それともSIの助けを借りた?
- 我々はコアチームメンバーは10人で、実装ではコンサルタントとしてVoiceFoundry社に助けてもらいました
- コンタクトセンターはステークホルダーが多く、連携が難しいケースが多いですが、どうやって実現しましたか?
- SalesforceとAmazon Connectの組み合わせを使用して、顧客体験、従業員体験を改善し、コストを削減する方法を早い段階で共有しパートナーに関与させること。
- どのようなROIや指標を見てきましたか?
- 生命保険コールセンターでのNPSの増加。数週間でNPSが50%以上増加したことを確認できた
おわりに
SalesforceとAWSは戦略的パートナーシップを拡大しており、Service Cloud上でAmazon Connectの通話機能と文字起こしの機能が提供される予定です。
セッションでは実際にService Cloud上で通話記録が文字起こしされていくデモを見ることができました。
エージェントと顧客の通話中にリアルタイムで文字起こしが行われながらエージェントが適切な対応をとっていく様は、顧客によいテレフォニー体験を提供できる印象を受けました。
Salesforceを使っており、コンタクトセンターの改善や導入を検討している場合、今後Salesforce + Amazon Connectの組み合わせは有力な選択肢の1つになるのではないかと思います。