話題の記事

AWSのマネージドサービスとVPCを設計するときの要件まとめ

2017.10.30

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

2018/02/05 表の記載に誤りがあったたため、訂正(RDSとRedshiftのPublic/Private併用は可能でした)

ども、大瀧です。
AWSでシステムを設計するときに欠かせないポイントとして、ユーザー専用のネットワークを提供するVPCの適用があります。VPCは柔軟なネットワークが構成できる一方でAWSのマネージドサービスごとにサポート状況や制約がまちまちで、設計フェーズで要件を確認するのは結構大変だったりします。そこで今回は、AWSマネージドサービスとVPCを設計するときの要件をまとめてみました。

クライアント→AWSマネージドサービスのVPC対応

マネージドサービスで作成したサーバーリソースに対してクライアントからアクセスするときのVPCの対応について、表でまとめてみました。

サービス名 インターネットからのアクセス(Public) VPC内からのアクセス(Private) PublicとPrivateの併用 ピア接続、Direct ConnectおよびハードウェアVPN接続での留意事項
EC2 ○ パブリックIPを有効にするかElastic IPを割り当て -
ELB - CLB, ALB
「インターネット向け」を選択

「内部」を選択
×
(どちらか選択)
リスナ、Privateのみ、要DNS
ELB - NLB
「インターネット向け」を選択

「内部」を選択
×
(どちらか選択)
リスナはピア接続、Direct Connect、VPN不可、ターゲットはIPタイプでDirect Connectのみ可
RDS
パブリックアクセス可能を「はい」

パブリックアクセス可能を「いいえ」
要DNS
Redshift
パブリックアクセス可能を「はい」

パブリックアクセス可能を「いいえ」
要DNS
Elasticsearch Service *1
VPCアクセスを選択
×
(どちらか選択)
Privateのみ、要DNS
ElastiCache × × 要DNS
WorkSpaces
(RDP接続のみ)

(PrivateはRDP接続のみ)
RDP接続のみ
Directory Service × × -
EFS × × -

補足

  • Amazon EMRとAWS Lambdaはクライアントからアクセスするエンドポイントを持たないため、今回の表には載せていません。どちらもVPC内に配置することが可能です。
  • WorkSpacesへのアクセスはWorkSpacesクライアントとRDPの2通りがあります。
  • NLBは、トラフィックの転送先であるターゲットに特有のネットワーク要件があるので注意が必要です。関連するブログ記事を参考にしてください。
  • 「要DNS」は、ノードの入れ替えなどでAWSによるPrivate IP変更があることを指します。AWSが用意するDNSの正引きレコードがPrivate IPの変更に追随するので、実運用としてはDNSを利用することになります。Direct ConnectやVPN経由でのDNSの適用についてはこちらの記事を参考にしてください。

マネージドサービス→S3のVPC対応

マネージドサービスの多くはS3と連携するため、S3とのネットワーク疎通性についての考慮が必要です。基本的な考え方は以下になりますが、漏れているサービス特有の要件もあると思うので、ドキュメントをよく確認しましょう。

まとめ

AWSマネージドサービスとVPCの機能との対応表をご紹介しました。ここが違うよ!やこのサービスも入れて!といったご意見・ご要望があればコメントやSNSでお寄せください。直します!

参考URL

脚注

  1. 非VPC環境に設置されます