プリセールスエンジニアは製品デモするだけじゃないんです

2019.08.01

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こんにちは。DA部の兼本です。

早いもので、プリセールスエンジニアとして「クラスメソッドにジョインしました」ブログを書いてちょうど一年が経ちました。
プリセールスエンジニアは外資系企業とのお付き合いがある方にとっては馴染みのあるポジションですが、名刺交換の際に「どういう役割ですか?」とご質問をいただくこともあり、残念ながら日本国内においてはまだまだ認知度が低いことは否めません。
というわけで、クラスメソッド ジョイン1周年を(個人的に)記念して、私なりにプリセールスエンジニアのお仕事をご紹介します。

プリセールスエンジニアって何するの?

プリセールスエンジニアと聞いて「製品のデモンストレーションする人だ」と思った方は半分正解です。

私たちプリセールスエンジニアは、お客様がソフトウェアやサービスの導入を検討する際にデモンストレーションを交えながら製品を紹介したり、購入前の動作検証(PoC/Proof of Concept)の支援が主たる業務です。(なお、弊社の場合は主たる業務の中に技術ブログへの記事投稿も含みます。)

ソフトウェアの導入を検討するとき、大まかに以下のようなプロセスがあるかと思います。

  1. Webサイト・展示会などで製品の情報を収集する
  2. 気になる製品を取り扱い可能な企業にコンタクトする
  3. 営業担当に製品の特徴・機能に関する紹介を受ける
  4. 必要に応じて製品の導入前評価・検証を実施する
  5. 自社に最適な製品を導入する

多くの場合、お客様は自分たちの業務や自社システムのプロフェッショナルであって、導入を考えているソフトウェアのコンセプトや機能に詳しいわけではありません。
また、ソフトウェアはカタログに記載された説明や製品仕様だけで自社の要件にマッチするかを判断するのが難しく、お客様が求めるビジネスあるいは技術的な要件に対して、ソフトウェアがどこまで実現できるのかを大まかに(かつ正確に)回答できるか否かが商談を進める上で重要です。
そこで、私たちプリセールスエンジニアが上記3.や4.のステップで、お客様と自社営業担当とのミーティングに同席し、要件の実現方法に関して技術的な詳細を説明したり、お客様が製品を評価する際には実装方法を紹介したりするわけです。

プリセールスエンジニアに求められるスキル

これからプリセールスエンジニアになりたいと考えている方、私は以下のスキルがあるといいです。といっても、ここに挙げたスキルはプリセールスエンジニアだけで要求されるスキルではなく、ほぼ全ての職種において必須スキルといえます。 裏を返せば、プリセールスエンジニアはユニークスキル持ちじゃなくてもやっていける最強のエンジニアだと私は信じています。

技術力

エンジニアなので取り扱い製品に関する知識はもちろんのこと、担当する製品によってはプログラミング言語やデータベースシステム、セキュリティなど幅広い知識が要求されます。
私は現在Alteryxというデータ分析プラットフォーム製品を主に担当していますが、データベースやWebサービス、ビジネスインテリジェンスなどに関する知識、さらに会社全体としてはAWSを得意としていますので、AWSに関する知識も必要です。(あー、今年はSAP取らないと。)
さらには、統計学や予測分析、機械学習なんてジャンルも必要になってきて、泣きながら勉強しています。

プレゼンテーションスキル

お客様とのミーティングに同席して、製品紹介やデモンストレーションを担当するので、プレゼンテーションスキルはある程度求められます。
必ずしも「エモい」プレゼンテーションをする必要はないですが、製品機能を淡々と説明するだけではなく、

  • 製品のコンセプトや特徴
  • お客様が求めている要件に対して、どの機能を使えば良いのか
  • 仮に標準では提供されていない機能を求められたときに、どうすれば実現できるのか

といった点を誇張なく明確に説明できることが重要だと考えています。
また、セミナーや展示会などで多くのお客様向けに製品紹介をする機会も増えるので、プレゼンテーションスキルを磨いておいて損はありません。

コミュニケーションスキル

営業担当とお客様とのミーティングに同席するので、コミュニケーションスキルは必須です。
特にプリセールスエンジニアの場合、お客様あるいは社内の営業担当が語る「ビジネス的な要件」を、社内のエンジニアあるいはソフトウェア開発元のエンジニアに対して説明しなければいけないケースがあります。

ここで重要なのは、(割と高い確率で)ユーザのザックリとした要件をそのまま伝えてもエンジニアには全く伝わらないことです。

プリセールスエンジニアは営業と開発の間で通訳を求められると思ってください。ただし、エンジニアだからと相手を技術でねじ伏せるのではなく、要件を正しく理解した上で最適なソリューションを提案できること、仮に相手の要望が適切ではないと思うなら、お互いに妥協できるポイントを議論した上で、次善の策を提案できることが重要です。

プリセールスエンジニアのキャリアプラン

プリセールスエンジニアは、単なるデモ要員ではなく製品コンセプトや思想までを語れるエンジニアであるべきと私は考えています。

ソフトウェアの中には、これまで存在しないカテゴリや思想を持った製品も多くあります。それらを無理に既存の枠に押し込めるのではなく、製品の新しい特性や思想を理解したうえで、その魅力をユーザに伝えられることが求められます。
加えて、ユーザの要望を正しく、より良い方向で開発部門やソフトウェアメーカに伝える技術も求められるため、私はプリセースエンジニアの先には、テクニカルエバンジェリストやアドボケイトがあると考えています。
テクニカルエバンジェリストやアドボケイト自体が新しいポジションですが、Developers Summit 2019でMOONGIFT 代表取締役 中津川篤司氏が2つの職種について紹介をしておりましたので、興味のある方は以下の記事をご覧ください。(弊社しんやの寄稿記事です。)

まとめ

というわけで、プリセールスエンジニアというお仕事について、私なりの考えをご紹介させていただきました。

もし、この記事を読んで弊社でジョインブログを書いてみたいなと思った方、エントリページからのご応募をお待ちしております。紹介者のところに「兼本」と書いていただけるとなお嬉しいです。

私自身は、より専門性を高めるためにプリセールスエンジニア改めプリセールススペシャリスト(自称)でやっていきたいと思います。

では。