デザイン要件で伝えて欲しいことを聞いてみた【デザイナーと働く #1】
はじめに
こんにちは。モバイルアプリの運用を担当しているkobayashiです。今回は、デザイナーとの仕事をよりスムーズに進めるために意識しておくと良いポイントをご紹介します。
前職で制作会社のデザイナーに依頼をし、何度かやり取りをして完成させるという業務をしていたことがあります。自分の要望がうまく伝えられず、モヤモヤしたこともしばしば・・・
どのように依頼したら要望が伝わりやすいのか、弊社のデザイナーとやりとりをする中で気づいたポイントをまとめています。デザインの要望の伝え方に悩んでいる方、デザイナーとの業務をもっと円滑にしたい方の参考に少しでもなればと思います。
概要
今回は、弊社ブログ用のアイコンを制作してもらうという依頼で要件の伝え方を考察したいと思います。実は最初自分で作ろうと思って要件を決めていたので少し荒いですが、そのままデザイナーに伝えてみました。
kobayashi
- 事業会社にて制作会社のデザイナーとやりとりをしていたことがある
- デザインの話題は好きだがそこまで詳しくない
- 現在はモバイルアプリの運用支援(カスタマーサポートやコンテンツ)を行なっている
たなか ゆきこ
- デザイナー歴16年
- UI.UXデザイナー
- 現在はモバイルアプリのデザインを行なっている
要件詳細
- カスタマーサポートのブログを書く時のアイコンが欲しい
- 電話対応はしていないので、誤認は避けたい
- 一番イメージに近いテレアポ的なビジュアルは使えない
- 「モバイル」、「メール対応」、「カスタマーサポート」がキーワードだと考えている
- ブログのアイコンは、日にちが経つと表示サイズが小さくなるので、目立つものが良い
- シンプルなものが良い
- サポートなので、優しい印象のグリーンを使ったものが良い
ひとまずこんな感じでまとめました。
デザイナーからのコメント
私が作った要件に関して、たなか ゆきこさんにコメントをもらいました。以下、kobayashiは「k」、たなか ゆきこさんは「ゆ」とします。
シンプルなものが良い
ゆ: シンプルってどんな感じをイメージしてる?
k: スッキリ、ごちゃごちゃしていない・・・どっちも抽象的ですかね。
ゆ: “シンプル”というのは人によって何をシンプルと感じるか違うので、何をシンプルと思っているかを教えて欲しい。
k: うまく言語化できない場合、どうやって伝えたらいいですか?
ゆ: うまく伝えられない場合は、例えば自社のパンフレットやHPを見ながら、どれをシンプルと感じているのかを伝えてくれると、デザイナーとしても提案がしやすい。
ゆ: 例えばこれ(弊社HPを見せながら),kobayashiさん的にはこれはシンプル?
k: んー自分のイメージと比べると少しこれは要素が多い気がします。アイコンは小さい表示なので。
k: なるほど。自分が何を“シンプル”と感じているか伝えると良いんですね。
改善→具体的な補足をする
「シンプルなものが良いなと思っていて、例えば要素をあまり増やさず、背景もベタ塗りとかをイメージしています。」
ポイント
- 人によって言葉の定義は違う
- 自分が思うイメージをなるべく具体的に言語化する
- できない場合は自分のイメージを伝える材料を用意する
サポートなので、優しい印象のグリーンを使ったものが良い
ゆ: グリーン以外の選択肢は無くていいのかね。
k: サポートなので、優しいイメージでグリーンがぴったりだと思ったんですが、あまり指定しない方が良いですかね。
ゆ: 色を指定されると主にそれを使用してしまうのです。この場合グリーン以外の選択肢も良いと思ったよ。
k: なるほど。コーポレートカラーとかどうしてもこの色が良いって場合以外はデザイナーに考えてもらう余地があることをちゃんと伝えた方が良さそうですね。
改善→重要度を伝える
「サポートなので、優しいイメージのあるグリーンがメインカラーだと良いかなと思っています。ただ、そこまで強いこだわりはないので、他にもっとふさわしい色があったらそれで提案してもらっても大丈夫です」
ポイント
- 絶対に守って欲しい要件なのかそうでないかを明確に伝える
- デザイナーにも考えて欲しい時は相談する
どんなことを伝えると良いですか?
要件を伝えられる時、何をデザイナーに伝えて欲しいかを聞いてみました。
マスト
- そのプロダクトで実現したいこと
- 目的に沿ったデザインを作るために必要
- ターゲット
- 誰向けなのか、誰が使うのかを教えて欲しい
- サイズや納品形態
- 基本的なことだが最初に伝えて置いてもらえるとスムーズ
あったら良い
- 既にある制作物をどう思っているか
- できれば現物を見せて欲しい
- 既にあるものを踏襲するのか変えたいのか教えて欲しい
- なんとなくイメージしているデザイン
- できるだけ具体的に言語化してもらえると助かる
- 好みなデザイン
- 意思決定者がどんなデザインが好きか
- 今回のプロダクトのイメージにあっていれば好みと外れても問題ないか
まとめ
- 人によって言葉の定義は違う
- 自分が思うイメージをなるべく具体的に言語化する
- できない場合は自分のイメージを伝える材料を用意する
- 絶対に守って欲しい要件なのかそうでないかを明確に伝える
- デザイナーにも考えて欲しい時は相談する
多くの場合は今回のようにデザイナーが引き出してくれますが、依頼する側としても上記のポイントを意識すると、よりスムーズにコミュニケーションが取れると感じました。
ちなみに、実際のところデザイナーの意見としては「意識して伝えてくれたら嬉しいが、うまく伝わらなくてもコミュニケーションを取って明らかにしていけば大丈夫」だそうです。色々考えて怖がらず、悩んでいることを相談してね、と優しい言葉をもらいました。(なので、うまく言葉にできなくても怖がらなくて大丈夫)
次回は要件から作ってもらったアイコンのレビューのポイントをお伝えしようと思います。お楽しみに。