Scrum Boot Camp東京に参加してきました。
7/30(土)にスクラム道主催で開催されたScrum Boot Camp東京に参加してきました。
場所は日本マイクロソフトさんの品川のオフィスです。広くてきれいなところでした。 ちなみにお隣の部屋では、LightSwitchとWordPressのセミナーやってました。
当日のアジェンダは以下の通り。
- 概要と理論
- タイムボックス
- ワークショップ#1
- ロール(役割)
- ワークショップ#2
- アーティファクト(成果物)
- ワークショップ#3
- ふりかえり&質疑応答
- 懇親会
講師は@kawagutiさん、@miholovesqさん、@ryuzeeさんのお三方でした。
スクラムとは
アジャイル開発手法の一つです。
スクラムでは、プロダクトオーナー、開発チーム、スクラムマスターという3つ役割が登場し、各役割を担う人たちでスプリントと呼ばれる一定期間の作業を繰り返しながら開発を進めます。
その他詳細は、以下の資料や書籍などを参照してください。
- 10分でスクラム(講師の@kawagutiさんが公開しているスライド)
- スクラムガイド(日本語訳あり)
- 塹壕よりScrumとXP(InfoQ内、日本語訳)
イベント内容をすべて紹介したいくらいなのですが、さすがに全部は無理なので特に印象深かった点について紹介したいと思います。
スクラムの3つの柱
概要の説明の際に、スクラムの3つの柱についての説明がありました。
- 経験主義:実際の経験をもとに、繰り返し改善する。
- 自己組織化:指示待ちではなく自分たちで決める。
- 信頼:メンバーを信頼する。透明性を保つ。内外から信頼される。
自己組織化の説明で出てきたServant leadershipという言葉が印象的でした。どのように開発を進めるかは開発チーム自身が決めます。スクラムマスターは指令を出すのではなく、執事のようにメンバーを支援する振る舞いをするのが大事です。
スクラムをうまくやるためには、このようなチームをつくり上げることが重要だと理解しました。
Done(完了)の定義
作業に入る前には、「作業を完了させるためにやらなければいけないことをリストアップ」して、チームで共有し、さらにそれを見やすいところに張り出していつでも確認できるようにする、という話がありました。
確かに何をしたら完了なのか明確になっていなければ、作業を終わらせることはできません。
自分たちの作業がどうなったら完了となるのか、しっかり決めているでしょうか。当たり前のことと思いつつも、他のメンバーとは認識が違っていたりしがちではないかと思います。
私自身以前のプロジェクトで、完了の条件が曖昧なまま作業を進めてしまっていたことがあるので、少々耳の痛い話でした。
また、スプリントの初めに作業するストーリーを選択する時、それぞれのストーリーの受け入れ条件も決めておくという話もあったのですが、それも完了の定義をしておくという事かと思います。
ワークショップ
「タイムボックス(とカイゼン)」、「タスクの切り替え」、「ストーリー作成と見積り」をテーマにしたワークショップが行われました。
参加者は5人ずつのチームに分かれて、ワークを行いました。
タイムボックス
いくつかの制約がある中で紙ヒコーキを作って飛ばす作業を行いました。作業に使える時間は限られており、終わらなかったとしても延長は無しです。 作業の前には飛ばせるヒコーキの数を見積ります。それを5セット繰り返し、作業を改善しながらより多くのヒコーキを飛ばし、なおかつチームの見積り精度を高めます。
ワークの後の反省で、明示されている以外の制約や自分達が勝手に考えた制約という余計な制約に縛られていないか、また顧客にとって必要ではない「品質」にこだわり過ぎていないかという指摘を講師から頂きました。 確かによく陥りがちなことなので、気を付けないといけないと思います。
それから、リリースするタイミングってすごく大事!というのを実感しました。
タスクの切り替え
単純な2つの作業ABをそれぞれ集中して実行した場合と、AとBで作業を切り替えながら実行した場合での成果の量を比べました。
結果ですが、私の場合作業を切り替えながら実行した時は、集中して実行した時と比べて成果は半分以下でした。
作業の切り替えが発生することが、いかに効率を落とすかということが実証されました。
ストーリー作成と見積り
架空のシステム開発を題材にして、ストーリー作成、優先順位づけ、見積りを行いました。
スクラムの見積りはリーダーや担当者が行うのではなく、開発チーム全員でします。全員で見積りを行うことによって、そのストーリーの要件やタスクに対するメンバー間の認識のずれを、早いうちに最小限にすることができるといった効果があります。
また自分たちで見積りを行うことによって、納得感を持って作業をすることができるのではないかと感じました。
個人的なふりかえり
参加に先だってスクラムに関する書籍やWeb上の情報をある程度読んでいたので、基本的な知識や用語についてはついていけない事はありませんでした。予備知識無だとはちょっとつらいかもしれません。
座学とワークショップがバランスよく交えられた充実した内容で、長時間に関わらず退屈することなく(退屈する暇もなく)集中して受講できました。
また経験豊富な講師、コーチの方々の話や、現場でスクラム実践している他の参加者の方の悩みなどを聞いて、自分でよく考える機会が得られました。
ワークショップも楽しみながら行うことができて、良く練られているなと感じました。この内容で無償とは素晴らしいです。
次回の開催があったら、スクラムに興味を持っている方は迷わず参加することをお勧めしたいです。
今回は初心者向けの基礎的な内容だったので十分理解できたと思うのですが、スクラムを導入しようとしたり実践したりするとまたいろいろな疑問がわいてくるかと思います。 そういう人たちが集まって、互いの悩みを共有したりアドバイスをしたりといった場となりそうなスクラム道場も開催されるようです。
ふりかえりの後にはじゃんけん大会が開催され、運よく勝ち抜いてプランニングポーカー用のカードのお土産もいただいてきました。
当日の様子は、スクラム道のサイトに写真がアップされています。
最後になりましたが、講師そしてスタッフの方々ありがとうございました。