[レポート] アジア発の世界に認められるプロダクトを創るまでの話 プロダクトマネージャーカンファレンス 2020 #pmconf2020

2020.10.27

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

2020年10月27日に開催された プロダクトマネージャーカンファレンス2020 ~見えない未来をリードするプロダクトマネジメント~の「アジア発の世界に認められるプロダクトを創るまでの話」セッションのレポートです。

概要

2011年の東日本大震災の直後、先がよく見えない中で生まれた「LINE」。当時スマートフォンが加速的に普及し、新しいパラダイムシフトが起きました。 その好機をつかんだLINEは、すぐにトップアプリに躍り出て、いまでは日本や台湾で「社会のインフラ」と呼ばれるまでに大きく成長しました。 当時、もう後がない崖っぷちだったネイバージャパンの日韓混合チームの快進撃のパワーは何だったのか、また、そこに至るまでに「アジアから世界に認められるプロダクトを創りたい」と夢見た私が歩んで来た道が、皆さんのプロダクト作りの参考になれば幸いです。

登壇

稲垣 あゆみ / LINE株式会社 / 上級執行役員 LINEプラットフォーム企画統括

セッション

  • テーマが見えない未来をリードするプロダクトマネジメントから想像したこと
  • リーダーシップの旅 〜 見えないものを見る 〜
  • 何故アジア?
    • 楽天などにインターン
    • 2004年くらいに韓国と中国にいった
    • mixiがサービス開始
    • 韓国ではcyworld(SNS)が流行
      • 自己表現の多彩さ、親密度を図るなど充実してた
    • 日本は米国からの輸入が中心
    • 韓国/中国は検索エンジンやSNSなど自国のものが流行ってた
    • 日本でそれを話しても良く言われない
  • 検証1
    • アメリカの日本市場への参入が早い
    • 例えばTwitterの現地オフィスが出来るのが韓国/中国よりも数年早い
  • 検証2
    • サービスの開発力の差
    • MBA -> 日本 /コンピュータサイエンス -> アメリカ/韓国/中国
    • 韓国の1noon(検索エンジン) が Google か NAVER に買収されるなど話しがあるのに、日本ではそのような話しは聞かなかった
  • 検証3
    • ビジネスモデルの違い
    • 韓国のベンチャーでインターン
      • ユーザーのニーズを考える - >良いものを作るのが第一
    • Web進化論が出た時
      • 韓国/中国の方が先だと感じた
  • どうしたら非エンジニアがプロダクトを作れるか
    • 入社4日で辞表を提出
    • 韓国のインターネットサービスから学ぼう!
    • 「サービス企画」毎日ユーザーが使いたくなる仕掛け
    • 「KAISTと軍隊」徴兵制を回避できるというのもある
  • ネイバージャパンの再挑戦 / Baiduの日本進出
    • Baiduに入社
      • ユーザーニーズが全てを決定
      • 企画者は理想の状態を言え
    • ネイバージャパンに入社
      • 当時は崖っぷち。先が見えない。
      • 震災後にLINEにが急成長
  • LINEにの成長の土壌と外的環境
    • LINEは世界的には後発 - 日本的なものを出した
      • 他の日本企業はLINEの後のプロダクトを出すのが遅かった 1.5年後だった
      • スマホの普及もあった
  • LINE のプロダクトづくり
    • ベンチマークと模倣の違い
      • 「学ぶ」の語源は「真似ぶ」「模倣は創造の神」
      • ひたすら事例を見る、思考を理解する -> 作った人「と対話してる気分になる」くらい
      • 人間関係に関する論文も学びになった
    • WOW を追求する
      • ユーザーを感動させる初めての体験 / 思わず友達に教えたくなるような驚き
        • これを必死に追求してる時にしか生まれない
        • LINEではスタンプ - ”いまから帰る”が文字からスタンプになって関係性が変わる
    • カオスを楽しむ
      • 乱雑、非定量的、まとまりがなく、即興的、不完全、一貫性がなく…
      • 初期のLINEに必要な時に集まって、何かをしていく、そこから生まれるパワフルさ
      • ”ひらめきはカオスから生まれる” 本
        • 余白 - 計画がなかった
        • 異分子 - 日本人だけならデコメ的なものになってたと推測 / 韓国のデザイナーだから作れたもの
        • 計画されたセレンディピティ - 極端な表情だけで作ったもの
      • 今ではそれがなくなっていて課題
        • カオスが何かを生み出すパワーと思ってる
  • あなたはどんな「見えない未来」を観る旅をしていますか?
    • 一人ひとりが持つ想いがあればいろんなプロダクトが生まれ、面白い未来が広がるのではないか、皆さんに挑戦してもらいたい。

まとめ

韓国/中国から自身が感じた事を行動で実現していく姿勢がすごい。また、学ぶ = “真似ぶ”話しや、最後の”カオスが何かを生み出すパワーと思ってる” あたり、自分の体験とリンクするところもあり、特に印象に残りました。僕らもお世話になってるLINEが生まれた背景や想いが知れる素晴らしいセッションでした。