[アップデート] Amazon Redshift の手動スナップショットが増分課金に対応し、ストレージコストを削減できるようになりました

[アップデート] Amazon Redshift の手動スナップショットが増分課金に対応し、ストレージコストを削減できるようになりました

Amazon Redshift のスナップショット課金が「増分課金」へと変わりました。複数スナップショット間の重複データが二重に課金されなくなり、バックアップの頻度や保持期間を増やしてもコストが抑えられるようになります。この新しい課金モデルの詳細と、コスト最適化への活用方法をご紹介します。
2026.06.09

クラウド事業本部の石川です。Amazon Redshift Serverless と Amazon Redshift RG の手動スナップショット(manual snapshot)の課金モデルが見直され、複数のスナップショットをまたいでユニーク(一意)なデータブロック単位で課金される「増分課金」へと変わりました。

これまで複数の手動スナップショットを保持するとストレージコストがスナップショットの数だけ膨らんでいましたが、今回のアップデートにより、重複するデータが二重に課金されることがなくなります。バックアップを長期保持したい方や、より頻繁にスナップショットを取得したい方にとって、コスト最適化の大きな後押しになりそうです。

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2026/06/amazon-redshift-incremental-manual-snapshots/

Amazon Redshift のスナップショットとは

Amazon Redshift では、データウェアハウスのバックアップとして「スナップショット」を取得できます。スナップショットには2種類あります。

  • 自動スナップショット: Amazon Redshift が自動的に取得するバックアップです。プロビジョンドクラスター(RG / RA3 ノードタイプ)では最大35日間、Amazon Redshift Serverless では自動的に作成されるリカバリーポイント(recovery point)を24時間、それぞれ無料で保持できます。
  • 手動スナップショット: ユーザーが任意のタイミングで取得し、明示的に削除するまで保持され続けるバックアップです。ディザスタリカバリやテスト、長期保持などの用途で利用されます。

今回のアップデートは、このうち手動スナップショットの課金方式に関するものです。

アップデート内容

これまで手動スナップショットのストレージは「各スナップショットの合計サイズ」を基準に課金されていました。今回のアップデートにより、「すべてのアクティブなスナップショットにまたがるユニークなデータブロック」を基準とした課金へと変更されます。

主な変更点は以下のとおりです。

  • 手動スナップショットの課金基準が、各スナップショットの合計サイズから、複数スナップショット間で重複を排除したユニークなデータブロック単位へ変更
  • 複数のスナップショットで変更されていないデータブロックは、1回だけ課金対象となる(アカウントレベルでの重複排除)
  • 既存・新規いずれの手動スナップショットにも自動的に適用され、追加の設定は不要
  • 対象は Amazon Redshift Serverless と Amazon Redshift RG インスタンス

対応リージョン

Amazon Redshift Serverless および Amazon Redshift RG が利用可能なすべての AWS リージョン(AWS GovCloud (US) Regions を含む)で利用できます。

料金への影響

新しい課金モデルでは、複数の手動スナップショットを保持していても、重複するデータブロックは1回しか課金されません。そのため、スナップショットの取得頻度を高めたり保持期間を延ばしたりしても、コストが比例して増加することがなくなります。

なお、自動スナップショットの無料枠(プロビジョンドクラスターは最大35日、Amazon Redshift Serverless のリカバリーポイントは24時間)に変更はありません。

増分スナップショット課金の仕組み

増分課金では、複数の手動スナップショットが共通のデータブロックを共有し、ユニークなブロックだけが課金対象になります。考え方を図で整理すると、以下のようになります。

関連する AWS Big Data ブログでは、具体的なコスト例が紹介されています。

例1: 10TB のデータウェアハウスで3つのスナップショットを保持する場合

スナップショット タイミング 新規に課金されるデータ
スナップショット1 初日 10TB(一意データ)
スナップショット2 直後 追加課金なし(変更なし)
スナップショット3 2日後 1TB(新規データ分)

このケースでは、新しい課金モデルでの課金対象は合計 11TB です。従来モデルでは各スナップショットを個別に計上するため、21TB 相当が課金されていました。重複するデータブロックを排除することで、課金量を大きく抑えられることが分かります。

例2: 月額コストの試算

10TB のデータに対して日次で 5% のデータが変化し、7日間スナップショットを保持するケース(US East (Ohio) リージョン)では、月額コストは以下のように試算されています。

  • アクティブデータ: $235.52
  • ユニークなスナップショットブロック(13TB 相当): $306.18
  • 月額合計: $541.70

※ 上記はブログで紹介されている試算例です。実際のコストはワークロードやリージョンによって異なります。最新の料金は公式の料金ページをご確認ください。

想定されるユースケース

増分課金により、これまでコスト面で見送られていたバックアップ戦略が現実的になります。

  • コンプライアンス対応の長期保持: 金融・医療・政府機関など、90日〜5年以上のバックアップ保持が求められる業界での長期保管
  • ディザスタリカバリの RPO / RTO 改善: スナップショットの取得頻度を高めることで復旧ポイントを増やし、RPO(目標復旧時点)を改善
  • クロスリージョンのディザスタリカバリ: 複数リージョンへのコピー頻度を上げつつコストを最適化
  • 拡張バックアップ: あらゆる規模のワークロードで7〜14日の保持を経済的に実現

利用上の注意

  • 本アップデートの対象は Amazon Redshift ServerlessAmazon Redshift RG インスタンスです。Amazon Redshift RA3 インスタンスは、従来どおり標準的な Amazon S3 階層のバックアップストレージ課金が維持されます。
  • Amazon Redshift RG は2026年5月に提供が開始された新世代のプロビジョンドノードタイプです(詳細は公式ドキュメントを参照してください)。AWS Big Data ブログでは、RA3 から RG への移行により、コンピューティングコストの削減やリザーブドインスタンスの活用と合わせて、総合的なコスト最適化が可能と紹介されています。
  • 現在のスナップショット使用状況は、AWS Billing and Cost Management コンソールで確認できます。アップデート適用後の課金イメージを把握するうえでも、まず現状の使用量を確認することをおすすめします。

確認する場合は、Billing and Cost Management コンソールを開き、ナビゲーションペインで「Bills(請求書)」を選択します。画面の一番下の日本のAWSの場合「Amazon Web Services Japan G.K. charges by service」セクションで Redshift を展開します。

最後に

Amazon Redshift Serverless と Amazon Redshift RG の手動スナップショットが、ユニークなデータブロック単位の増分課金に対応しました。複数のスナップショットで重複するデータは1回だけ課金されるため、バックアップの取得頻度を上げたり保持期間を延ばしたりしても、コストが比例して増えにくくなります。

既存・新規いずれの手動スナップショットにも自動適用され、追加設定は不要です。まずは AWS Billing and Cost Management コンソールで現在のスナップショット使用状況を確認し、コンプライアンス要件やディザスタリカバリの観点からバックアップ戦略を見直してみてはいかがでしょうか。

合わせて読みたい

https://aws.amazon.com/jp/blogs/big-data/unlock-cost-savings-with-incremental-snapshot-billing-for-amazon-redshift-serverless-and-amazon-redshift-rg/


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