[レポート] Japan IT Week 関西 IoT/M2M展、組み込みシステム開発技術展に参加してきました

2019.01.27

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どうも!大阪オフィスの西村祐二です。

1/23(水)にインテックス大阪にて開催されました「Japan IT Week関西」に参加してきましたのでレポートにまとめておきます。

Japan IT Week関西は組込みシステム開発技術展、IoT/M2M展、情報セキュリティEXPO、クラウドコンピューティングEXPO、モバイル活用展、店舗ITソリューションEXPO、 Web&デジタルマーケティングEXPO、AI・業務自動化展の8つの専門展から構成されている関西最大のIT展示会です。

私はその中でも「IoT/M2M展、組み込みシステム開発技術展」に絞って参加しました。理由としては、 最近、IoTのクラウド側の業務が多く、ハード側であったり、組み込みシステムについても知識を増やしたい、業界についてもっと知りたいと思っていたからです。

そのため、本記事ではクラウドとは別のレイヤーで個人的に面白そうだなと感じたものに絞ってまとめていきます。

Japan IT Week関西とは

1/23(水)〜1/25(金)に開催された、組込みシステム開発技術展、IoT/M2M展、情報セキュリティEXPO、クラウドコンピューティングEXPO、モバイル活用展、店舗ITソリューションEXPO、 Web&デジタルマーケティングEXPO、AI・業務自動化展の8つの専門展から構成されている関西最大のIT展示会です。

幅広くIT分野を網羅して開催することで、西日本でのビジネス拡大を求める出展社、来場者にとって欠かせない展示会となっています。 出展ブースでは製品・サービスの販売・受注、課題についての相談、見積り・導入時期の打合せなど、“実質的な商談の場”として活用いただいています。

詳細は公式HPを参照ください。

https://www.japan-it-osaka.jp/ja-jp.html

株式会社ゼネテック

サーマルカメラによるターゲット追尾システム

温度の高いところをサーマルカメラで判別し、その結果をもとにデバイスを制御し、カメラが追従するというシステムのデモが展示されておりました。

下記画像の真ん中にあるデバイスがサーマルカメラを搭載したデバイスで、読み取った画像情報から処理を行い、それに基づいてデバイス制御を行うシステムとなっていました。

このシステムを提供しているというわけではなく、こういうこともできますよ、という技術PRデモとしての展示物とのことでしたが、とても多くの技術が詰まったデモでした。私もカメラの前に顔を向けて実際に試してみたのですが、しっかりカメラが追従し、さらにサーマルカメラで読み取った値や画像処理した画像がモニター上に表示されていました。

画像処理の部分は「NVIDIA Jetson TX1」というGPU搭載デバイス(上写真右側のデバイス)で行っているということで、調べてみるととても面白そうなデバイスでした。個人で試しに購入して触るのは値段的に躊躇しますが、機会があれば触ってみたいなと思いました。

https://www.nvidia.com/ja-jp/autonomous-machines/embedded-systems-dev-kits-modules/

人とものをつなげるIoT

上記のデモの隣にガンタンクを模したデバイスのデモもあり、こちらもおもしろかったので紹介したいと思います。

このデモは移動型のデバイス(ガンタンク)につけられたカラーセンサーによって、床にプリントされた色を読み取り、その情報をクラウド上に送り、リアルタイムに可視化、さらにそのデータをもとにデバイスを制御するというデモでした。

デバイスはラズパイで作成されており、データの送信にはBLEを使っているとのことでした。また、距離が足りない場合は中継デバイスを用意し、そこを経由しクラウドへ送信するとのことでした。

また、タブレットからガンタンクの操作が可能とのことで、とても面白いデモでした。

ADaC:アドバンスド・データ・コントロールズ

スロットカーデモ for リアルタイムOS INTEGRITY

2台のミニカーが走り回っているデモがあり、面白かったので紹介したいと思います。

このデモの特徴としてはそれぞれの車が衝突しないように走り、さらに信号のルールをまもるように制御されているところです。これを応用して、自動運転を実現できるとのことでした。

衝突回避などを可能にしているのが、リアルタイムOSの「INTEGRITY」

AWSでもFreeRTOSというリアルタイムOSが提供されていますが、それと比べて「INTEGRITY」は、有償でプロセッサのMMUを利用した完全なメモリ保護による高い信頼性と安全性が他より優れており、航空機など堅牢性が重要視されるデバイスに利用されているとのことでした。

自動運転のことやリアルタイムOSについて、いろいろと話をきくことができ、とても楽しかったです。

富士ソフト株式会社

AIによる外観検査、良品不良品判定

こちらのデモはベルトコンベア上に車が流れてき、カメラでそれを読み取り、必要なパーツがついてるか判定し、その結果をリアルタイムでディスプレイに表示するというデモでした。

判定には事前に機械学習で作成したモデルを使って判定しているとのことでした。

下記画像に写っているモニター上に判定結果がリアルタイムに表示されていました。

IoTを使ってやりたいことでよく上がるユースケースを実際にソリューションとして提供しており、ユーザとしてはイメージしやすいのではないでしょうか。

ブース担当の方とお話しさせていただきましたが、まだまだ課題があるようで、このデモの場合は車を横に向けるときちんと判別できないことや精度の高いモデルを作るの時間がかかるなど実環境における機械学習の難しさについても教えていただきました。

IoTフォグコンピューティングゲートウェイ

フォグコンピューティングはエッジコンピューティングと似た考えで、クラウド(雲)よりもデバイスに近いところに位置しているためにフォグ(霧)と表現されます。つまり、処理能力のあるデバイスをIoTデバイスのあるLAN内に置き、そこにデータが集められ、処理、貯蔵される構成になります。

IoTフォグコンピューティングゲートウェイは画像左側の四角い箱の筐体になります。そこの上にカメラがあり、ミニカーが走っているのを画像処理をして撮影しています。IoTフォグコンピューティングゲートウェイではそこから物体検出をしてディスプレイに表示しています。

ディスプレイに処理した結果の動画が流れていました。

所感

自分の知らない分野の業界についていろいろ知ることができたので参加してよかったと思いました。

それぞれのブース担当の方と話をした際に、

「工場でインターネットの回線などIoTを行う上での設備はどれほど整っているのか」という質問を毎回させてもらいましたが、

IoTというワードが流行っていることもあって、大手メーカーではやっとネットワークなどは普及してきたが、小さいな工場などではまだまだこれから、という回答が多く設備面でのハードルもまだまだあるのだなと感じました。

私はre:Invent2018に参加し、そこでIoTの事例紹介など追いかけていましたが、その海外と比べると、海外ではITとは関係ない産業でもIoTが普及しており、発電所などでIoTを導入し超大規模に実施していたり、エッジコンピューティング、機械学習をつかった効率化も当たり前になってきている印象を受けたので、やはり、そこと比べると日本というか関西はまだまだこれからだなといった感想を持ちました。

話をきいていると工場内のデータを外(インターネット回線)にだすことがポリシーとしてNGなところも多くあるようで、ここの規制緩和というかハードルをさげないと、クラウドを使ったIoTは難しいなという印象も持ちました。

ネット回線がないところの対策としてSIMカードなどを使ったモバイル回線を使うというパターンもあると思いますが、全ての場合に使えるわけではなく、機器によっては周波数帯で衝突したり、そもそも機器に影響がでるため使えないなどという場合もあるようでした。

デバイスの接続先のパブリッククラウドは出展されていたブースをざっと回ってみてAzureが多い印象でした。日頃、馴染みのあるWindowsから派生してAzureを使っているのかは不明でしたが、AWSやGCPはあまり見かけませんでした。

個人的に気になるすこし深い話はブース担当の人に話をふると、担当が違ったり、または、そこは別会社がやっているからわからないというパターンが多く、そういった話ができなかったことが少し残念でした。例えば、証明書を使ったクライアント認証の話や、MQTTなどのプロトコルの話、PubSubの話など

総じて、まだまだこれからという印象をうけたため、ビジネスとしてはチャンスがあるのではないでしょうか。

また、IoTのデバイス側からアプリケーションの分野まで把握している方はなかなかいないため、そういった守備範囲の広いエンジニアになるのも市場価値的にいいのかなとも思いました。

さいごに

いかがだったでしょうか。

今回は「組込みシステム開発技術展、IoT/M2M展」に絞って参加しましたが、

Japan IT Week関西はそれ以外にも情報セキュリティEXPO、クラウドコンピューティングEXPO、モバイル活用展、店舗ITソリューションEXPO、 Web&デジタルマーケティングEXPO、AI・業務自動化展と合計8つの専門展から構成されている関西最大のIT展示会ですので、参加してみると様々な分野の情報をキャッチアップできると思います。

誰かの参考になれば幸いです。