2023年度新卒採用エンジニア向けに「エンジニアの教養」なる仰々しいタイトルの話をしたので資料公開します
実は数年前から、弊社でも新卒採用を開始しています。
このように、採用後の研修に関するブログもあがってます(エビデンス)。
上の記事を見て頂いたらわかるとおり、ソフトスキル(ビジネススキル)は当然のこと、各部署入り乱れて Linux 基礎やら SQL やらチーム開発やらの実用的なハードスキルをたたき込む手筈となっています(言い方)。
あるとき、
「・・・あれ、その中間の話ってあんまりしてないのでは?」
「何故そのハードスキルが必要とされているのかや、如何に今後自分でそのスキルを獲得していくのかなど、ソフトスキルに分類されつつもエンジニアがエンジニアとしてもっているべきスキルがあるのでは?」
との疑問を担当部門の担当者にぶつけてみたところ、じゃあやってみようということで、なんやかんやあって、半日 2枠をもらってやってみることになりました。 *1
本記事ではその時の資料を公開するとともに、進め方や意図的なものを記載します。
何をやったか?
大枠で3つの話をしました。
- イントロダクション(話者自己紹介・前置き・単元の意図)
- メタ学習(座学)
- タスクばらし(座学+ワークショップ)
1,2を午前中の 1.5h、 3 を午後 2h かけて実施しました。
3ですが、全員リモート参加ということもあって、ワークショップといってもチームを組んで協力しながら・・というものではなく、各自課題に対して手を動かしてもらう程度のものにしました。
これには眠気防止 *2と、あとツールになれて貰う意図も含んでます。
また 3 つとも、「スライドは作るがそれに全ては書かない」ことを念頭に置きました。
スライドに全部書いてあるのであれば、それは読んでもらえば済むことです。
わざわざ時間を合わせてリアルタイムで話を聞く理由とは? と考えると、やはりそれはライブ感とインタラクションですよね。
というわけで、社内Slackに実況スレをたてつつ、リアクションを拾いながら、書いてる内容を膨らませて話すという感じで進めました。
またセッション中も、常時質問を受け付けるようにしつつ、時々促したりして、より質問をし易い雰囲気をつくるように気をつけました(つもりです)。
資料
というわけで、資料PDFを公開します。
前述の通り「全部は書いてない」=「これだけ読んでも良く分からない」資料になってますので少し補足します。
0 イントロダクション
話者(ぼくです)の自己紹介と、ここで何を話すかの資料です。
相手は「これからキャリアを開始する人物」ということで、話者のこれまでの職歴もいつもより詳しめに話しました。
また、ここで一番伝えたいことは「如何に自分自身のベースを構築するか」ということで、歌舞伎で言えば(?)「型」だろうし、カードゲームで言えば手札だという比喩と共に話した感じです。
1 メタ学習
社会人になっても学習は大事だよということと、特に重要なのは「如何に学習するか(学習方法の学習)」だよ、ということを話しました。
そのためには、まず「ほんとうに学習必要なの?」ということに対するアンサーは要るだろうということと、OODAループ・ダブルループといったメソッドについての説明をした感じです。
2 タスクばらし
「タスクばらし」は、学生時代も普段の生活でも普通にやっていることですが、業務を進める上では「より」意識する必要があります。
そのための基礎的な話とか、なんのために、どのように、何を使って。。といった具体的なところを、ふたつの課題で実際に「やってみる」感じにしました。
ちなみにスライドにもありますが、この話のベースには以下のZennの本を使っています。
反応
終了後にアンケートを採ったのですが、まあ当たり前ですが悪くない反応を頂けました。
新卒の方々はみんないいひとなので!
特に、タスクばらしの内容と課題については反応があったので、この辺りはうまくフックが機能したように思いました。
やり残したことについて
設定したテーマと作ったスライドに対しては、特にやり残しはないのですが、時間がもう1枠あれば「DevOps文化」や「心理的安全性」などの、いまの開発現場で押さえておくべき文化についても話したかったところでした。
一方で、別枠の社内勉強会で該当文化の話があったので、うまくフォローできたかなとは思います。
あと、タスクばらしの課題の進め方については、もうちょっと上手いやり方があったかも知れないなとは思ってはいます。
まとめ
ひとに何かを教える、というのは難しいです。教えようとしたときには試されるのは自分自身ですし、今回も自分自身が教えられた側だと思うことひとしきりです。
また正直、自分のとき *3のことを思い返しても、新卒研修で聞いた話なんて 1% も覚えてないです。
今回もきっとそうで、ここで話した内容もほぼほぼ全員忘れるだろうし、それでいいと思いながら話しました。
もし、その中でひとこと・スライド1枚でも、将来「そういえばどこかで聞いたな?」と思いだしてもらえるものがあったら最高です。来年もやるかどうかは現時点では未定ですが、やるとなったらまた頑張ろうと思います。