[Workshop] デジタルツインを使用して実用的な運用上の洞察を生成する #AWSreInvent #MFG201

[Workshop] デジタルツインを使用して実用的な運用上の洞察を生成する #AWSreInvent #MFG201

Clock Icon2023.12.27

アノテーション 構築チームのいたくらです。
「Generate actionable operational insights with a digital twin」に参加してきました。
本ブログではそのレポートをお届けします。

セッション情報

  • セッション ID : MFG201
  • タイトル: Generate actionable operational insights with a digital twin
  • スピーカー: Christophe Renard, Seibou Gounteni
  • レベル: 200 - Intermediate

ワークショップの概要

In this workshop, learn how to use a PLC simulator of a bottling factory to deploy software running at the edge to securely collect and ingest machine data into the cloud, calculate and monitor KPIs like overall equipment effectiveness, and configure alarms in a cloud-based dashboard with a factory digital twin. Then, explore how you can enhance this informative digital twin and drive actionable insights to optimize production by modeling different scenarios. You must bring your laptop to participate.

訳: このワークショップでは、ボトリング工場の PLC シミュレータを使用して、エッジで動作するソフトウェアを導入し、機械データを安全に収集してクラウドに取り込み、設備全体の有効性などの KPI を計算して監視し、工場のデジタルツインでクラウドベースのダッシュボードにアラームを設定する方法を学びます。その後、この有益なデジタルツインをどのように強化し、さまざまなシナリオをモデル化して生産を最適化するための実用的な洞察を促進できるかを探ります。

セッションで学べること

  • AWS IoT TwinMaker を使用してデジタルツインアプリケーションを作成する方法

AWS IoT TwinMaker について

AWS IoT TwinMaker は、ビル、工場、産業機器、生産ラインなどの実世界システムのデジタルツインを開発者が簡単に作成できるようにします。AWS IoT TwinMaker は、デジタルツインの構築に必要なツールを提供し、ビル運用の最適化、生産量の増加、設備性能の向上を支援します。複数のソースから既存のデータを使用し、あらゆる物理環境の仮想表現を作成し、既存の3Dモデルと実世界のデータを組み合わせる機能により、デジタルツインを活用して、より迅速かつ少ない労力で業務の全体像を把握できるようになります。
引用: Digital Twin IoT - AWS IoT TwinMaker - AWS

ワークショップの構成図

① Codesys SoftPLC (今回は既に展開済み) を使用して瓶詰めラインをシミュレートする。瓶詰めラインの様々な機械を制御するために使用されるほか、故障やその修復をするために必要なメンテナンスもシミュレートする。
② Codesys OPC UA サーバーをデプロイし、AWS IoT SiteWise OPC-UA コネクタを使用してエッジゲートウェイに接続する。ローカルの AWS IoT Greengrass Core で実行される。
③ エッジゲートウェイで収集された瓶詰めラインのデータをクラウドに公開し、AWS IoT SiteWise で工場の KPI を計算する。
④ Amazon Managed Grafana を使用して、瓶詰めラインのデジタルツインを使用してモニタリングダッシュボードを作成する。このダッシュボードによりほぼリアルタイムで監視し、工場の運用上の洞察を得られる。
Software Defined Automation IDEaaS に接続し、PLC プログラムを更新して生産を最適化
⑥ ダッシュボードで業務改善を可視化

ワークショップ内容

  • 1. Codesys PLC への接続
    • 1. Codesys Soft PLC への接続
    • 2. SDA IDEaaS を使用した Codesys Soft PLC への接続
    • 3. SDA IDEaaSによる瓶詰めラインの制御
  • 2. インダストリアルエッジゲートウェイのセットアップ
    • 1. Codesys OPC UA サーバーの構成
    • 2. エッジゲートウェイの作成
    • 3. ゲートウェイソフトウェアのインストール
    • 4. データソースの追加
    • 5. AWS IoT SiteWise でのデータの検証
  • 3. デジタルツインで業務を可視化する
    • 1. AWS IoT TwinMaker ワークスペースの確認
    • 2. 3D モデルのリソースとシーンを確認
    • 3. AWS IoT TwinMaker ルールの確認
    • 4. Grafana による可視化
    • 5. AWS IoT TwinMaker を使用したデジタルツイン
  • 4. (ボーナスセクション)製造ラインオペレーションの最適化
    • 1. PLC の構成変更
    • 2. 運用改善の検証
    • 3. 更新した PLC プログラムを保存

やってみた

1-1

Codesys Soft PLC とその OPC UA サーバーが事前設定された Windows EC2 インスタンスを作成する CloudFormation テンプレートが既に実行されていて、6 台の機械で構成される瓶詰めラインのシミュレーションが可能になっていました。

1-2

今回は SDA IDEaaS にアクセスするための認証情報が提供されていたため、それを使用してログインしました。
(無料試用アカウントをリクエストすることも可能: Get started with SDA solutions
ログインし、PLC Ops(SDA コンソール) に移動したらデバイスを追加し、SDA Gateway を作成しました。
SDA Gateway を作成するとインストールスクリプトが生成されるので、Cloud9 インスタンスでこのスクリプトを実行し、SDA Gateway をインストールしました。
SDA コンソール で SDA Gateway の接続診断を実行し、成功するとコントロール(今回は Codesys Soft PLC を実行している EC2 インスタンス)を追加できるようになります。

このような状態になれば SDA IDEaaS が正常に展開・構成された状態です。

1-3

あらかじめ Codesys プロジェクトが SDA バージョン管理システムにアップロードされているので、そのプロジェクトを PLC にリンクさせます。
プロジェクトがロードされたら Codesys IDE を起動し、PLC への接続(Codesys ゲートウェイ)を構成しました。 すると、ヒューマンマシンインターフェイス(HMI)を使用して、瓶詰めラインを視覚化し、制御できるようになりました。

2-1

Codesys OPC UA サーバーの Edge Gateway への接続として、Codesys OPC UA サーバーのセキュリティグループはあらかじめ「Edge Gateway -> Codesys SoftPLC(4840/TCP)」を許可するように構成されていました。

2-2

AWS IoT SiteWise コンソールに移動し、ゲートウェイインストーラーを作成しました。
インストーラーはダウンロードし、2-3 で使用します。

2-3

Cloud9 環境に移動し、2-2 でダウンロードしたインストーラーをアップロード・実行しました。
「Successfully set up Nucleus as a system service」というメッセージが表示されたら正常にインストールが完了しています。

2-4

Edge Gateway を使用して Codesys OPC UA サーバーをクラウドに接続するにはエンドポイントが必要です。
今回はあらかじめエンドポイントが作成されていたので、それを Codesys OPC UA サーバーのデータソースとして追加しました。
ここまで設定すると、SiteWise Edge Gateway が AWS IoT SiteWise にデータストリームを送信できるようになります。

2-5

ここで IoT SiteWise コンソール上で 6 台の機械がアクティブ状態であることを確認しました。

3-1、3-2

AWS IoT TwinMaker ワークスペースや 3D モデルを確認しました。
このように 6 台の機械ステータスが一目でわかるようになっていました。

3-3

「Rules」タブ内にある設定で 3D モデル内でのデータ表現方法を変更できることを確認しました。
アラートやモデルの色の変更などが実装できるようです。

3-4

ここまでで、AWS IoT SiteWise を使用して PLC からデータ収集を設定し、AWS IoT TwinMaker でデジタルツインを作成したので、瓶詰めラインのデータを可視化できるようになっています。
さらに Grafana でダッシュボードを作成します。
今回は IoT TwinMaker および IoT SiteWise 接続が Grafana のデータソースとして事前設定されていました。

事前設定された瓶詰めラインのダッシュボードはこのような感じでした。

瓶詰めライン全体の OEE(生産設備効率の指標)が一目で分かるようになっています。

3-5

1-3 で構築した HMI を使用して一部のマシンを停止させて、デジタルツインダッシュボードにリアルタイムで変更が反映されるかを確認しました。
デジタルツインダッシュボード側でも停止になったことが反映されました。

ボーナスセクション

ボーナスセクションは時間が足りず全て実施できませんでしたが、内容を簡単に記載します。
現在のままだと Grafana ダッシュボード上の「Filling Machine OEE」の値が一貫して低いため、まずは追加のダッシュボードを作成し、OEE コンポーネントを詳しく調査し、原因特定をします。
OEE を計算するための 3 つのパラメータのダッシュボードを作成すると、品質値が低いことが判明するため、PLC プログラムを変更し改善したかを確認するというものでした。
OEE を計算するための 3 つのパラメータのダッシュボードを作成までは進められたのですが、PLC プログラムの変更まで進められませんでした。。。

所感

デジタルツインって何だろう、というレベルの自分でも「物理システムをデジタルに置き換えてシミュレーションしてみて、手軽に検証して品質などの向上を目指す」みたいなことが出来るのが、デジタルツインの良いところなんだろうなと理解できるワークショップでした。
個人的には物理システムをデジタルに置き換える部分をどう実装しているかが気になったので、調べてみようと思いました。

アノテーション株式会社について

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「らしく働く、らしく生きる」のスローガンを掲げ、様々な背景をもつ多様なメンバーが自由度の高い働き方を通してお客様へサービスを提供し続けてきました。
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