【ブースレポート】AWSパブリックセクターブースで教育×生成AIの最前線を見てきました

【ブースレポート】AWSパブリックセクターブースで教育×生成AIの最前線を見てきました

2026.07.03

こんにちは、公共営業部の和泉です。

2026年6月25〜26日に幕張メッセで開催された AWS Summit Japan 2026 に参加してきました。
今回は AWSパブリックセクター 公益・教育事業本部 のブースをレポートします。

普段、公共分野のお客様と接することが多い私にとって、教育機関や自治体がクラウドをどう活用しているかは非常に気になるテーマです。ブースには「教育DX×生成AI」をテーマにしたデモが4本用意されており、現場の教員や学生が直接恩恵を受けるユースケースが揃っていました。

デモ展示① パーソナライズ学習体験(Bedrock AgentCore)

何ができるのか

生徒一人ひとりの過去の学習内容や質問履歴をAIが記憶し、苦手領域や学習スタイルを分析したうえで、個別最適化された学習をサポートするAIエージェントのデモです。

チャットUIで「なぜ植物は光が必要なのか、小学生にもわかるように説明してください」と入力すると、AIがその生徒のこれまでの理解度を踏まえた上で対話しながら説明してくれます。単なる一問一答ではなく、「今どんなイメージを持っていますか?」と生徒の理解を確認しながら進む点が印象的でした。

使用技術

サービス 役割
Amazon Bedrock AgentCore Runtime AIエージェントの実行基盤
Amazon Bedrock AgentCore Memory 過去の会話履歴から生徒プロファイルを長期記憶として保存・再利用

生徒の目線で想像してみると

従来の「全員同じ教材」という画一的なアプローチから、「生徒一人ひとりに寄り添う学習」へのシフトを実現する技術です。教育機関のお客様と話すとき、「個別最適化はわかるが、どうやって実現するのか」という問いが出ることが多いですが、このデモはその答えの一つになると感じました。OSSとして aws-samples で公開 されているので、具体的な実装イメージを持ちやすいのも魅力です。

デモ展示② 教育データのエージェンティック分析(Amazon Quick)

何ができるのか

自然言語で指示するだけで、生徒の成績データや出欠データを分析・グラフ化してくれるデモです。「面談を控えた教員が生徒のデータを分析してアドバイスをもらう」というシナリオで実演されていました。

「データを分析してアドバイスをください」と入力するだけで、AIが成績の推移・出欠状況・提出物の状況を自動で整理し、面談準備に役立つ分析結果を返してくれます。さらに日々の観察記録(非構造化データ)も参照できるため、「最近の様子は?」という質問にも答えられます。

使用技術

サービス 役割
Amazon Quick チャットエージェント・フロー機能
AgentCore Gateway データへのクエリ/RAGをツールとして公開
Amazon Athena / AWS Glue Data Catalog 成績データ(構造化データ)の検索
Amazon Bedrock Knowledge Bases 観察記録など非構造化データのRAG
Amazon S3 データ格納

先生の目線で想像してみると

教員の業務負担軽減は、今まさに多くの学校・大学が直面している課題です。このデモは「データはあるけど分析に時間がかかる」という問題をダイレクトに解決するもので、特に面談準備や生活指導の場面での活用イメージが湧きやすいと感じました。

デモ展示③ 教員日常業務アシスタント(Claude Cowork)

何ができるのか

教職員の教材・資料作成などの日常業務を支援するAIエージェントのデモです。授業計画のExcelや教材情報を入力として渡すと、インタラクティブな教材(HTML形式)や授業スライド(PowerPoint)を自動生成してくれます。

実際のデモでは、地理の授業計画ファイルを読み込ませると、世界遺産をインタラクティブなマップで表示する教材と、授業スライドが出力されていました。

使用技術

サービス 役割
Claude Cowork ローカルPCのファイル(PDF・Word・Excel・PowerPoint)を読み込み、教材を生成
Amazon Bedrock(東京リージョン) Claudeのバックエンド推論基盤。国内推論の要件があるお客様でも安心して利用可能

先生の目線で感じたこと

「国内推論」の要件は、公共・教育分野のお客様から特によく聞かれる関心事です。Amazon Bedrockの東京リージョンと組み合わせることで、セキュリティ要件をクリアしながらAIエージェントを活用できる点は、非常に魅力的に感じました。

デモ展示④ 動画教材のマルチモーダル活用(Amazon Bedrock × TwelveLabs)

何ができるのか

講義動画を自然言語で検索し、関連シーンを瞬時に見つけられるデモです。「Lambdaの概要説明をしているシーン」と入力すると、数十本の動画の中から該当シーンが秒単位で特定され、その内容の要約や理解度確認クイズも自動生成されます。

使用技術

サービス 役割
Amazon Bedrock(TwelveLabs Marengo / Pegasus) 動画のベクトル化・意味理解
Nova Multimodal Embeddings 動画の意味検索用ベクトル生成
Amazon S3 Vectors ベクトルデータの保存・検索
AWS Lambda / Amazon DynamoDB バックエンド処理・メディアデータ管理
Amazon Cognito / AWS WAF 認証・セキュリティ

生徒の目線で想像してみると

これまでは膨大な講義録画や研修動画が「どこに何があるかわからない」状態になりがちでしたが、このソリューションによって動画資産が「使える知識」に変わります。図書館アーカイブや研修動画への応用も明示されていたのが印象的でした。

プロトタイピングプログラムの問い合わせ先(aws-jpps-prototyping@amazon.com)も案内されており、本格検討へのステップが明確なのも好印象です。

おわりに

AWSパブリックセクターブースで見た4つのデモに共通していたのは、「技術のための技術ではなく、教員と学生の現場課題を解決する」という視点です。一斉授業を個別最適化に変えて、先生の準備を楽にして、眠っていた動画資産を使えるようにする——そのリアルな姿を目の当たりにした感じです。

公共・教育分野を担当する立場として、これらのユースケースはお客様との対話の中で大いに活用できると感じています。

AWS Summit Japan 2026 の他のレポートはこちらをご覧ください。


引用元:AWS Summit Japan 2026
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