
Claude Code v2.1.171〜v2.1.172 の主要アップデート
クラウド事業本部の石川です。Claude Code の v2.1.172(2026 年 6 月 10 日公開)がリリースされました。サブエージェントの多階層化や Amazon Bedrock のリージョン解決の改善といった機能追加に加え、1M コンテキストやモデル選択まわりの不具合が数多く修正されています。
なお、今回指定したバージョン範囲 v2.1.171〜v2.1.172 のうち、v2.1.171 は npm に公開されておらず(v2.1.170 から v2.1.172 へ直接更新)、実質的な対象は v2.1.172 単独です。本記事も v2.1.172 を対象とします。
アップデートサマリー
v2.1.172 では 30 件の変更が入りました。新機能の追加・パフォーマンス改善に加え、多数の不具合修正が中心の構成です。特にセッションの安定性(1M コンテキスト・画像処理)、モデル選択 UI、権限ルールの挙動に関する修正が目立ちます。Amazon Bedrock 利用者向けには、リージョン解決が AWS SDK と同じ優先順位に揃えられた点が実務上のポイントです。破壊的変更・非推奨はありません。
注目のアップデート
- 新機能: サブエージェントが自分自身のサブエージェントを起動できるようになりました(最大 5 階層)。
- 不具合解消: 使用クレジットなしで 1M コンテキストを使うセッションが永久にスタックする問題が修正され、自動コンパクトで標準のコンテキスト上限内に戻るようになりました。
- セキュリティ: 事前ウォームされたワーカー上のバックグラウンドエージェントが別ディレクトリの設定(
.mcp.jsonの承認・トラスト)を読み込みうる問題、およびWebFetchのワイルドカードドメインルールやパターン途中にワイルドカードを含むファイル権限ルールが正しく機能しない問題が修正されました。
アップデート内容
新機能
- サブエージェントの多階層化: サブエージェント(subagent)が自分自身のサブエージェントを起動できるようになり、最大 5 階層までネストできるようになりました。複雑なタスクをより深い階層に分解して処理させやすくなります。
/pluginにプラグイン検索バーを追加: マーケットプレイスのプラグインを閲覧する際に検索バーが追加され、目的のプラグインを探しやすくなりました。- OTEL メトリクスへの
model属性追加:claude_code.lines_of_code.countメトリクスにmodel属性が追加され、モデル別の集計が可能になりました。
改善
- Amazon Bedrock のリージョン解決:
AWS_REGIONが未設定の場合に~/.awsの設定ファイルからリージョンを読み取るようになりました。これは AWS SDK の優先順位に合わせた挙動で、/statusではリージョンの取得元を確認できます。Bedrock 経由で Claude Code を利用している場合、環境変数に頼らず通常の AWS プロファイル設定を反映できます。 - 利用ポリシー拒否メッセージの改善: 非対話モードで利用ポリシー(Usage Policy)により拒否された際、新しいセッションの開始やモデルの変更を提案するメッセージになりました。
/code-reviewのultraオプション表示: claude.ai にサインインしていない場合でもultraオプションが表示され続け、クラウドレビューには claude.ai アカウントが必要である旨が説明されるようになりました。- リモートコントロール表示の簡素化: フッターのインジケーターが「/rc active」に短縮され、狭いターミナルでは非表示になりました。
- リモートセッションでの
/loop案内抑制: 保留中のループがコンテナを存続させないリモートセッションでは、/loopの案内を表示しないようになりました。
パフォーマンス
- 長い会話でのパフォーマンス改善: 冗長なメッセージ正規化を削除し、ストリーミング中のツール使用状態が変化していない場合にメッセージ履歴全体の変換を回避することで、長い会話での処理が軽くなりました。
- アイドル時の CPU 使用率削減:
/goalのステータスチップがアイドル中に 5Hz でターミナルを再描画しなくなり、サブエージェントの並列実行中の UI 再描画も削減されました。 - Claude in Chrome のツール読み込み改善: ブラウザツールがツールごとに 1 回ずつではなく、単一のバッチ呼び出しで読み込まれるようになりました。
セキュリティ
- バックグラウンドエージェントの設定読み込みを修正: 事前ウォームされたワーカーにディスパッチされたバックグラウンドエージェントが、別ディレクトリのプロジェクト設定(
.mcp.jsonの承認・トラスト)を読み込む可能性があった問題を修正しました。意図しないディレクトリの承認・信頼設定が適用されるおそれがあったため、複数プロジェクトを扱う環境では特に重要な修正です。 - 権限ルールのワイルドカード処理を修正:
WebFetch(domain:*.example.com)のワイルドカードドメインルールが allow・deny・ask のいずれの位置でもサブドメインにマッチしない問題と、パターン途中にワイルドカードを含むファイル権限ルール(例:Read(secrets-*/config.json))が起動時に拒否される問題を修正しました。deny ルールが意図どおり効かないケースもあったため、権限設定を利用している場合は挙動を確認しておくとよいでしょう。
修正
主要な修正を抜粋します。
- 1M コンテキストでセッションがスタックする問題を修正: 使用クレジットなしで 1M コンテキストを利用しているセッションが永久にスタックする問題を修正しました。セッションが自動的にコンパクトされ、標準のコンテキスト上限内に戻るようになりました。
- 複数画像での繰り返しエラーを修正: 会話に複数の画像が含まれる場合に「an image in the conversation could not be processed and was removed」というエラーが繰り返し表示される問題を修正しました。
- エージェントビューのスピナーが残り続ける問題を修正: ワーカーが応答した後も最大 30 秒間、セッションが Working 状態のままビジースピナーが回り続ける問題を修正しました。
- Bedrock のモデル選択での不整合を修正: Bedrock で
/modelピッカーがプロバイダーの提供しないモデルを表示し、選択するとセッションのモデルが無言で切り替わって複数行に選択マーカーが点灯する問題を修正しました。 - リモートでのチーム共有メモリ未参照を修正: リモートセッションで、マウントされたチーム共有のメモリストア(
CLAUDE_MEMORY_STORES)をメモリ呼び出しが見つけられない問題を修正しました。 - ワークフロー検証の誤った拒否を修正: プロンプト文字列やコメント内で
Date.now()/Math.random()に単に言及しているだけのワークフロースクリプトが、検証で拒否される問題を修正しました。 - [VSCode] PowerShell ツール表示を修正: PowerShell のツール呼び出しが正しいコマンド表示・権限ダイアログではなく生の JSON として表示される問題を修正し、表示されるシェル出力から ANSI エスケープコードを除去しました。
- このほか、バックグラウンドセッションのアタッチ(EAUTH)、
availableModelsの制限・許可リスト、opusplanのプランモードでの 1M コンテキスト、/model候補の表示、プラグインブラウザのカーソル・タブ復帰、Windows コンソールのマウストラッキングなど、多数の細かな不具合が修正されています。
最後に
v2.1.172 は、サブエージェントの多階層化という機能拡張を含みつつ、全体としては安定性・モデル選択・権限まわりの不具合修正が中心のリリースです。破壊的変更や非推奨はありません。特に 1M コンテキストでセッションがスタックする問題の修正や、Amazon Bedrock のリージョン解決・モデル選択まわりの改善は、該当する環境で利用している方には影響が大きいポイントです。アップデートして試してみてはいかがでしょうか。
最近のアップデート
参考文献










