相手によって伝える方法を変える

相手によって伝える方法を変える

この記事では、「相手によって伝える内容を変えること」についてまとめます。
Clock Icon2024.07.14

こんにちわ。組織開発 がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。

日々のコミュニケーションにおいて、同じ内容を同じ伝え方をしても伝わる場合と伝わらない場合があります。こういった際に、伝わらない責任を相手の責任に委ねてしまうと、それ以上の改善が見込めなくなります。

少しでも相手に伝わるようにする工夫を考える上で「相手によって伝える方法を変える必要がある」という視点が重要です。この記事では、「相手によって伝える方法を変えること」についてまとめます。

相手によって伝える方法を変えること

仕事におけるコミュニケーションにおいて、同じ内容を伝える必要があっても、相手によって伝え方を変える必要があります

例えば、日頃から一緒に仕事をしているチームメンバーとやりとりするのであれば、担当業務の前提情報の多くは省略可能ですし、専門用語はそのまま伝わりますし、チーム内で共通の認識になっている略語も伝わります。逆に、隣の部門・隣のチーム・異なる職種の人とやりとりする場合、担当業務の前提を明示的に伝える必要がありますし、専門用語は避ける必要がありますし、チーム内で共通の認識になっている略語も使わないほうが妥当です。

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ひとまとめに表現するとしたら「相手が何を知っていて、何を知らないか」を予想し、それに合わせた説明をする必要があるということです。

伝える方法を変える必要があるケースのパターン

伝える方法を変える必要があるケースの典型パターンとしては以下のようなものがあります。

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知っている前提情報に差がある

特定の担当業務に関わる人だけが知っている情報、特定の役割の人だけが知っている情報、業務を直接担当している人だけが知っている情報、発生した出来事に関わっている人だけが知っている情報。自分と相手が常に同じ情報を知っているとは限りません。相手も自分と同じ情報を知っている前提で話すと、それを知らない相手は話の文脈や内容を理解できません。

そのため、相手が知らない可能性が高そうな前提情報に関しては省略せず、明示して伝える必要があります。

知っている専門知識に差がある

業務上のやりとりに必要となる専門知識について、役割や担当が異なると相手は知らない場合があります。また、同じ役割や担当をしていてもベテランと新人では専門知識の保有量には差があります。

そのため、専門知識が不足している相手には専門用語を使わずに同等の内容を説明したり、専門用語を使った後にその意味を補足する必要があります。

抽象的な内容への理解度に差がある

抽象的な内容を理解する力には個人差があります。例えば同僚が行っていた業務に改善の余地があったとします。この場合、問題点について、抽象度が高めの説明を元に気にする必要がある観点だけを伝えて伝わる人もいれば、具体的にどこが問題だったかを伝え、なぜそれを改善したほうがいいかの観点とともに観点を理解するための具体例を伝え、最後にもう一度今回の改善方法の具体例を伝えることでようやく伝わる人もいます。

例えば、デザインに詳しい人に対してコントラストの問題を伝えるのであれば、「全体的にコントラストが低くて見えにくくなっています」で伝わりますが、それ以外の人に伝えるのであれば「今のデザインだと、背景の色と文字の色が似ていて、違いがはっきりしないため、内容が見えにくくなっています。」

そのため、抽象的な内容への理解が苦手な人にはできるだけ具体的な内容を添えて伝える必要があります。

攻撃耐性に差がある

発言の攻撃性に対する耐性には個人差があります。攻撃的な伝えられ方をしても全く気にせず、伝えられた内容のみを咀嚼できる人もいれば、ちょっとでも攻撃的なニュアンスを読み取れる伝えられ方をするだけで、恐怖を感じ話題に集中できなくなる人もいます。強い言葉を使うのが好みの人もいるかもしれませんが、伝えたいことが伝わる可能性を高めたいのなら、相手に合わせてやわらかく伝える必要もあるでしょう。

ポイント

伝える方法の見込みが外れた場合のリカバー

「伝える方法を変える必要があるケースのパターン」などについて配慮して相手に伝えたとしても、100%の的中率で相手が知っていることと知らないことを当てることができるとは限りません。その意味で、認識のズレは発生するのが大前提です。

そのため、お互いにわからなかったことを気兼ねなく質問できる関係性やコミュニケーションの取り方が重要になります。

逆にいうと「自分が知っていて当たり前だと思うこと」を相手が知らなかったことを非難するようなコミュニケーションをとっていると、相手が質問をしにくくなり、結果としてコミュニケーションが失敗する可能性が高まることになります。

交流範囲を広げる必要性

普段から同じ前提を共有した範囲とのやりとりがほとんどになっていると、相手に合わせた説明の仕方が必要な場面が減りがちです。コミュニケーションは経験の積み重ねで上達する部分があります。そのため、前提が異なる相手とのコミュニケーションをとる機会を継続し、ふりかえり、継続改善をしていくことが上達のきっかけになります。

情報発信

ブログや登壇など、多くの人に伝えるための活動をしている場合、相手に合わせて伝る方法を練習する機会になります。ただし、漫然と発信するだけではなく、伝わらなかった部分についてフィードバックを得て改善をする必要があります。

まとめ

「相手によって伝える内容を変えること」についてまとめました。

仮に今までは同一チームの似たような前提知識を持つ相手とのやりとりが多かった人も、立場や役割が変化するにつれ、多様な人とやりとりする機会が増えてきます。今まで誰が相手でも同じ説明方法で済んでいたはずが、急に苦戦するようになった場合、「相手によって伝える内容を変えること」のケースの可能性があるかもしれません。

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