採用エージェント分析をまるっとClaudeに任せてみた

採用エージェント分析をまるっとClaudeに任せてみた

ATSから出力したCSVをClaudeに渡して、採用エージェント分析のレポートを自動生成する仕組みを作ってみました。指示書の作成から職種マスタの育て方、期待するアウトプットを明確にするコツまで、実装のポイントをまとめています。
2026.07.09

こんにちは!クラスメソッド人事採用担当の新美です。
創立記念日のブログ祭りに乗っかるつもりが、二日も遅れての投稿となってしまいました。

普段は求職者の方向けに記事を投稿することが多いのですが、今回の記事は採用担当の皆様に向けた内容となっております。

採用エージェントを活用する企業においては、エージェント各社からの推薦状況を定期的に振り返る必要がありますよね。どのエージェントが、どんな職種に強いのか。歩留まりに差は出ているのか。次の施策を考えるうえで、この手の数字は非常に重要です。

一方で、ATSの機能では、実現したい分析が十分に叶わないこともままあるかと思います。仕方なく、ATSから出力したCSVを都度手作業で集計している…そんな採用担当の方も多いのではないでしょうか。

そこで今回、生成AIエージェントのClaude CoworkにCSVの集計からPowerPointのレポート作成までを任せる仕組みを作ってみました!この記事では、実際にどう設計し、どこに気をつけたかをまとめておりますので、同じ悩みに頭を抱える採用担当の方の助けになれば幸いです。

実現したいこと

  • エージェントごとの特性(得意職種など)を知りたい
  • エージェント紹介のボトルネックが今どこにあるかを知りたい

実現方法

プロジェクトを作成し、ATSから出力したCSVデータをClaudeに渡して、分析レポート(PowerPoint)を生成させる。

そのために必要なこと:

以下を明確にし、それぞれドキュメントに纏めます。

・歩留まりの定義
社内の選考フローとCSVの列を対応させ、「どの選考ステータスに到達したら歩留まりの分子としてカウントするか」を定義します。

・スライド構成
出力するスライドの章立てや、どんな形式で可視化してほしいかを明示します。

・職種分類
エージェント別の他、「大カテゴリ(エンジニア、セールスなど)」や、「小カテゴリ(インフラエンジニア、モバイルエンジニア、フィールドセールス、インサイドセールスなど)」別に分析できるようにするため、職種マスタの作成が必要です。各大カテゴリの配下にどのように小カテゴリを紐づけるかや、カテゴライズの基準・ルールを明示します。

全体の流れ

  1. 以下を用意する。
    ①指示書(テキスト)
    このプロジェクトの役割、分析内容、出力形式(今回はパワーポイント)、集計・職種分類のルール、各項目の定義などを明記したものです。
    この指示書の中で、詳細な定義・ルールは③~⑥を参照するよう示しています。
    ②ATSから出力したサンプルデータ(csv)
    ③歩留まりの定義(docx)
    ④選考フローとcsv列の対応表(docx)
    ⑤スライド構成(docx)
     →②~⑤は分析用のフォルダに格納
    ⑥職種マスタ(csv)

  2. ②~⑤を格納したフォルダを指定し、プロジェクトを作成

  3. Claudeの「手順」に ①指示書 の内容を登録

  4. 採用サイトの募集要項をもとに、Claudeと会話しながら ⑥職種マスタ を育て、完成形にする

  5. csvを添付し、Claudeにレポート生成を指示

ここからは、これらのステップを進める上でのポイントを紹介していきます。

指示書の作成

AIエージェントに何を任せたいかを明確にします。今回は、以下の4つを明文化した指示書を用意しました。

  • 役割
    • 採用データアナリストとして振る舞うこと
  • 対象データの絞り込み・前処理ルール
    • 応募経路の絞り込み・重複応募の取り扱い・分類基準など
  • 分析内容
    • 大カテゴリ・小カテゴリ×エージェントの推薦数・歩留まり、エージェント別の推薦上位ポジションの可視化など
  • 出力形式
    • パワーポイント、プレーンなデザイン、考察を含めることなど

併せて、事前に定義していた詳細な 「歩留まりの定義」「スライド構成」、そして追ってAIと壁打ちしながら定義する 「職種分類」 について、それぞれのドキュメントを参照するよう、指示書の中で示しています。

この指示書があることで、CSVを渡すたびに毎回同じ手順・同じ基準で集計してもらえるようになり、精度のばらつきを回避することができます。加えて、大カテゴリ小計・小カテゴリ小計・総計の整合性を検証するというチェック項目も指示に含めており、集計漏れがあればその場で気づける仕組みにしています。

職種分類マスタの作成

クラスメソッドでは現在約100種の求人を募集しています。職種の大カテゴリ・小カテゴリへの分類を手作業で進めるのは重労働です。
そこで、今回はAIと一緒にマスタを育てていくアプローチを取りました。

具体的には、採用サイトの募集要項を参照しながら分類の草案をAIに作らせ、判断に迷う職種名については推測させず、その都度こちらに確認を求めるようにしました。「全角/半角」「略称」といった表記ゆれは自動で吸収させつつ、分類そのものに迷うケースは人間が判断する、という役割分担です。

一度確定した分類は職種マスタとして残し、以降の集計では同じルールを再利用します。この「マスタを都度確認しながら育てる」やり方によって、効率的に、以降の集計スピードと精度を高めることができたように思います。

レポートの構成とアウトプット例

出来上がるレポートは、パワーポイント形式で次のような構成にしました。

  • サマリー(エージェント経由全体の推薦数・内定数・推薦→内定承諾の総歩留まり)
  • エージェント経由全体での歩留まり分析
  • 大カテゴリ×エージェント別の推薦数・歩留まり(今回は書類選考通過率)
  • 小カテゴリ×エージェント別の推薦数・歩留まり(同上)
  • エージェントごとの推薦上位6ポジションの比較
  • データに基づく考察(3〜5点)

※本記事で紹介しているレポートは、解説用に作成したサンプルデータをもとに生成したものです。実際の推薦数・歩留まり等の数値ではありません。

考察部分は「推測ではなく数値から言える内容のみ」というルールを設けています。「歩留まりが良いから採用力が高い」といった飛躍した解釈を回避するため、あくまで数値として観測された事実に限定して記載する、という線引きを徹底しました。

期待するアウトプットを明確にする重要性

集計ルールをどれだけ丁寧に固めても、「見せ方」の指示があいまいだと、欲しかった分析には辿り着けない、という経験もしました。

「小カテゴリ×エージェント」の分析がまさにそのケースです。私が本来知りたかったのは、「各エージェントがどんな求人に強いのか」でした。具体的には、エージェントごとに推薦数上位の小カテゴリはどれか、そしてエージェントと小カテゴリの組み合わせで通過率が特に高い・低い箇所はどこか、というエージェント起点の見え方です。

しかしながら、最初に渡した指示は「小カテゴリ×エージェントごとの推薦数・歩留まり分析」という表現のみでした。目的が不明瞭な指示であったため、実際に出てきたのは「小カテゴリごとに、各エージェントの歩留まりを並べた表」でした。集計自体は正しいのですが、見たい軸(エージェント起点で強み・弱みを浮き彫りにする)とは違う切り口になってしまっていたんですね。

※最初の指示でのアウトプットはこんな感じでした
category_ex_niimi

この経験から得た教訓は、「何を集計するか」だけでなく 「誰の視点で、何を比較したいのか」 まで指示に含めることの大切さです。「エージェントごとに、推薦数が多い小カテゴリはどれか」「エージェント×小カテゴリの組み合わせで、通過率が目立って高い・低いのはどこか」というように、比較の主語と着目したい差分を明示して初めて、意図した分析結果に辿り着けました。集計軸を指定しただけでは「どの軸を主役にするか」までは伝わらない、というのは重要な学びでした。(「人」相手に依頼する時と同じですね)

まとめ

今回の取り組みを通して、期待する結果を得るためには、いかに「基準作り」を丁寧に行うかが肝だと学びました。
この土台を明文化しておけば、集計作業自体はAIエージェントに任せることができ、採用担当は数字の解釈や次の施策づくりに時間を使えるようになります。

同じように採用データの集計に悩んでいる方がいれば、まずは自社の選考フローとCSV列の対応表、歩留まりの定義を整理してみることをおすすめします。そこが整えば、AIエージェントに渡す指示書はぐっと作りやすくなるはずです。

今回はエージェント分析を取り上げてご紹介しましたが、このプロセスは様々な採用データの分析に応用可能です。
Claudeの活用で、採用活動を前進させていきましょう!


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