もうEchoがなくても大丈夫。ついにiOSのAlexaアプリがAlexaに対応しました! #Alexa
小夏の候, 梅雨寒ながら、吹く風には夏の匂いを感じる今日このごろ、お元気でいらっしゃいますか、せーのです。
今日はiOSユーザにとっては待ちに待ったアップデートをご紹介します。その名も「AlexaのAlexa対応」です。
AlexaアプリはAlexaを使えなかった
Echoデバイスを持っていない方にはなんのことだかよくわからないと思うのでご説明します。
AlexaはAmazonの音声アシスタントサービスで、コア機能は全てAmazonのクラウドに集約されています。
この設計のおかげでAlexaを使うにはSDKとマイク、スピーカー機能のある「デバイス」さえあれば良くなり、スピーカーや時計、車、キッチン用具など、あらゆるデバイスが開発され、Alexaとつながるようになってきています。これらAlexaがつながるデバイスの事を一般的には「Alexa搭載デバイス」といいまして、EchoやEcho dotも大きくはこのカテゴリの中に入ります。
マイクとスピーカーがついている、ということは当然スマートフォンもその機能を満たしているわけで、Alexaの使えるアプリ、というのも多く開発されはじめて来ました。有名どころでは「Reverb」などがあります。「Amazonショッピング」では音声で商品を検索したりもできます。
ところが、これらAlexa搭載デバイスを登録する「Alexaアプリ」には今までAlexaが入っていませんでした。開発者としては「ここにAlexaがあればテストがラクになるのに。。。」と一日千秋の思いで待っていたものです。
そして先日のAndroid版Alexaアプリに続き今日、ついにiOS版のAlexaアプリでもAlexaが使えるようになりました!
やってみた
それでは早速使ってみましょう。といってもApp Storeからアップデートするだけ、なのですが。
アップデートの「新機能」の欄にAlexaボタンが追加されている旨を確認したらアップデートをかけます。
アップデート後のAlexaアプリはこのような画面になります。
画面下部真ん中にAlexaのアイコンが表示されていますね。Alexaアプリからの起動は「Alexa」と呼びかけるのではなく、このボタンをタップして起動させます。
ちなみにAlexa搭載デバイスへのメッセージングや通話などができるUSアカウントの場合はこのような表示になります。
さて、早速押してみましょう。初回はAlexaのオプトイン画面が出てきます。
ここで「許可」を押すと初めてAlexaアプリでAlexaが使えるようになります。
とりあえず、天気を聞いてみましょう。Wake word("Alexa"という呼びかけ)がいらないので、ボタンを押したら直接「今日の天気は?」と問いかけます。
すると、画面表示とともに今日の天気を教えてくれます。
画面上部には自分の話した言葉をAlexaがどのように認識したか、も出てきます。
便利な点と注意したい点
AlexaアプリのAlexa対応によって便利な点は「各種APIも含めてテストできる」という点です。
Alexaのスキルを作る開発者コンソールにはスキルをテストするためのシミュレーターも入っています。
しかしこのシミュレーターは住所情報などを設定することができません。ですのでこのように「天気を教えて」だけでは、どこの天気を教えればよいかAlexaが判断できずに、聞き返すことになります。
ですがAlexaアプリに搭載されているAlexaは一デバイスとして登録されています。
ですので住所情報なども自由に設定でき、住所を使ったAPI(Device Address API)などもテストしやすくなっています。
その一方、注意しなくてはいけない点もあります。
Alexaアプリには「カード」という機能があり、アプリ上では「ホーム」タブ(家のようなアイコンを押すと出てきます)で、音声のやり取りを視覚的に補助します。このカード、開発上、明示的に設定しなくても何かしらの文字として表示されるのですが、AlexaアプリにてAlexaを使った場合のレスポンスでは、画像情報を設定しない限り音声のみのやり取りになり、画面は前回の画像情報のままになります。
AlexaアプリでAlexaを使うケースは今後おそらく激増すると思われます。もしかしたらEchoからの呼びかけより多くなるかもしれません。その際に画面に何も映らないスキルはUX的にはかなり厳しくなると思われます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。これでEchoを持っていない方でもAlexaアプリさえダウンロードすればAmazonのショッピングアカウントでAlexaを使えるようになりました。まずは色々使ってみることをおすすめします。
一方開発者の方は今後、Alexaアプリでのスキルの使用を前提に開発するのが良いでしょう。つまり、画像情報の表示をスキルのレスポンスに組み込む、ということですね。
組み込み方がわからない、という方。クラメソでは近々ハンズオンを行う予定でおります(宣伝) ので、Developers.IOをお見逃しなく。