[日本語 Alexa] 女優、航空会社、空港、航空会社、動物、有名人、地名などが新たに追加され、益々便利になったリストタイプスロットについて

1 はじめに

AIソリューション部の平内（SIN）です。

先週、新しいリストタイプスロットの追加がアナウンスされました。
Deliver Better User Experiences Faster with New Built-in Slot Types and an Intent

サンプル発話では、そのパラメータとしてスロットが利用されます。

「Alexaスキル開発トレーニングシリーズ 第2回 対話モデルとAlexa SDK」より

スロットには、その取りうる値が予め定義された、組み込みスロットと、全てを開発者が定義するカスタムスロットがありますが、リストタイプのスロットは、組み込みスロットの１つです。

今回は、この、リストタイプのスロットについて少し纏めてみました。

2 組み込みスロットの種類

組み込みスロットには、以下の３種類があります。

• 数値、日付、時刻
• フレーズ
• リスト

(1) 数値、日付、時刻

2018/12/22現在、日本語で利用可能なものは、以下の5種類です。このスロットは、それぞれ決められた形式で値を取り出せます。

スロットタイプリファレンス/数値、日付、時刻

(2) フレーズ

2018/12/22現在、日本語で利用可能なフレーズは、以下の1種類です。

スロットタイプリファレンス/フレーズ

(3) リスト

2018/12/22現在、全てパブリックベータですが、今回、新たに追加されたものを含め、全部で25種類あります。

スロットタイプリファレンス/リストタイプ

3 リストタイプスロットを使ったスキル

リストタイプのスロットを使って、簡単なスキルを作ってみます。

「一番好きな動物」は「あなたの本当の性格」を表しています。

らしいです。

という事で、コンテンツは、適当で恐縮ですが、好きな動物で心理テスト を行うスキルです。

作成したインテントは１つ、好きな動物の種類を受け取るためのAnimalIntentです。

そしてスロットは、リストタイプスロットであるAMAZON.Animalを使用しました。

コードは、ざっとこんな感じ

const LaunchRequestHandler: Alexa.RequestHandler = {
    canHandle(h: Alexa.HandlerInput) {
        return isMatch(h, ['LaunchRequest']);
    },
    handle(h: Alexa.HandlerInput) {
        let speak = 'このスキルは、性格を診断するスキルです。';
        let reprompt = '貴方の一番好きな動物はなんですか？'
        return h.responseBuilder
            .speak(speak + reprompt)
            .reprompt(reprompt)
            .getResponse();
    }
}

const AnimalIntentHandler: Alexa.RequestHandler = {
    canHandle(h: Alexa.HandlerInput) {
        return isMatch(h, ['AnimalIntent']);
    },
    handle(h: Alexa.HandlerInput) {
        let animal = '動物';
        const request = h.requestEnvelope.request;
        if (request.type == 'IntentRequest' && request.intent && request.intent.slots) {
            animal = request.intent.slots['animal'].value;
        }
        let speak = animal + 'が好きな貴方は、自立していて、発想力豊か、夜行性、リーダーシップがあります。'
        return h.responseBuilder
            .speak(speak)
            .withShouldEndSession(true)
            .getResponse();
    }
};

実行すると、以下のようになります。

動物の種類は、山ほどあります。利用者が言うかも知れない動物を全部列挙することは、恐らく無理でしょう。しかし、リストタイプのスロットがあれば、一発で解決です。

4 スロット値の編集

ちょっと欲張って、好きな動物だけでなく、好きな食べ物でも心理テストができるようにスキルを拡張しようと考えた時、問題が発生してしまいました。

好きな食べ物を受け取るためにインテント（FoodIntent）を追加しました。

そして、スロットは、こちらもリストタイプスロットである、AMAZON.Foodを指定しました。

同じように「ひよこ」が好きって言うと、先程のように、AnimalIntentに入らなくなってしまいました。

これは、「ひよこ」が動物でなく食べ物として認識されてしまったようです。もしかしてひよこ豆???

この問題を解決するには、リストタイプのスロットを編集（追加）することです。

下図では、AMAZON.Animalにひよこを追加しています。

これで、ひよこは、ちゃんと動物として認識されるようになりました。

5 スロット値の一括編集

先程の、スロットの編集には、一括編集というボタンがあります。

こちらを使用すると、たくさんの値を簡単に追加することができます。

送信すると、全てがシノニムとして一気に登録されます。

シノニムが利用できているようすです。

6 最後に

今回は、組み込みスロットの一つである、リストタイプのスロットについて纏めてみました。リストタイプのスロットを使用すると、「動物」や「食べ物」など、全てを列挙することが困難なものでも、簡単利用できます。

今回、女優、航空会社、空港、航空会社、動物、有名人、地名などが、新たに利用可能となったわけですが、今度も、どんどん増えていくことでしょう。スキルの開発は、益々捗りそうです。

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7 参考

スロットタイプリファレンス