
データ活用を加速する「Alteryx One」とは?その特徴と魅力をわかりやすくご紹介!
こんにちは、まつおかです。
今年5月、Alteryx社から「Alteryx One(アルテリックス・ワン)」がリリースされました。
それ以降、いろんな場面で「Alteryx One」という言葉を耳にする機会が増えてきましたが、「そもそもAlteryx Oneって何?」「今までのAlteryxと何が違うの??」と疑問に思われている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、Alteryx Oneの基本的な概念や特徴についてできるだけわかりやすくご紹介できればと思います。
Alteryx Oneとは?
Alteryx One(アルテリックス・ワン) とは、Alteryx社が提供する統合型クラウド分析プラットフォームの総称です。
わかりやすく言い換えると、「誰でも簡単にデータを取り込み、加工し、分析できる」 クラウドベースの製品群をまとめたプラットフォームです。
今までもAlteryx Designerというデスクトップ製品で誰でも簡単にデータ分析を・・・とご紹介してきましたが、それにプラスして、クラウド上でもノーコード・ローコードでの操作が可能で、より柔軟にデータ分析を行えるものになっています。
Alteryx Oneには以下のような特徴があります。
統合プラットフォーム
データ準備、自動分析、機械学習、レポート作成など、分析に必要な機能をクラウド上で一元的に提供します。
ブラウザからアクセスするため、デスクトップ製品はWindowsPCでの利用に限られていましたが、インターネット環境があればMacなど他のOSでも利用することができます。
また、製品ごとに購入するのではなく、必要な機能が含まれるエディション(プラン)を選択するライセンス体系に変わりました。
AIによる分析の民主化
専門家でなくてもAIの支援によって高度なデータ分析を行えるように設計されており、「分析の民主化」を目指しています。
自然言語での操作やインサイトの自動生成が可能です。
クラウドとハイブリッド
Designer Cloud、Auto Insightsなど、クラウドネイティブな製品が中心ですが、従来のデスクトップ製品であるAlteryx Designerと連携し、オンプレミスのデータも扱うハイブリッドな利用が可能です。
エディション(プラン)
「Alteryx ONE」は統合プラットフォーム全体の名称です。
このプラットフォームの様々な機能へのアクセス権を提供するプランとして、3つのエディションが用意されています。
Starter Edition
初めてAlteryxを導入する方や、小規模なチームでシンプルにデータ活用を始めたい方向けのエディションです。
クラウド環境で使える「Designer Cloud」が含まれており、基本的なデータ準備や接続オプションを備えています。
Professional Edition
Starterよりも機能が豊富で、より本格的なデータ活用を進めたいチームや部門向けのエディションです。
「Designer Cloud」に加えて、従来のオンプレミス版「Alteryx Designer」との連携にも対応しており、より柔軟に活用できます。
Enterprise Edition
Enterpriseは、Alteryx Oneの中で最も高機能なエディションで、セキュリティやガバナンス、運用管理を重視する組織に最適なエディションです。
こちらもクラウド、オンプレミスとのハイブリッド環境に対応しており、自動化機能、高度なセキュリティとガバナンス、プライベート接続などが備わっています。
エディション別、利用可能な機能
Starter | Professional | Enterprise | |
---|---|---|---|
ロケーション | クラウド | クラウド オンプレミス |
クラウド オンプレミス |
基本的なデータ準備と結合ツール | ◯ | ◯ | ◯ |
高度なデータ準備と結合ツール | ◯ | ◯ | |
マクロ・開発者ツール | ◯ | ◯ | |
フラットファイル接続(Excel、CSVなど) | ◯ | ◯ | ◯ |
データベース接続 | ◯ | ◯ | |
Alteryx Copilot | ◯ | ◯ | |
Auto Insights | ◯ | ◯ | |
Plans | ◯ | ◯ | |
App Builder | ◯ | ||
自動化 | ◯ | ||
Private Data Handling | ◯ | ||
Cloud Execution for Desktop | ◯ | ||
Alteryx Server | ◯ | ||
高度なガバナンス (SDLC、カスタムロール、監査ログ統合、SCIM) |
◯ |
データ準備と結合
エディションにより、Designer CloudやDesigner Desktopでの利用可能なツールが異なります。
詳細はリンク先をご参照ください。
- 基本的なデータ準備と結合ツール
- 高度なデータ準備と結合ツール
Alteryx Copilot
Alteryx Copilotは、Alteryx Designer(オンプレミス)で利用できるAIアシスタント機能で、自然言語による指示からワークフローの作成やツールの提案を行うことができます。
Alteryxの操作に不慣れな方でも、Copilotを活用することでスムーズに処理を構築でき、業務の立ち上がりを大幅に短縮できます。
「どのツールを使えばよいか分からない」「処理の組み立てに時間がかかる」といった場合に、Copilotがサポートしてくれます。
Auto Insights
Auto Insightsは、クラウドのアプリケーションとして提供されている分析支援ツールです。
アップロードしたデータから自動的に傾向や異常値を検出し、ビジネスに役立つインサイトを提示することで、意思決定を迅速にサポートします。
Plans
クラウド上で複数の処理(タスク)を順番に実行するための仕組みです。これらのタスクには、Designerで作成したワークフローのジョブや、他のプラットフォームへのHTTPリクエストの送信など、さまざまなものがあります。
App Builder
App Builderは、クラウドのアプリケーションとして提供されており、ノーコードで分析Webアプリを簡単に構築することのできるツールです。
自動化
Enterpriseエディションでは、ワークフローのスケジューリングや実行の自動化に加え、API トリガーによるワークフロー実行、Plansの自動実行など、業務プロセスを効率化する高度な自動化機能が備わっています。
これにより繰り返し作業の手間を減らし、より安定した運用が可能になります。
Private Data Handling
「Private Data Handling」は、クラウド利用時、利用者自身のクラウド環境内にデータを保存し、その環境内でデータ処理を実行できる仕組みです。
この機能を使うことで、機密性の高いデータをより安全に管理できるようになり、利用者自身による運用・制御が可能になります。
Enterpriseエディションのみで利用できる機能で、StarterやProfessionalエディションの場合はAlteryxが提供するクラウド環境を使用します。
Cloud Execution for Desktop
Alteryx Designer(オンプレミス)で作成したワークフローをクラウド上で実行・スケジュール管理できます。
Enterpriseエディションのみで利用できる機能です。
ユーザーロール
Alteryx Oneでは、ユーザの役割に応じてFull、Basic、Viewerの3つのロールが用意されており、ユーザーに割り当てられたロールによって、利用できる機能の範囲が異なります。
Full User
Starter、Professional、Enterpriseエディションで用意されているロールです。
Starterエディション
Full Userロールですが、Starter自体が基本的なデータ準備と結合ツールの利用に限られているため、ProfessionalやEnterpriseのFullユーザーに比べると利用できるツールが限定されます。
ProfessionalおよびEnterpriseエディション
StarterエディションのFull Userよりも多くのアクセス権が付与されており、エディション内で利用可能なすべての機能にアクセスできます。
アドオンの利用も可能です。
Basic User
ProfessionalおよびEnterpriseエディションで用意されているロールで、Designerでのデータの準備や結合に使用する基本的なツールとデータ接続機能が利用できます。
アドオンを利用することはできません。
Viewer
Enterpriseエディションでのみ利用可能です。
ワークフローや分析アプリの実行、レポート閲覧などはできますが、アセットの作成や変更はできません。
エディションとロール
Starter | Professional | Enterprise | |
---|---|---|---|
Full User | ◯ (機能制限あり) |
◯ | ◯ |
Basic User | ◯ | ◯ | |
Viewer | ◯ |
エディション別、ロール別、利用可能な機能
Starter | Professional | Enterprise | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
ロール →→→ | Full | Basic | Full | Basic | Full | Viewer |
基本的なデータ準備と結合ツール | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
高度なデータ準備と結合ツール | ◯ | ◯ | ||||
マクロ・開発者ツール | ◯ | ◯ | ||||
フラットファイル接続 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
データベース接続 | ◯ | ◯ | ||||
Alteryx Copilot | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ||
Auto Insights(作成) | ◯ | ◯ | ||||
Auto Insights(閲覧) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
Plans(作成) | ◯ | ◯ | ||||
Plans(実行) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
App Builder(作成) | ◯ | |||||
App Builder(実行) | ◯ | ◯ |
さいごに
以上、Alteryx Oneのご紹介でした。
これまでAlteryxはオンプレミス環境で利用するユーザーが中心でしたが、新たに登場したエディションによって、クラウドとハイブリッドで利用しやすい環境が実現し、より幅広いユーザーに対応できるようになっています。
さらに、AIによる支援機能の強化によって、これまで以上にビジネスユーザーによるデータ活用が加速していくことが期待されます。
クラスメソッドでは、製品の機能や活用方法をご紹介するデモンストレーションも可能ですので、ご希望の方はぜひご連絡ください。