
【 Alteryx One 】 Designer Cloud 上で Snowflake Cortex関数を実装できるLiveQuery機能を試してみた
こんにちは、業務効率化ソリューション部のikumiです。
今回は、Alteryx Desinger Cloudの機能である LiveQuery機能 を試してみたので、その結果についてレポートします。なお、2025年8月時点ではアーリープレビューの機能となります。
LiveQuery機能とは
LiveQueryとは、クラウド上のDWHに直接クエリを実行できる機能で、Alteryx One環境にデータを移動したり複製したりすることなく、ガバナンスを効かせた状態でDesigner Cloudでシームレスに作業できます。クラウドエンジンを利用するため、ハイパフォーマンスでインサイトを把握できるのが特徴 です。
また、LiveQueryの最大のメリットとして、ワークフロー内で直接カスタム SQLクエリを記述・実行 できます。これにより、DWH側で実装されている機械学習モデルやAIクエリをAlteryxのワークフロー内で活用できるようになるので、分析の幅が飛躍的に広がります。
公式Doc:LiveQuery
【セッションレポート】マーケティングROIを劇的に向上:Alteryx Live QueryとAIが切り拓く革新的な顧客インサイト
やってみた
- LiveQuery機能の接続先として、現在はSnowflakeとDatabricksのみサポートされています
- 今回は接続先としてSnowflakeを使用しており、LiveQueryを使用するにあたって以下のブログ等を参考に事前にConnectionを作成しておきます
LiveQuery機能の有効化
- LiveQuery機能を有効化するには、まずワークスペース管理者の権限があるユーザーが管理画面を操作する必要があります
ワークスペース管理画面
>Setting
に遷移し、Enable Live Query
をONにします
- 続いて、Designer Cloudを開き、
Options
からEnable Live Query
をONにします
- Connectionを選択する画面に遷移するので、使用する接続先・データベーススキーマなどをウィザードに沿って選択していきます
- 設定が完了すると、ワークフローのアイコンがSnowflakeに変化していることが分かります。また、LiveQueryはクラウドネイティブモードで動作するので、機能をOnにすると自動的にクラウドネイティブモードに切り替わります
- 以上でLiveQuery機能を利用する準備は完了です
単純にクエリ速度の比較してみる
- まずは、LiveQueryを使用したワークフローと、通常のワークフローでのパフォーマンス比較をしてみます
- 今回は、Snowflake上にある日次の売上データから、$260以上の日付を抽出した結果をSnowflakeにアップロードする簡単なシナリオを作成しています
- 以下のJob結果を比較すると、各アクションがスタンダードワークフローで実行した方が時間がかかっていることが分かります
▽LiveQueryで実行したJob結果
▽スタンダードワークフローで実行したJob結果
- スタンダードワークフローでは、DWHからDesigner Cloudへのデータの転送などに時間がかかってしまう ところ、LiveQueryではクラウドリソースを使ってDWH上で操作を行うため、その分処理が速くなっています
- なおLiveQueryでは、ワークフロー設計する際(ツールの設定を行う際)にDWHへのリクエストを送るためコストがかかります
- ただし、この場合にレコード表示されるのは500行のみに絞られるためコストは最小限に抑えることができます
- 例えば以下のようにDesigner Cloudで日付のフィルタ設定を行った場合、Snowflake上でもクエリ履歴を確認できます
Snowflake Cortex関数の実装
- さて続いては、SQL Transform Toolを使用して、カスタムSQLの実行を試してみます
- ユースケースとして、商品のレビューデータに対してSnowflake Cortex関数を使用して、レビューデータの要約と翻訳を試してみます
- 使用するデータソースはこちら
- まずはレビューテキストを英語にするため、SQL Transform Toolを追加し、以下の関数を入力の上
Execute
します
SELECT
*,
SNOWFLAKE.CORTEX.TRANSLATE(review_text,'ja', 'en') as test_english ##日本語を英語に変換する関数
FROM upstream ##テーブル名はupstreamを指定
- 先ほど追加したツールにもう一つSQL Transform Toolを追加し、以下の関数を入力の上
Execute
します
SELECT
product_id,
product_name,
category,
COUNT(*) as review_count,
AVG(rating) as avg_rating,
## 英語テキストを要約
SNOWFLAKE.CORTEX.SUMMARIZE( LISTAGG(TEST_ENGLISH, ' | ') WITHIN GROUP (ORDER BY review_date)) as summary_english,
## 要約を日本語化
SNOWFLAKE.CORTEX.TRANSLATE(SNOWFLAKE.CORTEX.SUMMARIZE( LISTAGG(TEST_ENGLISH, ' | ') WITHIN GROUP (ORDER BY review_date)),'en', 'ja') as summary_japanese
FROM upstream
GROUP BY product_id, product_name, category
ORDER BY avg_rating DESC;
- 商品のレビューデータの要約を作成することができました!
さいごに
いかがでしたでしょうか。Designer Cloudの実装ツールもデータの前処理にはとても強力なツールですが、Snowflake Cortex関数の実行など、カスタムSQLが実行できるようになったことで分析の幅がかなり広がることが実感できました。これまでDesigner Cloudは、前処理に特化したツールのイメージでしたが、今後は現場の分析担当にも活用いただけることを期待しています!