Alteryx Serverのシステム設定「Controller」について

Alteryx Serverのシステム設定「Controller」について

2025.11.19

こんにちは、まつおかです。

Alteryx Serverをインストールした後に必要なシステム設定には以下6つの設定オプションがあります。

前回はAlteryx Serverの基盤となる設定を行う「Environment」についてご紹介しましたが、今回は次にある 『Controller』 ページについてご紹介します。

システム設定の画面はAlteryx Serverをインストールしライセンスの有効化が完了すると自動的に開きますが、自動的に開かなかった場合や設定後に変更の必要が生じた場合はServerをインストールしたマシンのデスクトップにある「Alteryxシステム設定」アイコンをダブルクリックすることで開くことができます。

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Alteryx Server 2025.1のインストールに関しては以下をご参照ください

https://dev.classmethod.jp/articles/alteryx-server-2025-1-install/

主要コンポーネントのひとつ「Controller」

Alteryx Serverの主要コンポーネントのひとつである「Controller」は、Server全体の「司令塔」として、以下の役割を担っており、ひとつのAlteryx Serverにつき1台で構成されます。

  • Server全体の管理とジョブの割り当て
    • 実行が必要なワークフローをどのWorkerで実行するかを決定し割り当て
  • スケジュール管理
    • どのジョブをいつ実行するかというスケジュール情報を一元管理
  • 実行待ちジョブの管理と調整
    • 実行待ちのジョブがある場合、QoS(Quality of Service:ジョブの優先度)や指定されたWorkerなどを考慮してジョブの実行を調整

システム設定の「Controller」では、Controller(コンポーネント)に関する設定を行います。

※ 今回は Alteryx ServerのSerup Type「Complete Alteryx Server」とした場合の設定についてご紹介します。

General

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『General』 ページでは、一時ファイルやログファイルの保存場所など、基本的な設定をします。

Token

  • Controllerとは別のマシンでWorkerを構築している場合や、Designerと通信するために使用するシークレットキーです。
  • Tokenは自動生成されますが、必要に応じて「Regenerate」ボタンをクリックすることで再生成することができます。
  • 再生成した場合は、接続するWorkerやDesigner側でTokenの更新が必要になります。

Communication

  • Enable Controller SSL/TLS
    • コントローラー通信でSSL/TLSを有効にするかどうかを指定します。
    • FIPS環境ではデフォルトで有効(無効化不可)、非FIPS環境ではデフォルトで無効です。
    • 設定を有効にする場合は、適切な証明書とシークレットキーがインストールされている必要があります。
    • システム設定の「Environment > General」にある「Globally Enable SSL/TLS」が有効になっている場合、ここは自動的に有効となりロックされます。
  • Port
    • 通信ポートを指定します。
    • SSL/TLSが無効の場合はデフォルトで80に設定され、有効の場合はデフォルトで443に設定されますが、手動で変更することもできます。

Workspace

  • Controllerが一時ファイルやキャッシュファイルを保存する場所を指定します。
  • 多くのファイルが保存されるため、容量に余裕のある安全な場所を指定してください。

Logging

トラブルシューティングに役立つログファイルに関する設定をします。

ログファイルを保存する場所を指定し、以下のオプションを設定します。

  • Level
    • ログレベルを指定します。

      alteryx-server-controller03

    • 本番環境ではより詳細なログが記録される「High」を推奨します。

  • File size(MB)
    • 「Enable log file rotation」 が有効になっている場合、ログファイルが指定されたサイズに達した際に新しいファイルに切り替えて記録されます(ログのローテーション)。これによりログファイルが肥大化するのを防ぐことができます。
    • 「Enable log file rotation」 が無効の場合はファイルサイズの上限がなくなり、場合によっては大きなログファイルが作成される可能性があります。

Scheduler

  • 「Enable Scheduler auto-connect」 が有効になっている場合、Serverと同じマシン上のAlteryx DesignerからSchedulerへ接続する際のTokenの入力が省略できます。
  • FIPS環境では設定は無効となっており、有効化することはできません。

Engine

  • 「Enable AMP Engine」 オプションで、Server全体でAMP Engine(Alteryx Multithreaded Processing)を有効にするかの設定ができます。
  • エンジンにはオリジナルとAMPの2種類があり、大規模なデータや複雑な処理において、ほとんどの場合並列処理のできるAMP Engineの方がパフォーマンスが上がります。

Persistence

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『Persistence』 ページでは、コントローラーが管理する情報(ワークフロー、スケジュール、ジョブキュー、結果など)を保存するデータベースの設定をします。

Database Type

Controllerの情報を保存するデータベースの種類を選択します。
SQLiteはDesignerのシステム設定で選択できるオプションですので、Serverでは選択できません。

  • MongoDB
    • Serverに組み込まれている(Embed)MongoDBを使用します。
  • User-Managed MongoDB
    • ユーザーが管理しているMongoDBを使用します。
    • このあとの「Database」のオプションで接続情報を設定します。
  • User-managed SQL DB
    • ユーザーが管理しているSQL ServerまたはPostgreSQLを使用します。
    • このあとの「Database」のオプションで接続情報を設定します。

Data Folder

  • データベースにMongoDBを設定している場合のデータベースファイルの保存場所です。
  • Database TypeでUser-managed MongoDBを選択している場合はインスタンス側で設定されますので無効になります。

Advanced Database Connection

Database Typeで User-managed MongoDBを選択しており、以下の機能をサポートする必要がある場合に有効にします。

  • TLS/SSL
  • レプリカセット
  • シャーディング
  • MongoDB Atlas

Database

ユーザー管理のデータベースを使用する場合にのみ設定が必要です(組み込みのMongoDBの場合は自動で設定されます)。

  • User-managed MongoDBの場合
    • Host:MongoDBサーバーのアドレス
    • Database Name:Serverが使用するデータベース名
    • Username/Password:データベースへの接続情報
  • User-managed SQL DBの場合
    • SQL Connection:SQL DBの接続文字列

Persistence Options

データベースの肥大化を防ぐため、古いデータを自動的に削除する設定です。
日数を0にすると、データは無期限で保持されますが、ディスク容量を圧迫される可能性がありますので、適切な日数を設定することが推奨されています。

  • Delete queue and results after (days)
    • 完了したジョブやその実行結果を、指定した日数後に削除します。
  • Delete completed schedules after (days)
    • 「完了」状態になったスケジュールを、指定した日数後に削除します。
  • Delete uploaded files after (days):
    • 分析アプリなどからアップロードされたファイルを、指定した日数後に削除します。
    • ただし、アップロードされたファイルがスケジュールによって参照される場合は、スケジュールが削除されるまで保持されます。スケジュールが削除されると、オプションで定義された日数が適用されます。

Mapping

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『Mapping』 ページでは、ワークフロー内で地図を使用する際の、地図タイルサーバーに関する設定をします。(システム設定の「Environment > Setup Type」で「Custom」のController以外のみを選択している場合はMappingの設定はありません。)

  • Enable map tile controller
    • このマシンがマップタイル(地図画像)をWorkerから受け取り、DesignerやServer UIに提供する役割を担うかどうかを選択します。
    • システム設定の「Environment > Setup Type」で「Complete Alteryx Server」を選択している場合は無効にすることはできません(操作不可)。
    • システム設定の「Environment > Setup Type」で「Custom」のControllerを選択している場合のみ、有効/無効が操作できます。
  • Memory cache (no. of tiles)
    • 一度取得した地図タイルをメモリ上にキャッシュしておく最大数の設定です。
    • 1,000タイルでおおよそ450MBのメモリを使用します。
    • 数値が大きいほどメモリを消費しますが、マップ表示が高速になります。
  • Disk cache (GB)
    • メモリから溢れたキャッシュをディスクに保存する最大容量(GB)の設定です。
    • 数値が大きいほどディスクを消費しますが、マップ表示が高速になります。
  • Reference layer time to live (seconds)
    • 参照レイヤー情報の保持時間(秒)。
    • 数値が大きいほど頻繁にリクエストされるレイヤーのパフォーマンスを向上することができます。

さいごに

以上、Alteryx Serverのシステム設定にある「Controller」についてのご紹介でした。
設定を変更した場合は、必ず画面を最後の「Finalize Your Configuration」まで進め、「Finish」ボタンをクリックして設定を完了させてください。

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次のブログでは「Worker」の設定をご紹介する予定です。

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