[アップデート]Amazon Connect Chatでクイックレスポンス機能が利用できるようになりました – Amazon Connect アドベントカレンダー 2023
こんにちは、洲崎です。
Amazon Connect アドベントカレンダー 2023、6日目の記事です!
クラスメソッドとギークフィードさん、スカイアーチHRソリューションズ さんの有志が募ってチャレンジしている企画になります。
(アドベントカレンダーのカレンダー一覧はこちら↓)
2023/11/17にAmazon Connect Chatでクイックレスポンス機能が対応されたので紹介します。
Amazon Connect Chatのクイックレスポンス機能
クイックレスポンス機能とは、コールセンターのエージェントがチャット対応の時に事前に作成された回答を利用できる機能です。
事前に作成された回答を利用することで、お客様の問題を迅速かつ正確に回答することができ、結果としてお客様の満足度の向上にも繋がります。
エージェントはお客様に返信する際に、/#
から始まるショートカットキーを利用して、すぐに文章を呼び出すことができます。(下の画像は/#suzaki
というショートカットキーを登録して呼び出した場合)
また、問い合わせフローにコンタクト属性
ブロックを組み込むことで、ユーザーやキューなどの属性を利用した回答も動的に用意することができます。
対応リージョンや制限
2023/12/6時点で、下記リージョンに対応しています。
米国東部 (バージニア北部)、米国西部 (オレゴン)、欧州 (ロンドン)、欧州 (フランクフルト)、アジアパシフィック (シドニー)、アジアパシフィック (東京)
標準CCP、エージェントアプリケーションのどちらでも利用可能です。
やってみる
早速、東京リージョンで構築してみます。
セキュリティプロファイルの設定
クイックレスポンスの設定に入る前に、セキュリティプロファイルの「エージェントアプリケーション」の中にある「コンテンツ管理 - クイック応答」で権限を付与します。
(Adminであればデフォルトで有効化されています)
クイックレスポンスの設定
Amazon Connectコンソールの左サイドメニューにあるヘッドセットのマークから「クイックレスポンス」をクリックします。
クイックレスポンスの表示がされるので、「Get started」をクリックします。
なお、レスポンスのデータについては、Amazon Q Connect ナレッジベース(旧:Amazon Connect Wisdom ナレッジベース)が利用されます。
Get Startedをクリックしてから、およそ5秒ほどでクイックレスポンスのナレッジベースが作成されました。
サンプルとしてGreeting
とClosure
が作成されています。
サンプルについては非アクティブとなっている為、アクティブ化しなければCCP上に表示されない設定になっています。
クイックレスポンスの追加
実際に回答文を作成していきたいので、「レスポンスの追加」をクリックします。
「レスポンスの追加」を開くと、レスポンスを作成するにあたっての項目が表示されます。
以下、項目の説明です。
- 名前(必須):レスポンスの名前です
- 説明:レスポンスの説明です
- ショートカットキー:レスポンスを呼び出す際のショートカットキーです。10文字まで入力できます
- ルーティングプロファイル(必須):レスポンスを利用するユーザーを指定する為にルーティングプロファイルを指定します。複数選択OKです
- アクティブ化:レスポンスを有効にします
- コンテンツ:レスポンス文章を入力します
ルーティングプロファイルに紐づけることができるため、各ユーザーに対して適切なクイックレスポンスを表示する形で設定することができます。
今回は以下で設定してみました。
- 名前(必須):問い合わせのお礼
- ショートカットキー:thanks1
- ルーティングプロファイル:Basic Routing Profile
- コンテンツ:「お問い合わせいただきありがとうございます。ご要件をどうぞ。」
保存する前に「プレビュー」を押すと、実際のレスポンスのイメージを確認することができます。
プレビューで内容を確認し、問題なければ右上の「保存」をクリックします。
クイックレスポンスのテスト
チャットのテストをして、動作を確認してみます。
CCPを起動し、チャットのやり取りを開始します。
チャットを開始すると、右側にキラキラとしたマークがありますので、こちらをクリックします。
クリックすると、クイックレスポンスの一覧が表示されます。
/#thanks1
と入力すると、今回登録したクイックレスポンスで絞ることができました。
候補をクリックすると、チャットの入力画面にそのまま自動で入力されました!
このまま送信マークを押すことで、クイックレスポンスの内容を送信することができました。
コンタクト属性を利用したテスト
コンタクト属性を利用してクイックレスポンスに反映されるか試してみます。
コンタクトフローの中で、作業キューの設定を動的にコンタクト属性として設定するブロックを挟みました。
作業キューではキューをcm-suzaki
で指定しています。
「コンタクト属性の設定」ブロックでは、キーをQueue
として、値を$.Queue.Name
としました。これで動的にフロー内のキュー名を取得します。
コンタクト属性とJSONの一覧についてはこちらも参照ください。
レスポンスの本文にコンタクト属性の情報を入れる場合、以下の形を入力します。
{{Attributes.指定するキー}}
今回、フローの中の「コンタクト属性の設定」ブロックで設定しているキーはQueue
なので、{{Attributes.Queue}}
を追加します。
これで再度チャットのテストを試してみたところ、キュー名のところはコンタクト属性で取得したキューの名前(今回だとcm-suzaki
)に変わってました!
最後に
Amazon Connect Chatのクイックレスポンスについて検証してみました。
定型文やよくある回答文などはクイックレスポンス機能を利用するとエージェントは素早く対応できるので、結果的に顧客満足度にもつながります。
また、コンタクト属性を活用した回答文について、今回はキューの情報を持ってきましたが、例えば問い合わせをしてきた顧客の名前を持ってくることができれば、パーソナライズした返信を行うこともできます。(顧客情報をどうもってくるか等は調べてまたブログにしようと思ってます)
Amazon Connect Chatを利用している方や、利用を検討されている方はこの機会にぜひ試してみてください。
ではまた!AWSコンサルティング部の洲崎でした。