[Amazon Connect] 「問い合わせフロー(インバウンド)」以外のタイプのフローについて〜デフォルトフローが適用されるタイミング〜

Amazon Connectでは、顧客からの着信はあった時、その処理の流れを定義する 「問い合わせフロー(インバウンド)」 があります。 この問い合わせフローを定義することで、顧客に対するアナウンスや、番号入力を促したりする事ができます。 しかし、Connectの管理画面で問い合わせフローを開くと、「問い合わせフロー(インバウンド)」以外のフローもたくさん定義されています。 今回は、この 「問い合わせフロー(インバウンド)」 以外のフローについてまとめてみました。
2018.10.06

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1 はじめに

Amazon Connect(以下、Connect)では、顧客からの着信はあった時、その処理の流れを定義する 「問い合わせフロー(インバウンド)」 があります。

この問い合わせフローを定義することで、顧客に対するアナウンスや、番号入力を促したりする事ができます。

しかし、Connectの管理画面で問い合わせフローを開くと、「問い合わせフロー(インバウンド)」以外のフローもたくさん定義されています。

今回は、この 「問い合わせフロー(インバウンド)」 以外のフローについてまとめてみました。

2 問い合わせフローの種類(タイプ)

問い合わせフローエディタで詳細を表示すると、Typeを確認することができます。

問い合わせフローのタイプは、一覧でも確認が可能です。

「問い合わせフロー(インバウンド)」 とは、実は、このタイプの一種であり、これ以外にも8種類のタイプが存在します。

全てのタイプを、その「内容」と「体験者」で一覧してみると以下のようになります。

タイプ 内容 体験者
問い合わせフロー(インバウンド) 電話着信後に体験するフロー 顧客
顧客キュー 接続がキューに入れられて、エージェントが対応するまでの間に体験するフロー 顧客
顧客保留 接続が保留に入れられた際に体験するフロー 顧客
顧客ウィスパー 接続がエージェントに繋がる直前に体験するフロー 顧客
アウトバウンドウィスパー アウトバウンドコールでエージェントと繋がる直前に体験するフロー 顧客
エージェント保留 接続が保留の間に体験するフロー エージェント
エージェントウィスパー 顧客と接続する直前に体験するフロー エージェント
エージェントへの転送 別のエージェントに転送する際に体験するフロー エージェント
キューへの転送 別のキューへの転送時に体験するフロー エージェント

そして、電話番号に紐付けられて、着信後の流れを定義できるのは、問い合わせフロー(インバウンド) のみです。

3 デフォルトのフロー

インスタンスを生成後、問い合わせフローの一覧には、下記のようなデフォルトフローが含まれおり、別途定義しない限り、各種の状態になったときに、これらがが自動的に適用されます。

たとえば、顧客からの接続がキューに入れられて、エージェントが対応するまでの間に流れるオーディオは、Default customer queueに定義されているものです。

名前 タイプ 説明
Default agent hold エージェント保留 保留中にエージェントに再生されるデフォルトのオーディオ
Default agent transfer エージェントへの転送 別のエージェントに転送する場合のデフォルトのフロー
Default agent whisper エージェントウィスパー 顧客と接続する直前のデフォルトのフロー
Default customer hold 顧客保留 保留中に顧客が聞くデフォルトオーディオ
Default customer queue 顧客キュー 顧客がキューで待機しているときに再生されるデフォルトのオーディオ
Default customer whisper 顧客ウィスパー 接続がエージェントに繋がる直前に流れるデフォルトの囁き
Default outbound アウトバウンドウィスパー アウトバウンドコールでエージェントと繋がる直前に流れるデフォルトの囁き
Default queue transfer キューへ転送 キューに転送のデフォルト設定

4 デフォルトが動作する流れ

デフォルトのフロー定義が、どのように適用されるかを確認するために、下記のような簡単な問い合わせフローを作成して試してみます。

着信したら、特定のキューを設定して、キューへ転送するだけのフローです。

上記のフローでは、下記のタイミングでデフォルトのフローが適用されます。

タイミング 適用されるデフォルトキュー
キュー入れられた時(エージェントが対応するまでの待機中も含む) Default customer queue(顧客キュー)
エージェントが対応する直前 Default customer whisper(顧客ウィスパー)

ここで適用される、2つのデフォルトフローの内容を確認してみると以下のようになっています。

(1) Default customer queue(顧客キュー)

プロンプトのループ には、Thank you for calling.Your call .... のアナウンスに続いて、Music_Pop_ThisAndTatIsLife_Inst.wavのループ再生が定義されています。

(2) Default customer whisper(顧客ウィスパー)

プロンプトの再生 の内容は、Beep.wavの再生になっています。

このことから、作成したサンプルでは、電話をかけた顧客は、次のような体験をすることになります。

  • 着信
  • Thank you for calling.Your call .... のアナウンス
  • Music_Pop_ThisAndTatIsLife_Inst.wavのループ再生
  • Beep.wavの再生
  • エージェントの対応

5 デフォル以外のフローの設定

予め定義されているデフォルトのフローの内容を書き換えても、顧客の体験を変えることができますが、もし、デフォルト以外の定義をしたい場合は、適用される前にデフォルト以外のフローを指定しなければなりません。

下記は、 顧客キューフローの設定 を使用して、顧客キュータイプのフローをデフォルトから置き換えています。

また、「問い合わせフロー」のページでは、「問い合わせフローの作成」の右の三角を選択すると、下記のようにリストが表示され、これを選択することで、「問い合わせフロー(インバウンド)」 以外のタイプのフローの作成が可能です。

6 最後に

今回は、「問い合わせフロー(インバウンド)」 以外のフローについてまとめてみました。

顧客の体験をすべて制御するためには、予め定義されている、「問い合わせフロー(インバウンド)」 以外のタイプのデフォルトフローが適用されるタイミングをしっかり把握して、定義する必要があると思います。