[Amazon Connect] 着信拒否リストをS3に置くだけで制御する

2018.12.19

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1 はじめに

AIソリューション部の平内(SIN)です。

Amazon Connect(以下、Connect)では、発信者の電話番号で処理を分けることが可能です。

コールセンターでは、いわゆる迷惑電話を避けるために、ブラックリスト的なものを管理している事もあるかも知れません。

下記の記事では、問い合わせフロー内、若しくは、DynamoDBで拒否リスト(電話番号)を管理する要領を試してみました。

今回は、このブラックリストをS3上のファイルで管理する仕組みを作成してみました。

ブラックリストの追加や削除のニーズが発生した時点で、直ちに、これを編集して更新するイメージです。

2 設定ファイル

設定ファイルは、エンジニア以外でも編集しやすいようにと考え、あえてJSONを避けてみました。

テキストのファイルに、単純に電話番号を列挙するだけです。

電話番号の指定は、国番号が日本固定となっていますが、国際プレフィックス(+81)から始まるものでも、0から始まるものでも、また、ハイフンの有無も問いません。 なお、空行や、#以降(コメント)は、無視されます。

DenyList.txt

# 旧システムからの引き継ぎ
+81-90-1111-2222
+819012342222
090-2361-2222
09023613332

+81-50-1234-3232
+815012343231
09023613442
# 09023613332 一時的に許可
+815012343232
+815012343235 # 2018/12/18追加

このような設定ファイルをS3のバケットに配置します。

3 コンタクトフロー

テスト用に簡単なフローを用意しました。Lambdaを呼び出して、その戻り値で分岐しているだけです。 拒否リストに一致した時は、そのまま切断しています。

Lambdaの戻り値は、denyというキーがtrueがどうかを見ています。

4 Lambda

作成したLambdaのコードは以下のとおりです。設定ファイル(DenyList.txt)をS3からgetして、発信番号が含まれているかどうかを返します。

なお、番号非通知の場合は、リストに関係なく拒否としています。

const aws_sdk = require('aws-sdk');
const s3 = new aws_sdk.S3();
const bucket = 'devio-blog';
const key = 'DenyList.txt';

exports.handler = async function(event, context) {
console.log(JSON.stringify(event));

// 発信者番号
const phoneNumber = event.Details.ContactData.CustomerEndpoint.Address;

// 非通知の場合は、拒否
if (phoneNumber && phoneNumber == '') {
return {deny: true};
}

// オペレーション時間の取得
const data = await s3.getObject({Bucket: bucket,Key: key}).promise();
const operationTime = data.Body.toString();
var lines = operationTime.split('\n');

// コメント削除及び、余分な空白削除
lines = lines.map( line => {
return line.replace(/#.*$/, '').replace(/\s+$/, '');
});
// 無効(空白)行の削除
lines = lines.filter( line => {
return line != '';
});
// ハイフンの削除
lines = lines.map( line => {
return line.replace(/-/g, '');
});
// 0で始まる場合に、+81に変換する
lines = lines.map( line => {
return line.replace(/^0/, '+81');
});

// 拒否リストにヒットするかどうか
let result = (0 <= lines.indexOf(phoneNumber));

return { deny: result };
}

5 最後に

今回は、ブラックリストをS3上の設定ファイルで設定するようにしてみました。

S3上のファイルは、権限を絞ったポリシーのユーザーを発行し、SFTPクライアントなどで、簡単に更新する方法を提供できます。

利用者が軽易に設定を変更できるのは、運用上有効かもしれません。

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