[Amazon Connect] 営業時間外に着信した電話番号の一覧を、翌朝メールで受け取る仕組みを作ってみた

2018.12.19

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1 はじめに

AIソリューション部の平内(SIN)です。

Amazon Connect(以下、Connect)では、オペレーション時間を設定して、その時間に基づいてロジックを作成することが可能です。

通常、着信では、営業時間外の場合は、オペレーターが対応できないので、「おかけ直しください」のようなアナウンスを流して切断するようなフローを構築すると思います。

これでも、まったく問題ないですが・・・「営業時間外に、どれぐらいの電話があったのか?」とか、「重要な顧客からの電話は無かっただろうか?」なんて気になる場合もあるかも知れません。

今回は、営業時間外で切断した電話の一覧を、毎朝の営業開始時にメールで受け取る仕組みを作ってみました。

構成は、以下のような感じです。

2 コンタクトフロー

サンプルのコンタクトフローは以下のようなものです。着信後、オペレーション時間を確認し、営業時間内であれば、通常の処理に進み、時間外の場合、Lamndaを呼び出して、発信番号を記録し切断しています。

3 S3へ記録

LambdaによってS3へ記録されているようすは、下図のとおりです。特定のバケットに、着信した時間と発信番号をそのままキーにして保存しています。(オブジェクトの中身はありません)

時間外に電話がかかってくるたびに、このオブジェクトが増えるわけですが、次の営業日に、集計してメールで送った後は、全部削除して空っぽにしてしまう運用です。

4 集計メール

次回の営業開始時に、送られて来るメールは、以下のようなものです。SESを使用して、事前に登録されたメールアドレス宛に送られます。

5 Lambda

実装したLambdaのコードは、次のとおりです。この関数は、Connectのコンタクトフロートからと、営業開始時にクローンから呼び出されます。

コンタクトフローから呼ばれたときは、単純に発信番号と日時をKeyにしてS3にオブジェクトを作成しているだけです。 一方、営業時間前に呼ばれた場合は、溜まったS3のオブジェクトを列挙し、メールにして送っています。また、この時、オブジェクトは全部削除しています。

const aws_sdk = require('aws-sdk');
const s3 = new aws_sdk.S3();
const ses = new aws_sdk.SES({region: 'us-east-1'}); // 東京では利用できない

const bucket = 'incoming-calls-overtime';
const fromAddress = 'sin@example.com';
const toAddress = 'sin@example.com';

exports.handler = async function(event, context) {
// 着信の記録(Connectから呼び出された場合)
if (event.Details && event.Details.ContactData) {
// 発信者番号
const phoneNumber = event.Details.ContactData.CustomerEndpoint.Address;
await savePhoneNumber(phoneNumber);

// 着信記録をメールする(営業開始前にクーロンで呼び出される)
} else {
await sendPhoneNumber();
}
return {};
}

async function savePhoneNumber(phoneNumber){
// 着信時間
const dt = new Date();
let params = {
Bucket: bucket,
Key: dt.toString() + ' ' + phoneNumber,
Body: ''
}
await s3.putObject(params).promise();
}

async function sendPhoneNumber(){
// データの一覧取得
let params = {
Bucket: bucket,
}
const list = await s3.listObjects(params).promise();

let message = '';
for (var i=0; i < list.Contents.length; i++) {
const phonNumber = list.Contents[i].Key
let params = {
Bucket: bucket,
Key: phonNumber
}
// データ取得
const data = await s3.getObject(params).promise();
// データ削除
await s3.deleteObject(params).promise();
// メール用のテキスト作成
message += phonNumber + ' ' + data.Body.toString() + '\n';
}
await send_ses('営業時間外の着信リスト', message)
}

// メール送信
async function send_ses(subject, body){
const params = {
Destination: {
ToAddresses: [ toAddress ]
},
Message: {
Body: {
Text: {
Data: body,
Charset: 'utf-8'
}
},
Subject: {
Data: subject,
Charset: 'utf-8'
}
},
Source: fromAddress
};
await ses.sendEmail(params).promise();
}

6 最後に

Connectでは、営業時間外の着呼をあっさり切ってしまうことが可能です。しかし、顧客リストなどと連携させて、重要な顧客の電話を拒否した場合は、このような仕組みを応用して、フォローアップなどを考えた方がいいかも知れないですね。

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