Amazon Connect の生成 AI による会話の要約がついに日本語対応していたので、試してみた
はじめに
Amazon Connect の Contact Lens には、生成 AI を利用してコンタクト後の会話内容を自動で要約する機能があります。
以前確認した際は、日本語の会話要約はまだ対応していない認識でした。今回、What's New には日本語対応に関する記載は見当たりませんでしたが、AWS ドキュメントのサポート言語一覧を見ると、日本語がサポートされていました。
ドキュメント上では、日本語 (日本) / ja-JP の行に コンタクト後の概要 が含まれていました。
次の表に、Amazon Connect の AI 機能でサポートされている言語を示します。
The following table lists the languages supported by AI features in Amazon Connect.
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/connect/latest/adminguide/supported-languages.html

今回は、Amazon Connect の生成 AI によるコンタクト後要約を、日本語のチャットで試してみます。
設定
コンタクトフローの [記録分析と処理動作を設定] ブロックにて、以下を有効化します。
- エージェントインタラクションの概要(エージェント対応部分の会話要約)
- 自動インタラクションの概要(IVR、Bot、Amazon Connect AIエージェントなどの自動応答部分の要約)

自動インタラクションが指す範囲については、自動インタラクションログのドキュメントが参考になります。
ドキュメントでは、フロー、プロンプト、メニュー、テンキー選択、Bot トランスクリプトなど、顧客体験の自動部分を確認できるものとして説明されています。
自動インタラクションログを使用して、顧客の Amazon Connect エクスペリエンスの自動部分を確認できます。
You can use automated interaction logs to review the automated portion of your customers' Amazon Connect experience.
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/connect/latest/adminguide/monitor-automated-interaction-logs.html
動作確認
実際にチャットで問い合わせを行い、コンタクト後要約が生成されるか確認します。
会話内容は以下のとおりです。
※今回利用した Bot は、ナレッジをもとに自動回答する構成です。
そのため、注文番号をもとに実際の配送状況を調査するのではなく、配送遅延が発生した場合の一般的な対処方法を回答し、その後オペレーターへエスカレーションしています。
Customer:注文した商品が昨日届く予定だったのに、まだ届いていません。
Bot:ご注文の商品が予定通り届いていないとのこと、大変申し訳ございません。配送状況について確認いたしますので、少々お待ちください。
Bot:配送遅延が発生した場合の対処方法は以下の通りです。注文番号を用意してカスタマーサポートに連絡することで、配送状況の詳細確認が可能です。また、配送業者の追跡番号が通知されていない場合は、カスタマーサポートに依頼することで追跡番号を確認できます。配送遅延により商品が必要な時期に間に合わない場合、返金や商品の無償提供、割引クーポンの発行などの補償を相談できる可能性があります。
Customer:注文番号は12345です。
Bot:ご注文番号をありがとうございます。配送状況の詳細確認と適切な対応のため、専門のエージェントにおつなぎいたします。少々お待ちください。
System Message:エスカレーション、と判定されました。オペレーターに繋ぎます。
Agent:お待たせしました。カスタマーサポートの佐藤です。注文番号12345の配送遅延についてですね。
Customer:はい。昨日届く予定だったので、いつ届くか知りたいです。
Agent:確認したところ、配送センターで遅延が発生しており、本日18時までにお届け予定です。
Customer:今日中に届くなら大丈夫です。
Agent:ご不便をおかけして申し訳ありません。念のため、配送状況を確認できるリンクをSMSでお送りします。
Customer:お願いします。ありがとうございました。
Agent:承知しました。本日はお問い合わせありがとうございました。
生成された要約
チャット終了後、Amazon Connect のコンタクト詳細画面を確認しました。
私の環境では、チャット終了から約5分後に AI によって要約が生成されました。

生成された内容は以下です。
エージェントインタラクションの概要
The customer reported that an ordered item failed to arrive by the expected delivery date. The agent confirmed a shipping delay at the distribution center and provided an updated delivery estimate of today by 6 PM. The agent committed to sending a tracking link via SMS to allow the customer to monitor shipping status.
顧客は、注文した商品が予定日までに届かなかったことを報告しました。エージェントは配送センターで配送遅延が発生していることを確認し、本日18時までに到着予定であることを案内しました。また、顧客が配送状況を確認できるように、追跡リンクをSMSで送信することを伝えました。
自動インタラクションの概要
The customer reported that an ordered item failed to arrive by the expected delivery date. The system provided information about handling delivery delays, including contacting customer support with order details, requesting tracking information, and discussing compensation options such as refunds, free replacement, or discount coupons. The customer provided their order reference number. The system indicated the case would be escalated to a specialist agent for further assistance.
顧客は、注文した商品が予定日までに届かなかったことを報告しました。システムは、注文情報を用意してカスタマーサポートに連絡すること、追跡情報を確認すること、返金・商品の無償提供・割引クーポンなどの補償について相談することなど、配送遅延時の対応方法を案内しました。顧客は注文番号を提供し、システムは追加対応のため専門エージェントへエスカレーションすることを案内しました。
日本語の会話に対して、問題なく要約が生成されました。
また、エージェントとの会話は エージェントインタラクションの概要、Bot との会話は 自動インタラクションの概要 として分かれて要約されていました。
Amazon Connect AIエージェントやチャットボットで一次対応を行い、その後オペレーターへエスカレーションする構成では、どこまで自動応答で対応し、どこから人間のオペレーターが対応したのかを把握しやすいです。
一方で、今回の検証では、要約本文は日本語ではなく英語で出力されました。日本語の会話が要約対象としてサポートされていることは確認できましたが、要約結果が日本語で返るとは限らない点には注意が必要です。
この点は、今後修正されるはずです。
要約形式を細かく制御したい場合
今回の機能は、Amazon Connect の標準機能としてコンタクト後の要約を自動生成できる点が非常に便利です。
一方で、会社によっては、エージェントが作成すべき要約の形式が決まっている場合もあると思います。
例えば、以下のようなフォーマットです。
問い合わせ内容:
確認結果:
対応内容:
次回アクション:
このように要約の形式を厳密に制御したい場合は、今回の標準機能ではなく、通話終了後に Amazon Bedrock と Lambda を使って、プロンプトで出力形式を制御する構成も選択肢になります。
以下の記事では、Amazon Connect のリアルタイム文字起こし結果をもとに、Amazon Bedrock で要約する構成を紹介しています。
また、Amazon Connect AIエージェントによるノート作成機能を利用する方法も候補になります。
標準のコンタクト後要約で十分な場合は今回の機能を使い、要約の形式や出力内容を細かく制御したい場合は Amazon Bedrock や Amazon Connect AIエージェントを使う、という使い分けがよさそうです。
料金
生成 AI によるコンタクト後要約自体に、個別の追加料金はかかりません。
Amazon Connect の料金ページでは、コンタクト後要約は会話分析(Conversational analytics)の従量課金料金に含まれると記載されています。
There is no separate charge for generative AI-powered post-contact summaries. This feature is included in the pay-as-you-go pricing for conversational analytics.
生成 AI によるコンタクト後要約に対する個別の料金はありません。この機能は、会話分析の従量課金料金に含まれます。
ただし、Contact Lens の会話分析を有効化したコンタクトに対しては、会話分析の料金が発生します。
まとめ
Amazon Connect の生成 AI によるコンタクト後要約を、日本語チャットで試してみました。
What's New には日本語対応に関する記載は見当たりませんでしたが、AWS ドキュメントでは日本語 ja-JP がサポートされており、実際に日本語の会話でも要約が生成されました。
今回の検証では、Bot との会話は「自動インタラクションの概要」、オペレーターとの会話は「エージェントインタラクションの概要」として分かれて表示されました。一方で、要約本文は英語で出力されたため、この点は今後の改善に期待したいところです。








