[Amazon EC2] 2025年 最新世代 汎用インスタンスの選び方

[Amazon EC2] 2025年 最新世代 汎用インスタンスの選び方

Clock Icon2025.07.07

こんにちは、菊池です。

AWSの中でも扱いやすく基本的なサービスの1つである、Amazon EC2ですが、そのスペックを決定するインスタンスタイプは2025年現在では700以上の種類が提供されています。

今回は、700以上あるインスタンスタイプの中から、汎用インスタンスに絞って最新世代の特徴と選び方を解説します。

汎用インスタンス

汎用インスタンスは、その名前の通り多様なワークロードでの利用を想定したインスタンスタイプです。現在最新世代としてよく選ばれるのものには、M8g/M7g/M7i/M7i-flex/M7a/M6i/M6aがあります。このうち、Mというのは汎用を、その後ろの数字は世代、後ろのアルファベット(g/i/a)はプロセッサのメーカーを表します。

m8g.large m7g.large m6i.large m7i.large m7i-flex.large m6a.large m7a.large
プロセッサメーカー AWS AWS Intel Intel Intel AMD AMD
プロセッサ種類 Graviton4 Graviton3 Ice Lake 8375C Sapphire Rapids 8488C Sapphire Rapids 8488C EPYC 7R13 EPYC 9R14
メモリ 8 GiB 8 GiB 8 GiB 8 GiB 8 GiB 8 GiB 8 GiB
vCPU 2 2 2 2 2 2 2
CPUコア数 2 2 1 1 1 1 2
時間単価 $0.11594 $0.1054 $0.124 $0.1302 $0.12369 $0.1116 $0.14973

時間単価は東京リージョンにおけるLinuxインスタンスの料金です。

上記の表に挙げたインスタンスタイプは全てメモリ 8 GiB、2 vCPU ですが、以下のような違いがあります。

  • 世代の高いインスタンスの方が時間単価が高くなっている(flexを除く)
  • m7i-flexはm7i/m6iよりも安価
  • Intelプロセッサのインスタンスおよびm6aは1CPUコアあたり2vCPUだが、Gravitonおよびm7aでは1CPUコアあたり1vCPU

m8g/m7gはAWSが開発したGravitonを搭載します。Gravitonプロセッサは、AWSが独自に設計したArmベースのプロセッサで、優れた価格性能比を提供します。Intel/AMDのプロセッサはx86アーキテクチャで、汎用性が高いのが特徴です。

汎用インスタンスのベンチマーク

Intel/AMDのプロセッサを搭載する、m6i/m7i/m7i-flex/m6a/m7aのベンチマークをやってみました。

ベンチマーク条件

  • 東京リージョン
  • OS:Amazon Linux 2023
  • UnixBench 5.1.3
    • 整数演算: Dhrystone 2 using register variables
    • 浮動小数点演算: Double-Precision Whetstone
m6i.large m7i.large m7i-flex.large m6a.large m7a.large
シングルスレッド 整数演算 51402286.9 58576748.8 53066381.5 54104351.6 57476400.5
浮動小数点演算 7636.4 8562.7 7881.5 8734.4 9163.4
マルチスレッド 整数演算 56014044.2 77970988.2 71718679.1 75836095.2 114193452.6
浮動小数点演算 13643.7 15491.4 14430.1 14966.7 18324.6

Intel、AMDともに世代の新しいプロセッサの方が高いスコアを発揮しています。特に、2つの物理CPUコアを持つm7a.largeでは高いマルチスレッド性能を発揮していることがわかります。

また、m7i-flexはm6iインスタンスよりも安価ですが、シングルスレッド/マルチスレッドともにm6iよりも高いスコアとなりました。m7i-flexは以下のような特徴を持つインスタンスです。

  • 常に少なくとも40%のベースラインCPU性能を提供
  • 95%の時間で、要求される場合に最大のCPU性能を発揮できる
  • Nitro Flex CPUスケジューラが、インテリジェントなアルゴリズムを使用して、各インスタンスに対して必要なCPUリソースを適切に割り当てる

常時フルパフォーマンスを必要としないユースケースでは、安価に最新世代のインスタンスを使う選択肢となるでしょう。

まとめ

数あるインスタンスタイプの中から、最新世代の汎用インスタンスに絞ってその仕様/特徴とパフォーマンスを確認しました。近年のインスタンスタイプでは、ラインナップが増えるとともに、価格の上下や単にvCPU数、メモリの数字に表現されない違いがあります。今回評価したベンチマークはあくまで参考であり、特定処理におけるスコアなので、実際のワークロードでの結果は要検証です。多彩な選択肢からよりワークロードにフィットするのもを選ぶことで、コスト、パフォーマンスに優れた環境が得られるでしょう。

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