[アップデート] Amazon GuardDuty の Malware Protection for S3 のスキャンしたデータ量に発生するコストが最大 85 %削減されました
こんにちは!クラウド事業本部コンサルティング部のたかくに(@takakuni_)です。
Amazon GuardDuty の Malware Protection for S3 のスキャンしたデータ量に発生するコストが最大 85 %削減されました。
Malware Protection for S3 のコスト
まずは S3 Malware Protection の課金についておさらいします。
まず GuardDuty 側では次のコストが発生します。
- 1 ヶ月あたりのスキャンしたオブジェクトのデータ量
- 1 ヶ月あたりのスキャンしたオブジェクト数
加えて S3 への操作に関して、次のコストが発生します。
- オブジェクトへのタグ付けコスト
- PutObject/GetObject などの S3 API の料金
今回、このうちの 1 ヶ月あたりのスキャンしたオブジェクトのデータ量
に関して料金の変更がありました。
アップデート前後で次のように変化がありました。85%オフのようです。
- 東京リージョン
- $ 0.79 / GB から $0.1185 / GB(85%オフ)
- バージニアリージョン
- $ 0.60 / GB から $0.09 / GB(85%オフ)
リージョンによって価格が異なります、詳しくは料金ページをご覧ください。
C1FSS との比較
同じような役割に TrendMicro 社の C1FSS という製品が存在します。C1FSS は 1 時間あたりのスキャンオブジェクト数に応じて料金が異なります。
課金階層 | 1 時間あたりに検索されるファイル数 | 1 時間あたりのコスト(USD) |
---|---|---|
無料 | 1 時間あたり 1-20 ファイルの検索 | 無料 |
低価格帯 | 1 時間あたり 21-200 ファイルの検索 | $0.42 |
中価格帯 | 1 時間あたり 201-400 ファイルの検索 | $0.63 |
上位価格帯 | 1 時間あたり 401 ~ 2000 ファイル | $1.155 |
東京リージョン、バケット数は 1 つ、月間 730 時間と仮定して比較してみます。(S3 API 周りの条件はのぞきます。)
縦軸がコスト(USD)、横軸がオブジェクトサイズ(MB)です。
1 時間あたり 1-20 スキャン
1 時間あたり 1-20 ファイルの検索では、 C1FSS は無料階層を利用できるため、1 時間あたりのコストは発生しません。
グラフにするとわかるのですが、Malware Protection for S3 の料金がガクッと下がっていますね。
1 時間あたり 21-200 スキャン
1 時間あたり 21-200 ファイルの検索では、 C1FSS は低価格帯に移行します。Malware Protection for S3 と比較すると、1 時間で 15 MB から 16 MB(月間 2336 GB から 2628 GB のアップロード量)が損益分岐点になりそうです。
1 時間あたり 201-400 スキャン
続いて 1 時間あたり 201-400 スキャンの検索です。C1FSS は中価格帯に移行します。新しい Malware Protection for S3 でもオブジェクトのスキャン料金が目立ち、1 時間で 10 MB から 12 MB(月間 2920 GB から 3054 GB のアップロード量)が損益分岐点になってきます。
1 時間あたり 401-2000 スキャン
最後に 1 時間あたり 401-2000 スキャンの検索です。C1FSS は上位価格帯に移行します。より顕著に Malware Protection for S3 のストレージ料金が目立ち、1 時間で 2 MB から 4 MB(月間 5840 GB から 8760 GB のアップロード量)が損益分岐点になります。
まとめ
以上、「Amazon GuardDuty の Malware Protection for S3 のスキャンしたデータ量に発生するコストが最大 85 %削減されました。」でした。
コスト観点のアップデートだったため、コストの側面でご紹介しましたが機能面も要チェックです。(C1FSS の場合、Google Cloud でも使えるなどいろんな側面があると思います。)
このブログがどなたかの参考になれば幸いです。
クラウド事業本部コンサルティング部のたかくに(@takakuni_)でした!