[アップデート] Amazon WorkSpacesでWindows Server 2019のイメージが使える様になりました

2021.08.18

しばたです。

本日AWSよりAmazon WorkSpacesでWindows Server 2019のイメージが使える様になった旨のアナウンスがありました。

本記事ではこの更新について解説し、実際に試していきます。

更新点について

従来WorkSpacesで提供されるWindowsイメージはWindows Server 2016をベースとしたものでした。 *1
Microsoftライセンス上の制約があるためWindows Server 2016のDesktop Experienceを使いWindows 10相当としてVDI環境を提供する形となっています。

今回の更新で新たにWindows Server 2019をベースとしたイメージが増えることになりました。
本日からAWS GovCloud、Amazon Web Services Chinaを除く既存リージョンで利用可能で、サーバーのみのイメージとOffice 2019 Professional入りイメージの二種類提供されるとのことです。

なお、既存のWindows Server 2016イメージはこれまでどおり利用可能です。

Windows Server 2016イメージとWindows Server 2019イメージの違い

Aamazon WorkSpacesとしてはWindows Server 2016ベースのイメージ、Windows Server 2019ベースのイメージどちらも「Windows 10」相当として扱っています。
実際OSのビルドとしてもWindows 10とWindows Server 2016/2019は同じ系統となり、それぞれ

  • Windows Server 2016 ≒ Windows 10 Anniversary Update (1607) 相当
    • LTSCリリースなら Windows 10 Enterprise LTSC 2016 相当
  • Windows Server 2019 ≒ Windows 10 October 2018 Update (1809) 相当
    • LTSCリリースなら Windows 10 Enterprise LTSC 2019 相当

に該当します。

ただ、Windows ServerにはWindows 10のすべての機能が実装されているわけではないのでWorkSpacesのデスクトップ環境として見る場合両者の差はほとんどないはずです。
個人的な感覚としては基本的に新しいWindows Server 2019ベースを選んでおけば問題ないと考えています。

ちなみに最初に紹介したAWSのアナウンスではWindows Server 2019ベースのイメージで使える新機能として

  • Windows Subsystem for Linux (WSL1)
  • OneDrive Files On-Demand

を挙げていました。

【2021.08.19追記】 価格差

Windows Server 2016イメージとWindows Server 2019イメージ自体の利用に価格差はありません。どちらも「Windows Bundle」の価格となります。
詳細は料金ページを確認していただきたいですが、料金はバンドルのスペック依存です。

ただしOfficeの使用料金(追加課金)に関しては若干ですが二者で差があります。
Windows Server 2019イメージ用のOffice 2019の使用料金は若干ですがWindows Server 2016イメージ用のOffice 2016より安く設定されています。

(2021年8月時点、東京リージョンにおける価格)

価格差の理由については明言されていませんが、Office 2019の方にはTrend Micro Worry-Free Business Security Servicesが含まれないためと推測します。

試してみた

早速ですが試してみます。

今回は以前公開した記事のCloudFormation Templateを使い東京リージョンに環境を用意しました。

この環境でマネジメントコンソールからWorkSpacesを選びWorkSpaceの追加を行っていき、バンドル選択画面を確認すると下図の様にWindows 10 (Server 2019 based)とWindows Server 2019ベースのイメージが増えていることがわかります。

合わせてOffice入りイメージとWindows Server 2016イメージの存在も確認できますね。
上図ではPCoIPプロトコルを使うイメージを選んでますがWSPプロトコルのイメージも提供されています。

今回はせっかくなのでWSPプロトコルのWindows 10 and Office 2019 Pro Plus (Server 2019 based)イメージを試してみます。
細かい設定手順は割愛しますがこんな感じのイメージを作っています。

WorkSpacesクライアントから接続するとこんな感じです。

ぱっと見はWindows Server 2016ベースのイメージと変わりませんがバージョン情報を確認するとちゃんとWindows Server 2019です。
Officeも2019がインストールされています。

あとは好きなように使えばOKです。

既存環境の移行

WorkSpacesではWindows環境であればベースイメージを変更する「移行」が可能です。

上記ドキュメントによると

  • Windows Server 2016ベースのイメージ → Windows Server 2019ベースのイメージ
  • Windows Server 2019ベースのイメージ → Windows Server 2016ベースのイメージ

どちらの移行も可能とのことです。
(ただし、イメージ毎でOfficeのバージョンが変わる、Trend Micro Worry-Free Business Security Servicesの有無が変わるので注意)

既存環境も必要に応じて移行すると良いでしょう。
なお、WorkSpacesの移行はOS領域であるCドライブおよびDドライブのユーザープロファイル以外の領域をすべて差し替える実装となってますので実施に際しては必ず事前調査をしてください。

おまけ : WSL1をインストールしてみる

先述の通りWindows Server 2019ベースのイメージだとWSL1が使えるそうなのでおまけとしてやってみました。
WSLにはWindowsサブシステムを使用するWSL1と軽量VMを使用するWSL2の2バージョンありますが、Windows Server 2019ではWSL1のみ対応しています。

Windows Server 2019ではMicrosoft Storeが使えないためWindows 10とはWSLのインストール手順が若干異なります。
具体的な手順は以下のDocsに記載されていますので参考にしてください。

最初に管理者としてPowerShellコンソールを起動しMicrosoft-Windows-Subsystem-Linuxのオプションを有効にします。

# 管理者として実行
Enable-WindowsOptionalFeature -Online -FeatureName Microsoft-Windows-Subsystem-Linux

実行後は再起動を要求されるのでWorkSpaceを再起動してください。

つぎにWSLで使用するLinuxディストリビューションをインストールするのですが、Microsoft Storeが使えないためディストリビューションのAppxファイルを直接ダウンロードしてインストールする必要があります。
各ディストリビューションのAppxファイルは以下に記載されているので適宜必要なものを選んでください。

今回はUbuntu 20.04をD:\wslフォルダにインストールする形で進めます。
PowerShellコンソールから以下の様な感じでAppxファイルをダウンロードし解凍します。

# インストールディレクトリの作成
mkdir D:\wsl
cd D:\wsl

# Appxファイルのダウンロード
$ProgressPreference = 'SilentlyContinue'
Invoke-WebRequest -Uri https://aka.ms/wslubuntu2004 -OutFile Ubuntu.appx -UseBasicParsing

# Zipファイルにリネームして解凍
Rename-Item .\Ubuntu.appx .\Ubuntu.zip
Expand-Archive .\Ubuntu.zip .\Ubuntu

# (optional) ダウンロードしたファイルを削除
Remove-Item .\Ubuntu.zip

ここまででD:\wsl\Ubuntu\ubuntu2004.exeができているはずなのでダブルクリックして実行してやります。
あとはUbuntuのコンソールが起動し、初期ユーザー設定を促されるので画面の指示に従ってください。

これで無事WSL1が使える様になりました。

最後に

以上となります。

個人的にはかなり待ち望んでいたアップデートです。
今からWorkSpacesを使う方は積極的にWindows Server 2019ベースのイメージを利用すると良いでしょう。

脚注

  1. Windows Server 2008 R2ベースのイメージはすでにEOL