『Androidのマーケティング&マネタイズセミナー』セミナーレポート
こんにちは!おおはしりきたけです!
9月29日(木)に行われた『Androidのマーケティング&マネタイズ~ガラケーからスマホ移行でコンテンツはどう変わる?~』に参加してきました。
イベントURL:http://atnd.org/events/19951
イベントの概要は以下です。
今後のスマートフォン移行の流れの中で存在感を増すandroidビジネスにおいてコンテンツプロバイダーがとるべき戦略、方向性の模索と国内のスマートフォン市場全体の活性化を狙う実践的なセミナーです。特にandroidアプリやコンテンツのマーケティングやマネタイズの部分を重点的にゲストスピーカーにはお話してもらいます!
怒涛のスマートフォンリリースが続いており、私の周りもかなりスマートフォンを持つようになってきました。しかしながら、Androidコンテンツというのは、まだまだ未成熟な市場だと思っております。「スマートフォンコンテンツはどのように成長していき、何が儲かるのか?」私は、その疑問を自分に問いかけながら今回のセミナーに参加しました。
<タイムテーブル>
- 19:10~19:30 Metaps Pte. Ltd. http://www.metaps.net/
- 19:30~19:50 株式会社アドウェイズ http://adways.net/
- 20:00~20:20 株式会社 mediba http://www.mediba.jp/
- 20:20~20:40 株式会社 Zucks http://zucks.co.jp/
- 20:40~21:00 株式会社ミログ http://milog.co.jp/
ハッシュタグ:#amm0929
@komureさんによるtogetter:android(アンドロイド)のマーケティング&マネタイズセミナー
■Metaps Pte. Ltd
アンドロイドユーザー向けにオススメアプリを紹介するメディアプラットフォーム「AppBonus」を公開しているMetaps Pteさんのお話です。
タイトル:「アンドロイド×グローバル」を目指アプリ開発者の戦略
- 発表者:佐藤航陽さん
- TwitterID:@metaps_sato
Metaps さんはシンガポール法人で、インドネシアなどアジア諸国の拠点としてシンガポールに法人を持っている。ITメディアで執筆中「アンドロイド×グローバル」主な事業はリワード広告で、スマホアプリ開発者の収益化を支援している。
○ガラケーからスマートフォン移行の出来事
国内
- 国内の4分の1がスマートフォンへ移行
- アプリでの成功事例が出現
海外
- Androidのシェアが拡大
- スマートフォンのシェアは4割
○開発者の迷いどころ
- ネイティブかWebか
- iPhoneアンドロイドか
- プラットフォームか独自か
結論を言うと、すべて素早く対応できる体制づくりが必要
○東アジアで急激に普及しているAndroid端末
- 中国:70万アプリ、市場は急成長
- 韓国:ギャラクシー多1000万台突破
- インドネシア:ネット接続の半分は携帯
- 台湾:アプリビジネスが成長
○グローバル展開か、ガラケー踏襲か?
グロバール展開型
- アプリは世界共通仕様
- リスクは高い
- 急成長できる可能性あり
ガラケー踏襲型
- 月額課金
- ノウハウ流用できる
- 収益性が維持できるかは不明
○初めから世界を狙う日系シンガポール企業
企業名:nubee ジャパンライフというアプリが2か月で200万ダウンロード
○マーケティングは超重要
世界でアンドロイドアプリをヒットさせるには企画よりマーケティング。ヒットアプリはすべて内容が同じ 例えば、忍者がダッシュしてジャンプするゲームや鳥を飛ばすゲームなど。
○スタンダードなアプリ集客方法
- CPC
- CPI
- 純広告
- レビュー
とくにCPIは成長中!!
○AndroidMarketとAppStoreの違いを意識する必要あり
AppStore
- ランキング上昇が容易
- 順位変動が激しい
AndroidMarket
- アルゴリズムが不明確
- 順位変動が少ない
○Androidマーケットのロジック
以下を見ているっポイ(あくまで予想)
- アクティブ率
- ダウンロード数
- レーティング
- 起動時間
特に重要なのは「アクティブ率」と「ダウンロード数」で、レーティングは3以上あれば大丈夫そう。起動時間はコンテンツと絡みすぎているため、あまり重要ではなさそう。
毎日アプリを起動したくなる機能を付ける ・プッシュ通知 更新時に必ず通知する →やりすぎるとアンインストールされるので注意が必要 ・復帰ユーザーにインセンティブ
○マーケットの検索
Googleの検索エンジン黎明期と同じレベル
特徴
- アプリのタイトルにキーワードを入れる
- 詳細情報にキーワードを入れる
- DLが伸びていると上位表示されやすい
○競合が弱い国で勝負
米国・欧州は激戦区
⇒有名ゲーム企業がタイトルを連続でリリース
台湾・中国は競合が少ない
⇒コンテンツが不足しているのでコピーが多い
○質疑応答
Q:ツールとゲームどちらが長期的に収益になるか? A:長期的はツールだが、ゲームはユーザ数が多いためゲームでユーザーをつかむほうがいい。ツールは無料のが出てきたら厳しい。
Q:起動時間はどう絡んでいる? A:起動時間は推測だが、アクティブ率の高いもの累計ダウンロード数をみるとランキングが変わっている。
■株式会社アドウェイズ
『Androidアプリで本当に儲かるのか?セミナー』でも参考になるお話聞かせていただいた、アドウェイズさんのお話です。
タイトル:「アンドロイド×グローバル」を目指アプリ開発者の戦略
- 発表者:山田翔さん
- TwitterID:@GSOHB7
○アドウェイズのスマートフォン事業
スマートフォンの広告事業
- AppDriver:スマートフォンアプリのリワード広告
スマホコンテンツ事業
○AppDriveとは
スマートフォンアプリの「集客」と「収益化」を実現するベースプラットフォームで、以下の3つの機能を提供
- promotion
- monetization
- analytics
○CPIの実績(無料アプリ)
iPhone | Android | |
---|---|---|
出向アプリ数 | 70件 | 30件 |
出向単価対 | 80~300円 | 80~300円 |
最大獲得数/日 | 20,000件 | 8,000件 |
最大獲得数/月 | 100,000件 | 50,000件 |
○CPIの実績(まとめ)
iPhone | Android | |
---|---|---|
出稿傾向 |
無料アプリが 大型予算を投下 |
先月まではほぼ出稿なし 今月から無料アプリが続々と出稿 |
出稿額比率 | 66%(90%) | 44%(10%) |
出稿ニーズ |
ダウンロード増 ↓ AppStoreランクアップ |
コストを抑えた集客
低リスクな集客 |
今後の予測 | 無料アプリ |
無料&月額 |
iPhoneアプリとAndroidアプリにおけるAppDriverへの出稿比率は8月がiPhone90:Android10に対して、9月がiPhone66:Android44まで変化
○AppDriverの現実
どんなアプリケーションが利用できるか?
プロモーション
基本的にどんなアプリでも問題ないが、デメリットとして以下がある。
- インセンティブ月の出稿しかできない
- 広告出稿後の効果を測定できない
マネタイズ
仮想通貨を持ったソーシャルアプリのみ利用できる。デメリットとして以下がある。
- ソーシャルアプリ以外の収益化が困難
- 通常の広告としての掲載ができない
現在の参考値として、カイブツクロニクルの数値
- DL:12万
- DAU1.5万
- MAU:3.3万
- 課金は2~3000万!!
- 広告売上300万!(リワード広告)
○これからのAndroid
- フリーミアムアプリ
- 月額クライアント×インセメディア
とにかくアプリケーションを出していくスピード感が大事
■株式会社 mediba
KDDIのポータルサイトau oneやadNetwokを中心に広告事業などを行っているmedibaさんのお話です。
タイトル:スマートフォンアドネットワークの取り巻く環境とmedibaの広告プラットフォーム戦略
- 発表者:宮本祐樹さん
○mediba ad ネットワークとは
コンテンツ提供者:広告枠の営業代行+ターゲッティングによるインプレッション価値向上 主な広告サービス
- MicroAd
- AdLantis
- AdMaker
○スマートフォンとガラケー市場の違い
広告枠の概念が単体(一つの枠)からネットワーク化(つながる枠)へ 市場形成期なのでアドテクノロジー/ビジネスが日進月歩で変わっている状況
- 海外ユーザー対応
- アドエクスチェンジ
- OSバージョン対応
- オーディエンスデータ
- 広告効果/ユーザー分析
- cookie/デバイスID
○アジアと欧米のCPM比較
欧米は平均CPM1ドル程度、アジア圏は平均CPM0.5ドル程度なので、スマートフォン広告においては欧米の方がマネタイズ威力がある。
○アドエクスチェンジはアドネットワークの流通革命
アドエクスチェンジによってアプリ広告枠は海外含む複数のアドネットワークからキャンペーンの配信されるようになります。
アドエクスチェンジによって変わること
- 空き枠および低クリック単価キャンペンが減少
- 海外からアクセスしてきたユーザーには海外向けの広告を配信
広告のインプレッションを無駄にしない!!
○2011年後半以降のスマートフォンアドネットワークの進化
- アドエクスチェンジによる拡大
- エクスチェンジロジック、ターゲティング高度化
○mediba/KDDIで協業推進するアドネットワーク
「mediba ad」
スマートフォンに特化したターゲティング技術についてKDDI研究所と共同開発中
medhibaシンガポール支社を設立予定
○クリック率が高いアプリ
- パズルゲーム
- 時計
- 万歩計
■株式会社 Zucks
米最大手の成果報酬型広告プラットフォームを提供しているTapjoyと業務提携を行っている、Zucksさんのお話です。
タイトル:海外事例も含めたAndroidアプリのマネタイズ方法
- 発表者:Shota Horiiさん
- TwitterID:@shota
○Tapjoyとは
- 世界最大規模のリワード広告ネットワーク
- 2億人以上のスマートフォンユーザーにリーチ
- フリーミアムモデルのトップ80%に掲載されている
○効果的なプロモーションとは?
Tapjoyでは、Engagementを提唱している。ダウンロードを促すだけではなく、定着が必要
アプリ内のアクションがせいか条件で、生存率がCPIよりも高い
- CPI:5%
- CPA:40%
例えば
- レベル2になるまで進める
- スコアをfacebookに投稿
ランキングの順位上げに影響あり!?
○米国のAndroid状況
- 8月、Androidはスマートフォンのシェアで43%
- TOP50のアプリがユーザーのアプリ滞在時間の60%を占める
- TOP25位以内のアプリはアプリ内課金
- TOP20位のうち15アプリはフリーミアム
- 日本は20位で4アプリがフリーミアム
Tapjoyの方曰く、今の日本のAndroid市場は昨年のUS市場に非常に似ている。
○ECナビグループ
30タイトル出しているが、Androidの有料化は難しい、集客も課題。やはりフリーミアムのゲームか?
○スマートフォンアプリの主要な収益化方法
- 有料課金
- CPM/CPC広告
- リワード広告
- アプリ内課金
マネタイズは様々なユーザーに合わせる必要がある
○質疑応答
Q:ゲーム以外でマネタイズに成功している例は?
A:ツール系などでは、ある機能を使いたい場合リワード広告クリックさせる手法などがある
■株式会社ミログ
最近、開発者向けにアプリ分析のSDK「AppLogSDK」や、友達とアプリを共有できる「FriendApp」などを公開したミログさんのお話です。
タイトル:AppLogSDK活用アプリマネタイズ
- 発表者:伊藤裕之さん
○ミログ紹介
Androidのスタートアップ企業で、社員13名中10人がエンジニアAndroid App Log解析事業を行っており、現在は自社アプリ(45アプリ)からログを解析している。
○AppLogSDKスキーム
- 国内端末のユーザーがAppLogSDKを利用したアプリ情報がミログに提供される。
- アプリ開発者は、「月額報酬」または「アプリ解析情報」をミログから受け取ることができる
○アプリ分布
- 人気上位1%のアプリがマーケットの40%を占めている
- 月間5.25%の成長率がアプリ成功の鍵
- ユーザーは、月平均1.3個しかアプリをインストールしない
○AppLogの取得Log一覧
- androidID
- 端末の機種情報
- 端末のOS
- アプリケーションのinstall情報
- アプリケーションのuninstall情報
- アプリケーションの起動log
○AppLogの報酬
- 月間報酬
- 1端末月間1円
- 毎月支払うスキーム
- 広告SDKを同時設置OK
支払いの条件は以下
- Log送信のユーザー承認を得られた端末
- アプリがインストールされて、14日間Logを送信している
○AppLogの効果
- インストール数が多いけど、ページビューが少ないアプリケーションに効果的
- SDKの導入(工数)は1時間程度で、容量は100K未満
端末のアプリを解析して、男女の判断をしている。現在の精度は90%くらいだが、年内に95%にする
まとめ
今回印象に残ったのは
- 企画よりマーケティング
- アプリケーションを出してくスピード感
- AndroidMarketで重要なのは「ダウンロード」と「アクティブ率」
- 日本のAndroidMarketは昨年のUSの状況に非常に似ている
- 成功するアプリの成長率は5%がカギ
といったような、お話でした。
スマートフォンの市場は成長中で、数年前のWebの状況に似ている気がしますが、PCとスマートフォンでは使用する「場所」、「時間帯」なども違うためまったく同じように行くことはないと思っています。その中で現状では、暇つぶしのためにソーシャルゲームに勢いがあるのではというのが、私の考えです。今後スマートフォンユーザーがどのような傾向に進むか分析のためにもAppLogを出しているミログさんは、次のフェーズに早く着手できそうな気がしています。アプリ開発者は、今までの様に企画を熟慮して長期間でのリリースは市場にのれないと思うので、スピード感持ってとにかく市場に出していき、当たったら予算とって大作を作るようなことが多くなりそうです。
今回のセミナーは150人という枠に対し、190名もの募集があり、各発表ごとの質疑応答も活発でした。発表者の皆さん素晴らしい発表ありがとうございました。
※今後発表者の方のスライドが共有されたらリンク追加していく予定です。