成長戦略は自ら変わり続けること。「専門家」社員にまかせつつ、マインドセットを伝えたい

成長戦略は自ら変わり続けること。「専門家」社員にまかせつつ、マインドセットを伝えたい

Clock Icon2023.07.07 00:00

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

2003年7月に産声を上げたクラスメソッド株式会社。企業向けのシステム開発から始まり、アプリやクラウドなどの数多くのテクノロジーに向き合い、成長を続けてきました。

この20年でどのような道のりを歩み、これからどこへ向かうのか。創業社長として現在も会社の顔である横田社長に今の気持ちをうかがいました。

一番不得意な仕事は……経営?

——会社創立から20年を迎えます。2004年の創業当時は、会社が今のような姿になっているのを想像できていましたか?

創業時からクライアント企業が抱えている課題の解決や、事業の支援をしたいと思っていましたので、やりたいことが実現できて理想的な形になってきたかなと感じています。

会社を作った当時は「とりあえず10億円の売上げを目指そう」、ほどなくして「やっぱり売上げ100億円ぐらいを目指したいよね」という話をしていたものの、実現方法もアイデアも全くなかった。なので私自身もまわりのメンバーも何をどうやってそんな売上げを立てるんだ?という雰囲気だったのをよく覚えています(笑)

もともと会社を大きくしたいな、とは思っていました。何かをやるからには大きく立ち回ったほうがおもしろいですし、自分のチャレンジの結果として会社が小さくなったとしても、1度経験していれは何回でも再チャレンジできますから。

——現在社員は700名(関連会社含む)に増え、事業も組織の規模も大きくなっています。規模以外で、この20年で変わったことは?

会社を作ってから3年目くらいまでは、私自身が多くのの業務をやっていました。営業はもちろん、開発の初期段階での打ち合わせには全部参加し、システム開発にも首を突っ込んでいました。

プロジェクトが炎上したら社員と一緒になって徹夜で対応したり、……という働き方をしていましたが、それぞれの分野の専門家が入社してくれてからは、プロの方に任せるというモードに切り替えています。

——誰かに仕事を頼むもどかしさなど、葛藤はなかったのでしょうか。

それはないですね。実は一番不得意なのはマネジメントや予実管理など……会社経営が大きくなってくると必ず必要になるものなんですが(笑)あまり得意ではない領域を全て抱え込まず、できる人にお願いしたほうが良い結果になると思っていたんです。

私は元々エンジニアですが極力現場に出ないようにした、というより、いま現場に出ても役に立てないので、営業時間中は会社をどう取りまとめるかを考えて、夜中に技術ブログを書くだけで十分にガス抜きができていました。

頭も良くて技術力もある、努力もできるみたいな人は自分で全部できてしまうので、一人で抱え込んでしまうと思うんですけど、私は早々に諦めてプロに任せたという感じです(笑)

——とにかく技術が好きなエンジニア集団、というイメージが強かったので、横田社長がそのようにおっしゃるのは少し意外に感じました。

実際、はじめて他の職種を採用する前は「エンジニアがいれば営業はいらないんじゃないか?」という意見もあったのですが、「もしこういうプロがいたらこんな面白いことができるかも」とまず受け入れてみて、マインドをアップデートしていきました。

マーケティングや広報、最近では人事などの分野も、今後どういうことが起こるんだろう?という変化を極力楽しむようにしています。

——直近では会社の体制も変わられたと聞きます。

めちゃめちゃ変わったんじゃないですかね。社員数が2倍以上になり、マネージャー層の人が増えて組織としても大きく変わってきたと思います。

クラスメソッドは長年現場のエンジニアしかいない会社でしたが、今は80名以上がマネージャーやそれに近い仕事をしています。営業組織はより組織的になり、バックオフィスもより細分化して会社を支える基盤がここ3年、4年で急激に整ってきました。

新卒採用も始め、中小企業に毛の生えた会社から中堅企業と呼べるくらいのフォーメーションになってきているのかなと。

これも私が細かく指示したというより、専門家の方々がどんどん整えていってくれたっていう3、4年だったのかなと感じます。

「DevelopersIOで飯を食う」世界線があったかもしれない

——横田社長ご自身にとってのターニングポイントはいつ頃だったのでしょうか。

大きくマーケットが変わり始めた2010年、11年ごろでしょうか。いい仲間がいて、マーケットのタイミングとうまくかみ合って波に乗れたというところが大きかったのかなと思います。

幸いずっと人には恵まれていて、今も昔もいい仲間が集まってくれたのですが、それだけでは会社は伸びなかった。2012年くらい、オフィスを秋葉原に引っ越したぐらいのところで、事業としてはゼロリセットしてもう一度頑張ろうというモードになりました。

——2008年頃のAWSとの出会いもひとつのターニングポイントだったのではと思うのですが、”AWSと出会わなかった”世界線の話として、当時考えてられていた新事業のアイデアがありましたら聞きたいです。

なんだろうな……基本的には新しいもの好きの人たちが集まっている会社なので、AWS事業を始めていなかったとしても、創業時と変わらずひたすら新しい技術を調べてアウトプットするのをずっと繰り返していたと思います。

当時の新しい技術だとスマホ関連やクラウド、その後は仮想通貨やメタバースとかかな?時代時代の新しいテクノロジーとかトレンドに多分いち早く飛びついて、調査してアウトプットする中で、もしかしたらすごくいい出会いがあったかもしれませんし、ずっと鳴かず飛ばずみたいなことが続いてたかもしれない。

そうなったら、DevelopersIOにたくさん広告を貼って、その収入でご飯を食べる中小企業になっていた可能性はあるかもしれませんね(笑)

——逆に創業当初から”変わらない”点として、一緒に働く人たちに恵まれたとおっしゃっていましたが、横田社長の考える「人を大事にする」こととは。

私はこの会社で働いた社員が、自らの社会的な価値を最大化することが最も重要だと思っています。

ただ単に人に優しいだけの会社ではなく、厳しくやりがいがある仕事に挑戦できる、働きがいのある会社を作っていくのが大事です。

安心して働ける待遇や福利厚生などの制度に加え、趣味や子育てなど大切にしているライフスタイル、仕事以外の背景を理解したうえで、仕事にめちゃめちゃ注力できる環境を提供する。

仕事とプライベートはどちらも影響し合っていると思うので、どちらも良い形が作れると仕事もプライベートも充実し、その人の人生全体がハッピーになるのを応援するような会社である、というのが結果として会社の業績にも繋がるかなと思っています。

自ら進んでやってみることと、周りの力を借りることのバランスを伝えていきたい

——前に「自ら変わり続けることが成長戦略」と話されていましたが、横田社長ご自身が変わり続けるためにされている行動や意識されていることはありますか?

不得意なことでも、最初の一歩目は自分でやってみる、ということでしょうか。

先ほども「プロに任せよう」というスタンスで十数年やっているという話をしましたが、任せているばかりだと自分が成長しないので、最初から丸投げにせず、見よう見まねで学んだうえで、プロと対等に話せるような努力は続けています。契約書も読めるようになりましたし、労務や人事といったバックオフィス業務も学びました。

エンジニアとして第一線にいたのももう20年以上前なので現場では役に立たないんですが、プロの方が発信する新しい技術には常にアンテナを張って、自分の手でコードを書いて動作を確認して、というキャッチアップは続けています。

——今後めざしていく会社の姿、理想像を実現するために、クラスメソッドはどう変わっていくのでしょうか?

もう20年ぐらい会社をやってるとですね、だんだん仙人みたいな気持ちになってきていまして(笑)自分がどうしたいか、はもちろん大事なのですが、自分がいなくなったとしても、会社を良い形でどうやって発展させていくか、という部分に関心が向いています。

お客様に良いサービスを提供し続けているというこれまでの実績に、より深みが加わっていったらいいなと思っています。

20年後は自分が第一線にいないかもしれない。もちろんやりたいですけど、マインドセットや意志決定のプロセスなどの、ベースとなる考え方が会社全体に広がっていってほしい。自分が陣頭指揮を執るというより、一緒に働いているメンバーにより多様な経験をしてもらいたいというのは常々考えていまして、これはどこかで実現したいですね。

この記事をシェアする

facebook logohatena logotwitter logo

© Classmethod, Inc. All rights reserved.