[UPDATE] AWS Elemental Linkでデバイスの別リージョンへのトランスファーが可能になりました!

これまでは購入の際に指定したリージョンでのみ利用可能だったAWS Elemental Linkですが、新たにアップデートされたリージョントランスファー機能を用いることで、Linkデバイスを使用するリージョンを変更できるようになりました。
2021.01.26

はじめに

清水です。AWS Elemental MediaLive用のセットアップ済みライブエンコーダデバイスとして動作するAWS Elemental Link、これまでは購入時に指定したAWSリージョンでのみ使用することが可能でした。先日確認したところ、このLinkデバイスの使用リージョンを変更する機能、別リージョンへのトランスファー(転送)が可能になっていました。これで購入時とは別のリージョンでLinkデバイスの利用ができます。任意のタイミングで利用するリージョンを変更することが可能です。本エントリではこの機能についてまとめてみます。

ちなみに、類似した機能にLinkデバイスを使用するAWSアカウントを変更するアカウントトランスファーがあります。こちらは昨年2020/11にアップデートされたものです。以下エントリをご参照ください。

まずはおさらいもかねて、リージョントランスファーを確認する前にAWS Elemental Linkとリージョンの関係について確認しておきます。

購入ページのリージョン

まずAWS Elemental Linkを購入する際のリージョンです。例えば東京リージョンのAWSマネジメントコンソール、MediaLiveのDevicesから[Purchase a device]のリンクを辿ることもできます。

しかしこのリンク先はAWS Elemental Appliances and SoftwareのAWS Elemental Linkの項目になります。このAWS Elemental Appliances and Softwareについては、現在us-east-1(バージニア北部)とus-west-2(オレゴン)のみが対応リージョンとなっています。そのため、Linkデバイスを購入する際のリージョンとしては、us-east-1(バージニア北部)かus-west-2(オレゴン)のいずれかを選択する必要があります。

実際にLinkデバイスをAWSマネジメントコンソールから注文する手順は以下エントリをご参照ください。 *1

Linkデバイスを利用するリージョン

上記のAWSマネジメントコンソール、AWS Elemental Appliances and SoftwareのAWS Elemental LinkからOrderする手続きの中、「Order line」に「AWS region」の項目があります。これがLinkデバイスを実際に使用するリージョンの選択箇所となります。

例えば、us-west-2(オレゴン)のAWS Elemental Appliances and Softwareのページで購入を進めていても、ここでap-northest-1(東京)を選択すれば、東京リージョンでLinkデバイスが利用可能(東京リージョンのAWS Elemental MediaLiveのInputとしてLinkデバイスが選択可能)となります。

なお、昨年2020/11のアップデートにて、LinkデバイスはMediaLiveをサポートしているすべてのリージョンで使用可能になったとのことです。

LinkデバイスのOrderが済み、Linkデバイスが届くと選択したリージョンのMediaLiveのマネジメントコンソール、Devicesの項目にLinkが追加されます。(スクリーンショットはこちらのエントリで購入したもので、当時は東京リージョン未対応だったこともあり *2 us-west-2(オレゴン)を使用リージョンとしています。)

ということで、今回のアップデートはこのLinkデバイスの使用リージョンを変更するものとなります。Linkデバイスで使用するAWSアカウントを変更するアカウントトランスファーと同様に、リージョントランスファーと称されています。

それでは実際にLinkデバイスの使用リージョンの変更、リージョントランスファーをAWSマネジメントコンソールから行ってみたいと思います。まずは使用リージョン変更前の状態です、us-west-2(オレゴン)リージョンに2台のLinkデバイスが紐付いていることが、MediaLiveのマネジメントコンソール、Devicesの項目から確認できます。このうちの1台のLinkデバイスをap-northeast-1(東京)リージョンに転送(トランスファー)していきます。

なお、Linkデバイスは電源を投入しLANケーブルを挿して、HDMIで映像を入力している状態です。MediaLiveのInputにはアタッチしていません。以下がトランスファー元となるus-west-2(オレゴン)リージョンのDevices画面、一覧表示の右側のデバイスですね。Linkデバイス電源投入時にSoftware updateも実行されました。(前回、このLinkデバイスを稼働させたのはたしか2020/11末だったかと思いますので、それ以降のupdateが適用されている状態と推測します。)

この段階でトランスファー先となるap-northeast-1(東京)リージョンも確認しておきましょう。以下のようにDevicesの画面には何も表示されていない状態となります。

トランスファー元となるus-west-2(オレゴン)リージョンのマネジメントコンソールにて、トランスファー対象となるLinkデバイスの詳細画面に進み、右上の[Transfer device]ボタンを押下します。

"Transfer input device"のダイアログが現れます。初期状態では"Transfer to another AWS account"とアカウントトランスファーの設定になっていますので、"Transfer another AWS Region"のリージョントランスファーの方をチェックします。

"Target Region"の項目でトランスファー先となるリージョンを選択します。ここではap-northeast-1(東京)リージョンを選びました。

[Transfer]ボタンを押下すると、ボタンの文字列が[Transferring]に変わりました。(わかりにくいですが文字列の左側で円形のプログレスバー?がグルグルしていました。)

そしてすぐ(数秒程度)に以下の画面に切り替わります。

この段階で、us-west-2(オレゴン)リージョンのDevices一覧から該当デバイスは表示されなくなりました。

トランスファー先となるap-northeast-1(東京)リージョンでも確認します。すぐにはDevices一覧に表示されないのですが、1、2分ほどするとDevices一覧に該当デバイスが表示されました。トランスファー完了です!

なお、リージョントランスファー実施手順の中でアカウントトランスファーと異なり、Incoming/Outgoing Transferでの表示やAccept処理は必要ありませんでした。

デバイス詳細画面も確認しておきます。Serial numberやIdについてはリージョントランスファー前と変わりありませんが、ARNのリージョン部分が変わっていますね!そしてMetadataのName項目については、トランスファー元のリージョンで設定していたものがクリアされ、初期値となる"Elemental Link"が設定されているようでした。(ARNが変わったからでしょうか?)ビットレートなどその他の項目については初期化されるのかどうか確認できていませんが、念のため留意しておくと良いかと思います。

リージョントランスファーのAPIなどでの実行方法は?

続いて、リージョントランスファーについてAWS CLIなどAPIでの実行方法についても確認しておきたい、のですが、2021/01/26現時点ではAWS CLIやAPIなどでのリージョントランスファーの機能の詳細や実行方法は確認できませんでした。(後述しますが、AWS CLIであればaws medialive transfer-input-deviceコマンドでの実行になるのかな、と予想しますが……)

ただ、実行されているAPIについて確認すべく、該当箇所のCloudTrailログを確認してみたところ、以下のようにTransferInputDevice"targetRegion": "ap-northeast-1"のパラメータ付きで実行されているのわかりました。

{
    "eventVersion": "1.08",
    "userIdentity": {
        "<省略>"
    },
    "eventTime": "2021-01-22T00:50:53Z",
    "eventSource": "medialive.amazonaws.com",
    "eventName": "TransferInputDevice",
    "awsRegion": "us-west-2",
    "sourceIPAddress": "XXX.XXX.XXX.XXX",
    "userAgent": "aws-internal/3 aws-sdk-java/1.11.930 Linux/4.9.230-0.1.ac.223.84.332.metal1.x86_64 OpenJDK_64-Bit_Server_VM/25.275-b01 java/1.8.0_275 vendor/Oracle_Corporation",
    "requestParameters": {
        "inputDeviceId": "hd-XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXc0z8",
        "targetRegion": "ap-northeast-1"
    },
    "responseElements": null,
    "requestID": "XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX",
    "eventID": "XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX",
    "readOnly": false,
    "eventType": "AwsApiCall",
    "managementEvent": true,
    "eventCategory": "Management",
    "recipientAccountId": "123456789012"
}

まとめ

AWS Elemental Linkでデバイスの使用リージョンを変更するリージョントランスファー機能についてまとめてみました。これまでは購入時に指定したリージョンでしかLinkデバイスを使うことができなかったため、例えば東京リージョン未対応時にLinkデバイスを購入して以来、当時対応していたオレゴンリージョンで使い続けている、などということがあったかと思います。 *3 このリージョントランスファー機能を使うことで、購入したタイミング以降で新たにサポートされたリージョンでも、購入済みLinkデバイスを使用可能になりましたね。またMediaLiveが利用できる任意のリージョンにLinkデバイスのトランスファーが可能ですので、条件(Linkデバイスを配置する物理的なロケーションなど)によって使用するリージョンを変更するなど、柔軟に対応することができます。特定の配信についてはリージョン規模の災害対応に備えておきたいので、複数台のLinkデバイスのうち一部は一時的に使用リージョンを変更する、といったこともできますね。(ただしこの場合、リージョン障害が起こってからトランスファーが実施できるかはわかりません。トランスファー元でAPIが受け付けられないような規模の障害であれば、実施できないも十分可能性もあるか考えますので、事前にLinkデバイスのリージョントランスファーを実施しておく必要があるのかなと思います。)

なおこちらのUPDATE内容、What's New with AWSAWS API Changesなども確認してみたのですが、現時点で該当するポストなどはありませんでした。Linkデバイスのアカウントトランスファーを確認したのが2020/11/26、この段階ではマネジメントコンソール上でリージョントランスファー機能を確認できていなかったため、昨年末〜2021年年始のどこかでアップデートされたのかな、と思います。

また現状、AWS CLIなどAPIまわりについては情報が更新されていないようですが、アップデートがあれば確認してみたいと思います。

脚注

  1. なお、日本国内で購入することも可能になったようです。AWS Elemental Link | 東通産業株式会社 コーポレートサイト
  2. Linkデバイスを注文したのが2020/05、東京リージョンで利用可能になったのが2020/08でした。AWS Elemental Linkが東京リージョンで使えるようになりました! | Developers.IO
  3. こちらのエントリで注文したLinkデバイスがまさにこの状態でした。AWS Elemental Linkのデバイスを注文してみた | Developers.IO