【2018年】AWS全サービスまとめ その5(マネジメントコンソールの一覧にないサービスたち)
こんにちは。サービスグループの武田です。
この記事はAWS全サービスまとめ その5 です。
- 【2018年】AWS全サービスまとめ その1
- コンピューティング
- ストレージ
- データベース
- 移行
- ネットワーキング & コンテンツ配信
- 【2018年】AWS全サービスまとめ その2
- 開発者用ツール
- 管理ツール
- メディアサービス
- 【2018年】AWS全サービスまとめ その3
- 機械学習
- 分析
- セキュリティ、アイデンティティ、コンプライアンス
- 【2018年】AWS全サービスまとめ その4
- モバイルサービス
- 拡張現実 (AR) とバーチャルリアリティ (VR)
- アプリケーション統合
- カスタマーエンゲージメント
- ビジネスの生産性
- デスクトップとアプリケーションのストリーミング
- IoT
- ゲーム開発
- 【2018年】AWS全サービスまとめ その5
- マネジメントコンソールの一覧にないサービスたち
非常にたくさんあるAWSのサービスを自分の勉強も兼ねてざっくりまとめてみました。「結局このサービスってなんなの?」という疑問を自分なりに理解するのが目的です。
今回はマネジメントコンソールを開き、「すべてのサービス」をもとに一覧化しましたが、関連サービスとメニューが統合されているサービスも少なくありません。そのため、 Auto Scaling や Elastic Load Balancing など非常にメジャーなサービスが一覧にありませんでした。その5ではドキュメント一覧をベースとして、1〜4になかったサービスのうち、おさえておきたいものをピックアップしてまとめました(プレビュー版のものは含めていません)。
まとめるにあたって、次のドキュメントや、弊社の多数のブログを参考にしました。
コンピューティング
Amazon Elastic Container Registry
フルマネージドなDockerコンテナレジストリサービス。Dockerコンテナイメージの保存、管理、デプロイができる。マネジメントコンソールはECSに統合されている。
Auto Scaling
自動的にEC2インスタンスを起動または停止するように設定できるサービス。ユーザー定義のポリシー、スケジュール、ヘルスチェックを条件として設定できる。マネジメントコンソールはEC2に統合されている。また、Application Auto Scalingという、サポートされているAWSサービスを自動的にスケールできるサービスもある。先日 AWS Auto Scaling がリリースされ、今後は統合されていくと思われます。
VMware Cloud on AWS
VMware SDDC(Software Defined Data Center)スタックを、AWSのベアメタルインフラストラクチャ上で実行できるオンデマンドのサービス。オンプレミスおよびAWSクラウドで、vSphere、vSAN、NSX、vCenterなどの同じVMwareツールを使用できる。
ストレージ
Amazon EBS
正式名称は Amazon Elastic Block Store で、AWSクラウド内でEC2インスタンスと組み合わせて使用できる、永続的なブロックストレージボリューム。AZ内で自動的にレプリケート、プロビジョンドIOPSによる高スループット、スナップショット、暗号化、動的な容量の拡張といった機能を備えている。マネジメントコンソールはEC2に統合されている。
データベース
Amazon SimpleDB
表舞台から姿を消したNoSQLデータベースサービス。有識者によると、EMRの裏側で現在も利用されており、Eclipseのプラグイン経由で簡単にテーブルの中身を参照できたりするようです。
移行
AWS Import/Export
Snowballの前身にあたるオフラインデータ転送サービス。データを格納したストレージデバイスを送付することで、大容量のデータをS3にインポート/エクスポート、あるいはEBSにインポートできる。一般的にS3にデータをインポートする場合は、Snowballを使用するほうがより高速で安価のため推奨されている。GUIは用意されておらず、代わりにツールが提供されている。
AWS Schema Conversion Tool
データベースエンジン間で既存のデータベーススキーマを変換できるサービス。変換先のデータベースはRDSだけでなく、Redshiftもサポートされている。GUIは用意されておらず、代わりにツールが提供されている。
AWS Snowball Edge
Snowballの上位プランにあたるサービス。容量の増加、接続エンドポイントの追加、より高速なデータ転送、クラスタリングによる水平スケーリングなど機能が拡張されている。
AWS Snowmobile
Snowballファミリーの最上位プラン。セミトレーラートラックが牽引する長さ14mの丈夫な輸送コンテナで、1台あたり100PBまで転送できる。
ネットワークとコンテンツ配信
Elastic Load Balancing
EC2やECSの複数のターゲット間で、アプリケーションのトラフィックを分散するロードバランササービス。登録されているターゲットの状態をモニタリングし、正常なターゲットのみにトラフィックをルーティングする。L7の Application Load Balancer 、L4の Network Load Balancer 、旧型の Classic Load Balancer が提供されている。マネジメントコンソールはEC2に統合されている。
管理ツール
AWS HealthとPersonal Health Dashboard
Health(API)はAWSリソース、サービス、アカウントの状態をリアルタイムで可視化するサービス。Personal Health Dashboard(PHD)はCloudWatch Logsと統合された、Health APIを基盤としたダッシュボードサービス。すべてのリージョンおよびAZにおける、すべてのサービスに関するステータスと通知が提供される。マネジメントコンソールでは、右上のベルのアイコンから移動できる。
機械学習
TensorFlow on AWS
MXNet、TensorFlow、Caffe2、PyTorch、Theano、CNTK、KerasなどがプリインストールされたDeep Learning AMIが提供されている。 これを利用することで、短時間で簡単にクラウド内での深層学習の使用を開始できる。
セキュリティ、アイデンティティ、コンプライアンス
AWS KMS
正式名称は AWS Key Management Service で、フルマネージドな暗号化キーの作成・管理サービス。EBS、S3、Redshift、Transcoder、WorkMail、RDSなどのAWSサービスと統合されており、ユーザーが管理する暗号化キーでのデータの暗号化を簡単にする。マネジメントコンソールはIAMに統合されている。
AWS Organizations
複数のAWSアカウントを、IAMユーザーのようにポリシーベースで管理できるサービス。一括請求(コンソリデーティッドビリング)という、メンバーアカウント(組織に追加したアカウント)で発生した費用を、マスターアカウント(組織を作成したアカウント)でまとめて支払いをする機能を含んでいる。マネジメントコンソールでは、右上の自分のアカウントをクリックし、 自分の組織 から移動できる。
ゲーム開発
Amazon Lumberyard
AWSおよびTwitchとの連携機能を備えた、クロスプラットフォームAAAゲームエンジン *1。Cloud Canvasを利用してクラウド接続機能を簡単に実装でき、またGameLiftとも統合されているためデプロイ・スケールも容易に実現できる。なお執筆時点でベータ版です。
AWS コスト管理
AWS Billing and Cost Management
AWSの請求書の支払い、使用量のモニタリングおよびコストの計上に使用するサービス。グラフでのコスト分析、予算の作成、コストに対するトリガ設定、使用状況レポートといった機能を備えている。マネジメントコンソールでは、右上の自分のアカウントをクリックし、 請求ダッシュボード から移動できる。
まとめ
マネジメントコンソールの一覧にはないサービスたちをその5としてまとめました。他のサービスと統合されているもの、ツールとして提供されておりメニューにはないもの、上部のメニューから遷移するものなどのパターンが見られました。
全5回に渡ってまとめた「AWS全サービスまとめ」もこれでおしまいとなります。100%の網羅性はないものの(日々増えていきますし)、AWSサービスを俯瞰することはできるはずです。随時アップデートはしませんが、来年も同じようなまとめはやりたいと思っています。
それでは、ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
脚注
- トリプルエー。ゲーム業界の用語で大規模な開発・開発費用のゲームという意味。 ↩