【レポート】Amazon Connectを活用した次世代カスタマーサービス #AWSSummit

クラウド上にバーチャルコンタクトセンターを簡単に構築できるAmazon Connectの概要と、AWSの他のAIサービスと連携した活用事例についての紹介です。
2020.09.13

オペレーション部 江口です。

AWS Summit Onlineから、Amazon Connectについてのセッションのレポートをお届けします。「Amazon Connect」とは何か、という概要から、AWSのAIサービスを利用してAmazon Connectをさらに活用する事例を紹介するセッションでした。

セッション概要

講演者: アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 プロダクティビティーアプリケーションズ事業本部 カスタマーソリューションマネージャー 坂田 陽一郎氏

今日、コンタクトセンターに寄せられるお客様の問い合わせはより多様化してきており、コンタクトセンターにはより高度できめ細かい応対が求められています。一方で、コンタクトセンターには多様なワークスタイルへ対応できる柔軟性も求められています。本セッションでは、Amazon Connect を使って、在宅/バーチャルコンタクトセンターを構築する方法や AI / ML 技術を活用してコンタクトセンター業務の効率を高める方法、さらにはそれぞれの顧客に対してよりよい体験を提供するための方法を解説します。

講演資料

AWS-19 Amazon Connectを活用した次世代カスタマーサービス "音声を活用する業務の効率化と生産性向上の実現"

レポート

Amazon Connect開発の背景

  • Amazonは多数の顧客・多数の言語でのカスタマーサービスを提供している
  • しかし音声系のサービスではAmazonのカスタマーサービスの要求を満たすシステムは市場になかった
  • そのため自社で開発したのがAmazon Connect

Amazon Connectとは

  • 100%クラウドベースのコンタクトセンターサービス
    • 3AZ構成
    • 電話キャリアとの接続も冗長構成となっている
  • 音声、テキストチャットに対応。電話番号・電話回線も提供する
  • セルフサービス(=ユーザー自身)で設定変更ができる
    • インスタンスをウィザードに沿って作成
    • 問い合わせフローをGUIで作成可能
    • Amzon Pollyによるテキスト読み上げにも対応(=音声をあらかじめ録音する必要がない)
    • レポートを提供
    • ブラウザで動作するソフトフォン(CCP/Contact Control Panel)も提供
  • 顧客の状況ごとにパーソナライズされたコンタクトフローを作成可能
  • オープンなプラットフォームで外部サービスとの連携が可能
  • AWSのエコシステムとの連携が容易
    • AI系のサービスなど

料金

  • 料金は、顧客が接続していた時間に比例する料金(電話利用の料金やサービス利用料金)と保持している数・時間に比例する料金の2種類がある
    • フリーダイアルの電話番号を取得した場合、1ヶ月でおおむね1500円程度の料金
    • チャットは1メッセージあたりの料金(1メッセージあたり$0.004)

Amazon Connectで実現する在宅・バーチャルコンタクトセンター

  • 従来、コンタクトセンターは物理的にエージェントが集まって業務を行う場所だった
    • 場所/時間に依存しない勤務形態が求められている
  • Amazon ConnectであればPC/ブラウザ、ヘッドセットであればいつでもどこからでも業務が可能
  • ソフトフォンの場合、音声品質はインターネット回線に依存する
    • エージェントの自宅の場合、回線が安定しない可能性がある
    • その場合、電話回線(スマホや固定電話)に音声を転送する「デスクフォン」モードが利用できる
    • 操作(保留など)はCCP(ソフトフォン) で行う
    • 音声だけ電話に転送

在宅・バーチャルコンタクトセンターの課題とAIサービスの活用

  • モニタリングがバーチャルコンタクトセンターの課題
    • 管理者はエージェントの様子を直接確認できない
    • 呼量や放棄率などの従来のメトリクス以外に、VoC(Voice of Customer、顧客の声)を可視化して分析する

AWSのAIサービスによるVoCの分析

  • Amazon Connectとよく連携して使われるサービス
    • Amazon Polly: 音声合成
    • Amazon Transcribe: 音声テキスト変換
    • Amazon Lex: チャットボット
    • Amazon Comprehend: テキストの洞察や関係性を検出
    • Amazon Translate: 機械翻訳
  • おおむね日本語対応しているが、一部例外あり
    • Lex: 日本語未対応
    • Trascribe: ストリーミングでは日本語未対応(音声ファイルの変換には対応)

AIサービスの活用事例:バーチャルコンタクトセンターのモニタリング

  • 活用するサービス:Transcribe, Comprehend

Contacl Lens for Amazon Connect

  • 今年リリースされたAmazon Connectの新機能(※現時点では英語・スペイン語のみ対応)
  • 問い合わせ検索機能をTranscribe, Comprehendにより強化する
  • 提供する機能:
  • 音声通話の自動文字起こし
  • 通話中の顧客の感情の変化の分析
  • 通話の自動分類 etc

Amazon Elasticsearch Serviceを活用したVoC分析(デモあり)

AWSのAIサービスを活用した顧客体験の向上とエージェント生産性向上

  • Amazon Pollyの活用例とAmazon Translateの活用例を紹介

顧客の状態に応じたコールフロー(Amazon Polly活用例)

  • 問い合わせフロー内で、Lambdaを利用し顧客のデータを参照
  • 顧客の情報をもとに、Amazon Pollyを利用して確認を実施しフローを分岐
  • 緊急度の高い問い合わせであれば問い合わせを緊急対応キューに入れる

同時通訳(Amazon Translate活用例)/デモあり

  • Amazon ConnectのChatをTranslateを使ってリアルタイムに翻訳し、同時翻訳チャットを実現する
  • Comprehendも利用し、顧客の感情も分析

まとめ

  • Amazon Connectを使うことで、場所や時間を問わない“バーチャルコンタクトセンター” を迅速に構築することが可能
  • AI/MLテクノロジーを活⽤することで、バーチャル化されたコンタクトセンターのモニタリングを効率的に⾏うことが可能
  • Amazon ConnectとAWSのサービスを活⽤することで、発⾒された問題に素早く対処し顧客体験を最適化することが可能

感想

やはりAIサービスとの連携が興味深かったです。VoCの解析はサービス向上に役立つと思いますし、同時通訳チャットはさまざまな国の顧客の対応をしなければいけない環境ではかなり役に立つことでしょう。