【レポート】MaaSにより実現される将来の生活や新しいデジタル基盤~交通事業者が実践する移動革命のケーススタディ~ #AWSSummit

【レポート】MaaSにより実現される将来の生活や新しいデジタル基盤~交通事業者が実践する移動革命のケーススタディ~ #AWSSummit

Clock Icon2020.09.30

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DA事業本部の春田です。

AWS Summit Online絶賛開催中!ということで、本記事では「CUS-72: MaaSにより実現される将来の生活や新しいデジタル基盤~交通事業者が実践する移動革命のケーススタディ~」の内容についてまとめていきます。

セッション情報

  • 小田急電鉄株式会社 経営戦略部次世代モビリティチーム 統括リーダー 西村 潤也 氏
  • 株式会社ヴァル研究所 CTO 見川 孝太 氏

近年、各産業界から注目を浴びているMaaS(Mobility as a Service)。交通分野にとどまらず、不動産業や小売業などあらゆくプレーヤーが連携やサービス展開を模索している。小田急では、2018年に複々線が完成して鉄道業の根幹が整った中、MaaSによる新たなビジネスモデルの構築を目指している。昨年10月からMaaSアプリ「EMot(エモット)」の実証実験を開始、オープンなデータ基盤「MaaS Japan」も展開している。本講演では、小田急のケーススタディ、パートナーのヴァル研究所によるデジタル基盤構築に関する技術的な知見、将来にむけた他産業との連携可能性を語る。

※セッション動画は以下リンク

アジェンダ

  1. MaaSとは?
  2. MaaSアプリ「EMot(エモット)」
  3. MaaSアプリを支えるデジタル基盤
  4. MaaSの将来

MaaSとは?

  • MaaS(Mobility as a Service)とは?
    • 移動を単なる手段としてではなく、利用者にとっての一元的なサービスとして捉える概念(国土交通省の定義)
      • 出発地から目的地までの移動ニーズに対して最適な移動手段をシームレスに一つのアプリで提供するなど
    • 人が中心に、スマホを通じて様々なサービスが繋がる

  • TIS社のMaaSのイメージ
    • 交通以外に、東京タワーなどの目的地や建物のほか、コーヒーやメッセージ、グラフなどあらゆるものが繋がっている
  • 小田急電鉄のイメージ
    • 手のひらのスマホで、チケットの購入や予約などを展開

  • 現代のデジタル接点 → スマホ
    • クーポンなどが紙から画面へ
    • スマホの登場により、さらにインタラクティブに

  • タクシーの配車アプリ
    • スマホを活用したモビリティーサービスの典型
    • 受給に応じたアルゴリズム

MaaSアプリ「EMot(エモット)」

  • 小田急の背景
    • 東京の副都心新宿から、神奈川の小田原線、江ノ島線、多摩線を展開する計120.5kmの路線
    • 1927年(昭和2年)に新宿-小田原間約80kmをわずか1年半で開通

  • 新しい小田急への変革
    • 2018年に50年来の悲願であった複々線を完成させ、「新しい小田急」へと変革
    • 運輸業だけでなく、百貨店やホテルも展開
    • 人工減少にともない、リアルな事業とデジタルな顧客接点の融合が肝要

  • MaaSアプリ「EMot(エモット)」
    • もっといい「いきかた」
    • EMot(エモット)は、日々の行動の利便性をより高め、新しい生活スタイルや観光の楽しみ方を見つけられるアプリ
    • 2つの生き方
      • 複合経路検索
        • いつもの道が「行き方」を変えるだけで新しくなる
      • 電子チケット
        • 移動することで心や経験が豊かになって「生き方」が変わる

  • 複合経路検索
    • ヴァル研究所の新しい経路検索機能Mixwayにより、タクシーやバイクシェアなども組み合わせた経路検索も可能になった
    • MovやJapanTaxi、タイムカーシェアら17の企業とAPI連携

  • 電子チケット
    • 観光地の交通チケットをスマホで購入できる
    • サブスク型の飲食チケット、イベントチケットなども販売

MaaSアプリを支えるデジタル基盤

  • ヴァル研究所とは?
    • 社名: 株式会社ヴァル研究所
    • 所在地: 東京都杉並区高円寺
    • 従業員数: 159名(2019年7月時点)
    • 創業: 1976年7月
      • 45年続いている会社
      • Appleと同い年
      • こち亀より長く続いている
    • おもな商材は「駅すぱあと」

ヴァル研究所が開発協力したMaaSプラットフォーム「MaaS Japan」

  • ポイント
    • 機能単位で疎結合
      • もともとはEC2で構成されていて、単一障害点が課題だった
      • 各機能の結合度を下げ、今後の拡張を用意に
    • サーバレス(一部)
      • 実装のみに集中
    • 極力PaaS利用
      • マネージドサービスを利用することで、運用コストを低減
  • EmotはMaaS Japanを使用したアプリ

  • MaaS Japan構成
    • 6つのシンプルな機能
      • BFF
      • 認証
      • アカウント管理
      • 通知
      • チケッティング
      • 決済
    • LambdaとDynamoDBが主体
    • コンピューティングリソースが必要なものはFargateとAuroraがベース
    • 各機能が相互に連携

  • プラットフォーム所感
    • 監視対象がすくないこともあり運用負荷は低下
      • Amazon EC2ベースの環境と比較して
    • シンプルな機能群として整理したため、フロント実装の複雑性も低下
    • フロントとプラットフォームのスコープが曖昧になりやすいという注意点もある
  • AWSである理由
    • ビジネスの速度優先であったため早く作成できる
      • 調達スピードが圧倒的に速い
    • 今後の変更に柔軟に対応できる
      • 開発側だけでなく、運用側も柔軟に対応できる
    • ビジネス拡大にあわせてスケールできるプラットフォーム
    • 我々がもっとも使い慣れたクラウド
      • 社内にノウハウが蓄積されていた

MaaSの将来

  • リアルビジネス
    • 利用者を奪い合う陣取り合戦から、ネットワーキングの時代へ
    • 先に挙げた日本企業だけでなく、MaaS発祥の地フィンランドのwhimや、シンガポールのZipsterとも連携
    • 海外のアプリでも日本の交通機関のチケットが変える

  • 次世代の私鉄ビジネスモデル
    • 交通サービスと生活・観光サービスとの好循環
    • 移動をデジタルな接点MaaSでつなげ、需要を創出する

  • 次世代の"モビリティ・ライフ"
    • 移動がしっかりと都市や人を支える
    • 移動によって人が都市の様々なサービスが享受できる社会

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