【レポート】 CUS-114:[Startup Talks] Voice x AI で、With コロナ時代に急拡大する音声解析 AI 電話「 MiiTel 」 #AWSSummit
2020年9月8日から30日まで開催されるAWS Summit Onlineのレポートです。
2020年9月8日から30日まで開催されるAWS Summit Onlineのレポートです。
本記事で取り上げるセッションは下記となります。
セッション情報
スピーカー
株式会社RevComm CTO 平村 健勝 氏
動画はこちら
セッションレポート
従来の電話営業の情報共有プロセス
- 取引先との通話は、営業担当しか分からないブラックボックス
- 案件の担当者にニュアンスまで含めて伝わらない
- 上司が指導しようにも、どう指導したら良いか分からない
- 製品開発の担当者にお客様の声が届かない
MiiTelを活用した新しい電話営業の情報共有プロセス
- クラウドPBXと音声解析と分析結果ダッシュボードを備える
- MiiTelは、Salesforceに組み込んで利用できる
- PCから電話発着信ができる
- 通話終了すると、どのようなコミュニケーションだったのかを記録できる
- 通話はダッシュボード画面で可視化できる
- 通話時間帯のヒートマップ
- 通話種別の分類
- ユーザ別の分析結果の参照
- など
- 個々の通話の可視化もできる
- 通話音声の再生
- 沈黙回数
- 被りの回数
- ラリーの回数
- 声の高さ、周波数、抑揚の強さ
- 話すスピード
- 事前登録したキーワードが何分何秒で登場したか
- など
- 通話内容の音声認識結果を表示(文字起こし)
- フィラー(えー、あのー、等)を除いて表示もできる
MiiTelを支えるコアテクノロジー
- Cloud PBX
- ダッシュボード(Webアプリケーション)
- 音声認識
システムアーキテクト全体像
音声通信(PBX)サーバー群
- 設計上の考慮事項
- 瞬間的なシステム停止が許されない、ミッションクリティカルシステム
- 通信や録音最適化のため、OSレベルでのチューニングが求められる
- 運用方針
- Amazon EC2を採用
- OSレベルのチューニングが可能
- Amazon EC2を採用
- Well-Architectedなポイント
- あえてマネージドサービスを使わず、枯れた技術を活用
- 信頼性向上のため、Datadog+Slackによる監視と通知を徹底
Webアプリケーション
- 設計上の考慮事項
- ビジネスの成長にあわせて、ユーザ増加に対応できるようにしたい
- お客様からの機能追加要望が最も多いため、高頻度アップデートを実現したい
- 運用方針
- オートスケーリングが容易なFargateを採用
- CodeDeployを用いてGitHubと連動した自動デプロイ
- Well-Architectedなポイント
- サイジング・デプロイの自動化による効率化
- マネージドサービスの活用により、セキュリティリスクを回避
音声認識クラスタ
- 設計上の考慮事項
- 最大数分間の処理遅延なら許容できる(最もSLAが低い)
- 営業電話の活発な時間にリクエストが急激に増加する
- 音声認識モデルが数百GBかつ音声データ特有の複数モデルを使ったパイプラインが存在
- 運用方針
- SQSとスポットインスタンスを活用し、待機キュー数に応じて伸縮可能なクラスタ管理を独自開発
- Well-Architectedなポイント
- コストを大幅に抑えながらも、高性能なサーバーを必要な文だけ調達
全文検索エンジン
- 設計上の考慮事項
- 1日あたり数万件の音声通話の音声認識結果を全文検索する
- 運用方針
- Amazon Elasticsearchを活用し、構築・運用を効率化できる構成を採用
- Well-Architectedなポイント
- マネージドサービスを活用し、最小の工数でサービスイン
- API開発やテスト、データ移行含め、わずか2名(兼任)で開発した
Well Architected Frameworkの導入によって得られた効果
- 運用性
- マイクロサービスアーキテクチャを導入し、適切にオーナーを定めて権限移譲することで、ミーティングは週1だった
- セキュリティ
- マネージドサービスを活用してリクス回避するとともに、毎日平均5-10件の高頻度リリースを実現
- パフォーマンス
- 各サービスに求められるSLAを考慮して、コストを掛けるべき箇所、掛ける必要のない箇所それぞれに対し、適切な設計を実現
- 信頼性
- 安定稼働を実現し、1年半強で10000ユーザが利用
- これまでに1400万件以上のコールがMiiTel経由で発着信
- コスト最適化
- 音声認識クラスタは、対オンデマンドインスタンス比で70%以上のコストを節約
感想
インサイドセールスの課題を解決するために、これでもかと技術を投入されていてすごいです。 瞬間的なシステム停止が許されないため、OSレベルでのチューニングをしている点は、「そこまでするのか」と同時に「そこまでしないと駄目なのか」と驚きを覚えました。