【レポート】事例で学ぶ2019年AWS移行3つのトレンド #AWSSummit #AWSSummitOsaka
大阪オフィスのちゃだいんです。
当エントリでは2019年06月27日に行われた『事例で学ぶ2019年AWS移行3つのトレンド』に関する内容をレポートしたいと思います。
AWS Summit Osaka 2019 | 2019 年 6 月 27 (木) グランフロント大阪で開催
セッション概要
当セッションの登壇者及び概要は以下の通りです。
取締役/価値づくり本部長
川村 暢氏
株式会社サーバーワークス
代表取締役社長
大石 良氏
政府が打ち出した「情報システムを導入する際、クラウドを原則として第一候補に考える」という「クラウド・バイ・デフォルト原則」に後押しされ、クラウド導入はさらに加速していくことが予測されます。本セッションでは、データベース、大規模システム、仮想デスクトップの移行事例を紹介しながら、2019年におけるAWS移行のトレンドについてご説明いたします。
レポート内容
イントロダクション
- 自己紹介
- ニックネーム:大石クラウドのすけ(元ネタ:大石内蔵助)
- 何も持って帰れないセッションだったら切腹します!(会場で笑いが起きる)
- AWS導入のきっかけ
- 全国の大学の合格発表サイトを担当(6割シェア)
- このサービスは性質上、2〜3月の一時期だけアクセスが急増し、あとはほぼアクセスなし
- ほんの一時期だけ大量のサーバーが必要 → AWSを導入に至る
- AWSとの遍歴
- 2007 年にはじめてAWS導入
- 2008 社内サーバー購入禁止令
- 2009 AWS専業インテグレーターに
- 日本赤十字社への貢献
- 2011年の東日本大震災の時、日本赤十字社のサイトがダウンした
- 世界のキャッシュサーバを通じて落ちないサイトを作った
- サイトダウン2日後に復旧し、義援金募集の再開を迅速に行うことができた
- メディアにも取り上げられ、成功事例として同社の名前が世に知られるようになった
サーバーワークスの概要
- APNプレミアコンサルティングパートナー
- 先日、東証マザーズにて上場しました
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なぜクラウドなのか?
- 私たちの環境で起きていること
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- 人口が減っている
- デジタルディスラプション
- Uberはタクシー業界を壊滅
- Airbnbがホテル業界を壊滅
- Netfilxでレンタルビデオ屋が壊滅
- ちなみに、去年ハリウッドに一番お金を落とした会社はNetfilx
- →ITが破壊するビジネス領域が拡大・若者の急減
- →社員が会社を選ぶ時代に変容するはず
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- 日本の企業に求められているアクション
- 競争力の源泉になるものにリソースを集中する
- 例:ロイヤルホストが24時間をやめた話
- 営業時間短縮は売上減少につながりそうだが、お店が綺麗になり、従業員が限られた時間に集中できるようになった結果、満足度が向上し、売上が増大した
- 人手に頼らないオペレーションを確立する
- 若く優秀な人材が興味を持ってくれる土壌を準備する
- 例:琉球銀行は頭取が主導して先進技術を取り入れることにより、それらに興味を持つ優秀な若い人が入ってきている
- 競争力の源泉になるものにリソースを集中する
- 私たちの環境で起きていること
どうやってクラウドに移行すればいいの?
- リフトアンドシフト(Lift-and-Shift)
- リフト
- 既存のオンプレミスの基盤をクラウドに上げる
- シフト
- その後クラウドに適した環境へと進化させる
- リフト
- エンタープライズにおけるAWS移行では
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- 運用手順の変更などを伝播させるためには時間がかかる
- AWSの更新が早いため、移行中にどんどんアップデートされるというジレンマがある
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- リフトアンドシフトがやりやすいAWSの隠れたメリット
- ネットワークが移行しやすい
- SDN機能が充実
- VPNや専用線も可能
- ネットワークが移行しやすい
- 仮想マシンが移行しやすい
- サポートのOS範囲が広い
- 周辺ツールも充実
- アプリケーションも移行しやすい
- No.1ベンダーの強み
- 事例を紹介
- Jフロントリテイリンググループ
- 基幹系・ECスマホ・業務系これらを全てAWSに移行を計画
- Chrome Book+Amazon Workspaces を全面採用
- (Office Suiteを全面キャンセル)
- 端末4000台のメンテナンスの手間を削減
- Amazon Workspacesも併用しレガシーなWin環境も活用
- クラウド戦略
- リフトアンドシフトし最終的には完全クラウド化を実現
- 中途半端なハイブリット構成はコスト増を招くのでクラウドネイティブを実現したい
- Jフロントリテイリンググループ
NTTスマイルエナジー(事例紹介として本セッションに登壇)
- リフト:Cloud EndureとSMSを活用
- シフト:サーバレス活用
- 概要
- NTT西日本とオムロンの合弁会社
- エネルギーIoTサービスを提供
- 太陽光パネルの安定稼働に向けた監視
- 導入鈍化の原因でイニシャルコストが大きかったので、クラウド化によりイニシャルコストをほぼ無償化し普及を加速させた
- エネルギーIoTや分散エネルギリソースを活用して、PVの主力電源化を推進する
- Q&A
- AWSを使おうと思ったきっかけは?
- 再生可能エネルギー導入顧客のスピードが大きくなり、トラフィック的にオンプレに限界を感じたため
- AWSを使ってみた感想は?
- 当初はまだクラウドに対する理解があまりなかったものの、セキュリティ面や構築スピード面でメリットが多かった
- 社内エンジニアがAWSを使うことに対してモチベーションが上がった
- リフトアンドシフトをやってみてどうでしたか?
- やってとても良かった
- MS ServerからAmazon Auroraへの移行は、数年単位と覚悟してたが、5ヶ月で移行できて驚いた
- 御社にとってサーバワークスはどんな印象?
- MS SQLからAmazon Auroraに変えることに対して、消極的な会社が多い中サーバーワークスは積極的だった
- コンサルティングが丁寧だった
- 御社の今後の展望は?
- 再生可能エネルギーをどんどん広げていこうとしている。今や電力会社一人勝ちではなく分散しはじめている
- その中で個々の家庭の直消費を自家発電を担う、そんな未来を実現していきたい
- AWSを使おうと思ったきっかけは?
サーバーワークスのチャレンジ
- Slack
- 2014年から活用開始
- メリット
- 心理的な距離が近い
- 例えば天気の情報共有などはメールでは普通やらないが、Slackなら簡単にできる
- 独自スタンプ数:3900+
- チャットによる自動化
- t2.nanoっていくら?をボットで応答
- プロジェクト採算管理
- 今からプロジェクトを始めます。終わりました。をSlackで投げるとBIツールで採算管理してくれる
- トイレ個室の空室管理もやっている
- トイレが空いたら通知がくる
- IoTはインターネットオブトイレットのことですよ(会場で笑いが起きる)
- 心理的な距離が近い
- 働きやすい会社を目指してます
- 会社が社員を選別をする時代から、社員が会社を選別する時代に
- そのためにイケてるAWSを活用して有能な若者を呼び寄せる必要がある
- 処方箋
- 選ばれる会社になる
- 生産量をあげる
- 生産性をあげる
まとめ
- 人が減る時代にAWS利用は必然
- AWS移行はリフトシフトが現実解
- AWSにはパートナー選びが重要
感想
日本赤十字社ウェブサイトの迅速な復旧は、まさにクラウドの真価を発揮させた素晴らしい実績だと感じました。
とても情熱的な論調の中、時にジョークを挟むことで会場から笑いも起きる場面もあり、大石さんのプレゼンテーション力にも圧巻でした。
本ブログが誰かのお役に立てれば幸いです。ではまた。