[レポート] 【初級】AWS で始める IoT 入門 #AWSSummit
AWS Summit Tokyo 2019 Day2 で開催された「【初級】AWS で始める IoT 入門」についてレポートします。
セッション情報
スピーカー:市川 純氏 (アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社)
セッション名:【初級】AWS におけるシステム運用管理の自動化
re:Invent 2018では新たに4つのサービスが発表され、AWS IoTに関わるサービスは毎年増え続けています。それぞれのサービスがどのような目的で使えるのかなど、これからIoTを始めたいお客様にはサービスの理解、すでにご利用されているお客様には、新たにたされたサービスがどのようなものなのかを理解頂けるような内容となっております。
自己紹介
プロトタイピングソリューションアーキテクト
お客様と一緒にプロトタイプを作成するなどをやっている
セッションの目的
- AWSのIoTサービスの種類や特徴、どの様なところに使うかを知っていただく
アジェンダ
- IoTの状況
- AWS IoTのサービス概要
- ユースケースに見るAWS IoTサービスの使われ方とサービス紹介
- まとめ
IoTの状況
- IoTによってもたらされるビジネス成果
- 収益の向上。IoTデータがビジネス成長を促進
- 新しいサービスやビジネスモデル
- 顧客との良好な関係の構築
- 時間経過とともに改善される製品
- 運用効率の向上。IoTデータが運用コストを低減
- 効率の向上
- インテリジェントな意思決定
- データドリブン
- 収益の向上。IoTデータがビジネス成長を促進
- IoTシステムの要件は複雑かつ広範囲に及ぶ
- プロビジョニング管理
- 接続性とインフラ
- 分析と洞察
- アプリケーションとサービス
- イノベーションを生むカルチャー
- ビジネスのやり方が変わってくる
IoTのサービス概要
- AWS IoTをご利用中の
- AWS IoTで実現できていること
- 予知安全
- 電流値をみることで事前に故障を察知できる
- ウェルネスと健康ソリューション
- 生産性とプロセスの最適化
- 建物管理、都市管理
- デバイス管理
- エネルギー効率の監視
- 自宅などでの発電において、データを可視化することで監視することができる
- 決済、保険、eコマース
- 製造設備の安全管理
- 予知安全
- AWS IoTのサービス リリース当初 (2015年 リリース当初)
- IoT Core と SDK だけだった
- AWS IoTのサービスレイヤー
- エッジデバイスをどのように接続、操作するのか?
- IoT Greengrass、Amazon FreeRTOS、IoT Device SDK
- デバイスを制御、管理、保護する方法は?
- IoT Things Graph、IoT Device Management、IoT Device Defender、IoT Core
- どのようにしてIoTデータから価値を抽出するのか?
- IoT Site Wise、IoT Events、IoT Analytics
- エッジデバイスをどのように接続、操作するのか?
ユースケースに見るAWS IoTサービスの使われ方とサービス紹介
コネクテッドホームのユースケース
- コネクテッドホームのマーケット
- 2017年に世界で出荷されたスマートホームデバイス 433億台。前年比の増加率 27.6%
- 市場の成長率は18.5%
- AWS IoT Core
- 認証サービス
- X.509証明書など用途に合わせた認証方法を提供
- デバイスで毎回パスワード認証はできない
- IoTポリシーによる柔軟できめ細かいアクセス制御
- ファームのアップデートでセキュリティを変更できる
- X.509証明書など用途に合わせた認証方法を提供
- デバイスゲートウェイ
- プロトコルはMQTT、WebSocket、HTTPをサポート
- TLS 1.2を使用した安全な通信
- 大量のデバイスとの接続
- ルールエンジン
- 受け取ったデータのルーティング
- データが温度の場合、35度移行の場合以上としてアラート
- データのフィルタ、変換、外部ソースからコンテキストの追加
- 受け取ったデータのルーティング
- 認証サービス
- AWS IoT Greengrass
- デバイスに入れるもの。ラズパイぐらいのデバイスを想定
- ローカルメッセージとトリガー、ローカルアクション
- MQTTのPub/Subがローカルでも利用可能
- デバイス同士が通信
- Lambdaファンクションがローカルで実行できる
- データをトリガーにLambdaを実行できる
- 実行時間が制限されない。常に起動しっぱなしができる
- OTAアップデートができる
- Greengrass自体のアップデートができる
- Lambdaのアップデートができる
- PCでファームをダウンロードしてなどがない
- 多数のデバイスを一括でアップデート
- Amazon FreeRTOS - 拡張ライブラリ
- ラズパイよりもっと小さい電球などのデバイスに入れる
- 拡張ライブラリ
- WiFi、BLEライブラリ
- AWS IoT Greengrass接続ライブラリ
- AWS IoT Core接続ライブラリ
- TLS対応ライブラリ
- OTAアップデート
- ファームウェア、アプリケーションのアップデート
- コード署名による検証
- AWS IoT Device SDK
- Android、iOS、各種言語のSDKを提供している
- AWS IoT Things Graph
- コードが不要で、IoTアプリケーションを迅速に作成できる
- 視覚的なインターフェイス
- 低レベルの詳細を抽象化したモデル(センサー、カメラ)を作成
- ドラッグアンドドロップで各種コンポーネントを結びつける
- AWS IoT Greengrassにデプロイしてエッジで実行
- AWS IoT Device Management
- 増加するデバイスの導入、整理、監視、リモート管理を支援する
- Jobの実行とOTA
- 各デバイスのアップデート状況を受信し、アップデートの進行状況をモニタリング
- デプロイの速度を制御することで、アップデートの範囲を制御
- 最初は10%だけ配布して、エラーがないか確認しながらできる
- 特定の条件に合うデバイスを抽出してJobを実行
- AWS IoT Defender
- フルマネージドのIoTセキュリティサービス、接続されたデバイス群を継続的に保護
- 監査、検出
- IoTリソースを一連の組み込みIoTセキュリティベストプラクティスに対して監査
- アップデートするときに間違えてポリシーをゆるくしてしまった、監査できる
- 振る舞いを事前に定義しておくことで、異常を発見
- 異常を通知(SNS、CloudWatch)
- 通信が多すぎるときにアラートを送信など
- IoTリソースを一連の組み込みIoTセキュリティベストプラクティスに対して監査
- AWS IoT Analytics
- IoTデバイスデータを大規模に収集、前処理、拡充、保存、分析、および可視化するマネージドサービス
- 収集、処理、保存
- AWS IoT Core、S3、Kinesis、またはその他のソースからデータを取り込むことが可能
- メッセージの変換、外部データソースを使用してデータを拡充
- 時系列データストアに保存
- MLモデルを利用した異常検知
- コネクテッドホームでAWS IOTを使うメリット
- 大量のデバイスを管理し、セキュアな接続を提供できる
- 継続的なアップデートを行う仕組みが用意されている
- マイクロコントローラ、ゲートウェイ向けのサービスがある
- 収集したデータを分析したり、監査するサービスがある
生産現場でのユースケース
- インダストリアルIoTが産業市場の成長を牽引
- 2020年の市場予想:2670億ドル
- 2021年の市場予想:6620億ドル
- 生産現場でのユースケース
- ポンプの故障を予測する異常検知
- 振動センサーでAmazon FreeRTOSを実行し、データをGreengrassデバイスに接続
- GreengrassデバイスではMLモデルを使い振動が危険なレベルに達するタイミングを特定
- 異常が検知されるとアラートを送信
- IoT Analyticsは振動データを分析し、新しい予測モデルを作成
- ポンプの故障を予測する異常検知
- ML Inference
- エッジ側で推論が行える
- 画像をアップしているとレイテンシが発生する
- コスト削減、常時クラウドに接続していなくてもよい
- SageMakerで作成したモデルや、S3に保存されている持ち込みのモデルが利用可能
- AWS IoT Events
- 機器及び一連のデバイスからのデータを継続的に監視し、イベントが発生したときに適切な対応をトリガーできる
- 複数の条件を組み合わせてアクションを起こせる
- イベントディテクタモデル
- ユーザが定義したロジックに基づき、イベントに反応してアラート
- 単純な if-then-else文を使って各イベントのロジックを定義し、イベント発生時にトリガーされるアラートまたはカスタムアクションを選択するだけ
- 生産現場でAWS IoTを使うメリット
- エッジ側でMLの推論を使うことで、レイテンシー、セキュリティ、コストと言った問題を解決することができる
- 顔写真とかセンシティブな情報をクラウドにアップロードしなくていい
- 複雑な条件で大規模な監視を簡単に行うことができる
- コネクテッドホームに書いたメリットも同様に受けられる
- エッジ側でMLの推論を使うことで、レイテンシー、セキュリティ、コストと言った問題を解決することができる
- AWS IoT Device Tester
- 作成しているデバイス上でテストを行う
- テスト結果をAWSに登録
- デバイスカタログに登録できる。登録するとデバイスを持っていない人が買うときに探せる
まとめ
- AWSでは、エッジサービス、クラウドとデバイスの接続、データの管理、分析といったマネージドサービスを多数用意している
- 実現したいビジネスのフェーズに合わせて、必要なIoTのサービスを使いましょう(まずは、小さく始めるところから)
感想
IoT関連はまったくノータッチだったのですが、市場規模の成長が拡大していることがり、AWSがかなり力を入れていることがわかりました。機会があれば色々と触ってみたいと思いました。