【レンタル機器データ可視化】データ可視化をやってみた~編集後記~

【レンタル機器データ可視化】データ可視化をやってみた~編集後記~

Clock Icon2024.11.29

こんにちは、データアナリティクス事業本部の武田です。

今日は、第2弾ブログリレー企画「レンタル機器のデータ可視化」の編集後記です。

今回は、モバイルWifiのレンタル機器の可視化をテーマとし、JSONデータや基幹システムのデータをAmazon Athena(以下Athena)に集め、様々なBIツールからAthenaのデータを可視化しました。

今回の記事では、もっとも討議に時間をかけた部分を振り返ります。

システムをまたいだデータをまとめると、どんなうれしいことが実現できるかを、具体的に見せたい

私たちが一番時間を割いて討議していたのは、「システム間でバラバラになったデータを集めたらできるようになることを、具体的に分かりやすく表現したい」ということです。

今回の場合は、モバイルwifiの機器の状態(何時間稼働したか)がJSON形式で保存され、基幹システムに店舗情報・機器情報が保存されているという設定です。モバイルwifiの機器の状態と、店舗や機器の情報は別々の場所に保存してあるため、機器の状態と店舗や機器情報をAthenaで統合しました。

ブログリレーシステム構成図

お伝えしたいのは、「Athenaでまとめるとよい」ではないです。「データを統合することで、うれしいこと・やりたいことが実現できた」という点です。

データは蓄積してきたが、データ活用できてないという場合の処方箋

先に考えるべきは「ビジネス上の」やりたいこと・実現したいこと

データありきではなく、ビジネス上のやりたいこと・実現したいことを先に考えると、わかりやすくなると考えています。

今あるデータから考えるのではなく、目標を達成するには?困っていることを解決するには?という問いを先に考え、そこに必要なデータは何かという風に考えると、動きやすくなります。

今回の場合は、現場からの『機器を貸出した後、お客様から「故障したので交換して欲しい」というお問い合わせが増えている』という困っていることにフォーカスし、どんな対応ができればいいかをさかのぼって考えました。

今あるデータから何ができるかを考えるのは、実は大変難しい

データをスタート地点にして何ができるかを考えるというのは、大変難しいです。
ある程度経験があると、データを見れば「このカラムがあるなら、こういう切り口で、ここまでは深掘りできそうだ」というのは、パパっと頭の中で展開できます。そこまでは大して難しい話ではありません。

しかし、その思い浮かべたグラフが本当に役に立つのか、価値を産めるものになるかは全く別の話です。
それが難しいところです。

「今あるデータから何ができるかを考えてほしい」とおっしゃる方が本当に求めているのは、「ビジネス上に役に立つアイデア・価値を産むアイデア」もしくは、「画面を見ていると課題が見えて、アイデアが沸いてきて、体が動いてしまうようなダッシュボード」なのではないかなと思います。

だから、データから考えるのはなく、「ビジネス上の」やりたいこと・実現したいこと・動きたいことを先に考えたほうが良いと考えています。

やりたいことが決まると、統合方法も見せ方も決まる

やりたいことが決まれば、それに合わせて統合方法を考えます。セキュリティーやシステム間の連携等は、そのやりたいことにフィットするものを選びます。見せ方も同じです。ゴールから逆算すると、優先順位もつけやすくなります。

今回の場合では、「お客様からの故障の問い合わせが増えて困っている」という点を具体的にイメージして、どんな対応をしているのか、その対応で必要な情報を整理しつつ、そもそも困らないようにするにはどうしたらいいかという点を討議しました。

(例)
代替機を渡すために、類似する機種をリストアップして、その在庫を調べたい
在庫が手元にない場合は、一番近い他店を調べたい
他店は直線距離ではなく、アクセスしやすくないと意味がない
そもそも故障する台数を減らしたい
要注意機種はレンタル前に気が付きたい
かといって、全品チェックは手間がかかりすぎる

まとめ

というわけで、一言でまとめると、ゴールからの逆算がおススメです!ゴールそのものを考えるのも、また難しい話ではあるのですが、そんな時は困っていること・こうなったらいいのになと思うことを、洗い出してみると良いかもしれません。

今回のダッシュボードについて、さらに発展するとしたら(欲を言うならば)、このダッシュボードの効果検証するという視点も追加できます。それを実現するには「故障のための対応時間がどれくらい減ったのか」をデータとして捉えられるようになる必要があります。これをするには、対応時間をデータとして残しておくことが必須ですが、現場での時間計測をどうやってやるかというハードルがあります。時間計測のための手間をかける価値が本当にあるのか、という視点で討議していくことになります。

このように、「やりたいこと」を先に考えて、どんなデータを用意したらよいのか、もし手間がかかるとしたら目的に対してやる価値が本当にあるのか、ゴールから逆算して考えていくと、よりよいダッシュボードを作ることができると思います。

ダッシュボード構築の思考ステップは下記で解説しています。

https://dev.classmethod.jp/articles/bi-blog-relay-questionnaire-thinking-step/

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