キャリアパスの整備 – キャリアラティス
こんにちわ。従業員体験( EX )の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
社員にとって、所属組織でどのようなキャリアを積めるかは一つの重要な関心事です。
今回は、キャリアに関わる要素の一つとして「キャリアラティス」についてまとめます。
キャリアラティスとは?
キャリアラティス( career lattices )とは、キャリアを下から上への単一方向だけではなく、上下左右に職種・専門分野・所属など多様な選択を可能にするようなキャリアパスの整備方法です。
latticesは格子の意味で、格子状に、縦横にキャリアを歩むイメージです。
キャリアラティスの方向
上
上方向は現在の所属、担当を踏まえた責務の拡大をするケースです。
- 例 - ジュニアウェブエンジニア → ミドルウェブエンジニア → シニアウェブエンジニア
ニュートラル
ニュートラルは今のポジションの範囲で責務は広げず成長をするケースです。
- 例 - ミドルウェブエンジニアのまま仕事の質を上げる
左右
左右方向は同じ水準で別の部門や別の職種の仕事をするケースです。
- 例 - ミドルウェブエンジニアから別部門のミドルモバイルエンジニア
下
下方向は異なるキャリア経験を得るためにポジションを下げて別領域に挑戦するケースです。
- 例 - シニアウェブエンジニアから別部門のミドルモバイルエンジニア
キャリアラティスの利点
キャリアラティスには、本人・組織のそれぞれに対して以下のような利点があります。
本人
- 多様な経験を積むことができる
- 組織全体への異動や多様な職種の経験によって組織全体や仕事全体の包括的な理解を獲得できる
- 長期的なキャリアプランを踏まえて、会社都合だけではない、本人の希望を踏まえた自由度の高い選択をしやすい
組織
- 別領域、別部門にいる知見の移転が領域、部門をまたいで伝わる
- 組織内の関係性が広がり、他部門・他職種間の交流のハブが増える
- 社員がキャリア構築をしやすくなる結果として、定着率が高まる
キャリアラティスに向けて必要なこと
オンボーディング
上下左右を様々な単位で人が異動するため、各部や各職種の立ち上げに必要なオンボーディング拡充が重要になります。
下方挑戦への配慮
下方向へのキャリアチェンジには
- A 会社から見て一時的に成果が縮小される
- B 本人から見て待遇が悪くなる懸念がある
という問題点があります。
Aについては、長期的な伸びを期待して一時的な低下を許容できる判断が必要になります。
Bについては、新たな役割で既存と同一レベルのパフォーマンスを出せるようになるまでの一定期間について、現状の待遇維持を許容できる判断が必要になります。そうでなければ、大抵の場合に待遇を下げてまで新たな挑戦をしたいとは思えないためです。
あまりにアンダーパフォームが続くのであればシビアな評価が必要になるので、その判断をどのくらいの期間にするかという検討材料もあります。
まとめ
キャリアラティスについてまとめました。
クラスメソッドでは
- 社員自身の希望と組織の期待が揃うケースでの異動
- マネージャーから気兼ねなく離任することができる
- 異職種異動
- 例
- エンジニア→人事
- 営業→エンジニア
- 例
- 社内短期留学
などの要素があり、一定キャリアラティスが実現されていると言えそうです。