新しい AWS Sustainability コンソールが登場したので、従来の Customer Carbon Footprint Tool (CCFT) との違いや位置づけを整理してみた
いわさです。
先日 AWS Sustainability コンソールという、AWS 利用に伴うカーボン排出量を可視化する新しいサービスがリリースされました。
基本的な使い方については弊社の以下の記事で紹介されています。
ただ、AWS にはこれまでも Customer Carbon Footprint Tool (CCFT) というカーボン排出量の可視化ツールが Billing コンソール内に存在していました。
新しい Sustainability コンソールと何が違うのか、これまでの CCFT とどう使い分けるのか、気になったので整理してみました。
そもそも CCFT とは
CCFT は 2022年3月にリリースされた、AWS 利用に伴うカーボン排出量を可視化するツールです。AWS Billing コンソール内に組み込まれる形で提供されていました。
リリース以降、段階的に機能が拡充されてきた経緯があります。
- 2022年3月:CCFT リリース。MBM(市場ベース)による Scope 2 排出量の可視化が可能に
- 2025年6月:LBM(ロケーションベース)の排出量表示を追加。CloudFront のサービス別表示にも対応
- 2025年10月:Scope 3 排出量データと Scope 1(天然ガス・冷媒)を追加。GHG Protocol の全スコープをカバー
このように CCFT 自体も最近まで結構アップデートがされていたのですが、Billing コンソール内に組み込まれていたため、排出量データを閲覧するだけでも請求権限(aws-portal:ViewBilling など)が必要でした。
サステナビリティ担当者が排出量を確認したいだけなのに請求データへのアクセス権を付与しなければならない、という運用上の課題がありました。
今回の AWS Sustainability Console は、この課題を解決する形でリリースされたサービスってところですかね。
CCFT と Sustainability コンソールの違い
従来の CCFT と新しい Sustainability コンソールの主な違いを整理します。
| 項目 | CCFT(従来) | Sustainability コンソール(新) |
|---|---|---|
| 提供場所 | Billing コンソール内 | 独立したスタンドアロンサービス |
| 必要な権限 | aws-portal:ViewBilling など請求権限 |
sustainability:GetEstimatedCarbonEmissions など専用権限 |
| 対応スコープ | Scope 1, 2, 3 | Scope 1, 2, 3 |
| API/SDK アクセス | なし(CSV ダウンロードまたは Data Exports) | あり(aws sustainability CLI / SDK) |
| CSV レポート | 固定フォーマットのダウンロード | フィールド選択・フィルター・期間指定が可能なカスタムレポート |
| 会計年度設定 | なし | あり(Fiscal year の開始月を設定可能) |
| 算出方法 | MBM / LBM | MBM / LBM |
排出量の算出方法(メソドロジー)自体は CCFT と同じものが使われているので、データの正確性や計算ロジックに変更はなさそうです。
変わったのはアクセス方法と機能面ですね。
一番大きいのはやはり権限モデルの分離です。CCFT は Billing コンソールの一部だったので請求権限が必要でしたが、Sustainability コンソールは独立したサービスとして sustainability:* の専用権限でアクセスできます。これでサステナビリティ担当者に請求データを見せることなく排出量データだけを共有できるようになりました。
CCFT は廃止される
まず、2026年6月30日で CCFT は廃止されます。
Billing コンソール内の CCFT にアクセスすると、廃止通知のバナーが表示されていました。

いつのまに?と思ったのですが、CCFT のリリースノートには記載されていまして、2日前の2026年3月31日に廃止がアナウンスされていました。
- March 31, 2026
- CCFT deprecation notice
- The CCFT will be deprecated on June 30th 2026 in favor of the new AWS Sustainability service which offers additional functionalities and does not require Billing console permissions. AWS Sustainability user guide
2026年6月30日をもって CCFT は廃止され、Sustainability コンソールへ完全に移行する形になります。CCFT を利用中の方は早めに Sustainability コンソールへの切り替えましょう。
画面を並べて比較してみる
ということで、ここからは CCFT と Sustainability コンソールの画面を並べて、違いを確認してみました。
ダッシュボード
まずはダッシュボードの比較です。
どちらもサマリ部分では推定 MBM 排出量、推定 LBM 排出量、推定排出量の節減を確認することができます。
以下は同じ AWS アカウントの 2026年2月のデータです。左が新コンソールで右がCCFTです。
よく見てみると同月の比較なんですが若干数値が違っていますね。端数処理や計算ロジックがちょっと違っているのかもしれない。

スコープ別の排出量表示
スコープ別の排出量なのですが、従来は以下のデータエクスポート時に個別のスコープごとの数値を取得することが出来ました。

新コンソールではダッシュボード上で分類して把握することができるようになってまして、便利です。

ちなみに各スコープの意味ですが、これらは GHG Protocol(温室効果ガスプロトコル)で定義されている分類です。
- Scope 1:直接排出。データセンターで使用する燃料(天然ガスなど)や冷媒から発生する排出
- Scope 2:間接排出(エネルギー)。データセンターが購入した電力の発電に伴う排出。MBM は再生可能エネルギー証書の購入実績を反映し、LBM はその地域の電力グリッドの平均排出係数を使用する
- Scope 3:その他の間接排出(サプライチェーン)。ワークロードを動かすサーバーの製造、データセンターへの機器輸送、データセンターの建設など、ライフサイクル全体で発生する排出
2025年10月のアップデートで追加された Scope 3 は、電力消費だけでなく「そもそもサーバーを作って運ぶところから」の環境負荷まで含めた数値ということです。
リージョン別・サービス別の内訳
リージョン別・サービス別はどちらの画面でも確認できるのですが、新コンソール(左)のほうがおそらく見やすいですね。いま気づいたのですが旧コンソール(右)だと積み上げグラフの順序がちょっと謎です。

さいごに
本日は新しくリリースされた AWS Sustainability コンソールについて、従来の CCFT との違いや位置づけを整理してみました。
CCFT の廃止期限は 2026年6月30日ですが、私が今回確認した限りでは不足していたり困る状態では無いのですぐに新コンソールへ切り替えても良いはず。
また、データエクスポートのほうは引き続き使えそうなのでデータ分析基盤などで使っている場合は引き続き変わらず使ってもらって大丈夫そうです。









