[レポート]ゲームコンテンツ長命化指南- AMD CPU on OCIを使ってインフラ領域からモバイルゲームコンテンツを再活性化 #CEDEC2023 #classmethod_game
こんにちは、ゲームソリューション部の新屋です。
本記事では、CEDEC2023 3日目のセッション 「ゲームコンテンツ長命化指南- AMD CPU on OCIを使ってインフラ領域からモバイルゲームコンテンツを再活性化」 を私見を交えながらまとめてみようと思います。
セッション動画はYoutubeで公開されています。
セッション概要
素晴らしいゲームコンテンツをより長くユーザ様にご利用いただける手法を、マイネットのインフラ構築事例を用いてご紹介いたします。
「適切なクラウドプロバイダーを選択することでインフラコストを削減し、サービスを長寿化しよう」という主旨のセッションでした。マイネットさんはAMD CPU on OCI(Oracle Cloud Infrastructure)を10本ほどのゲームタイトルで導入しており、コスト削減に成功しているということです。
セッションの主旨を改めて言い換えると「FinOpsのためにマルチクラウドという選択肢を」になるかと思います。
以下、AWSと比較しつつ、OCI(Oracle Cloud Infrastructure)のコンピュートリソースのパフォーマンスとコスト優位性に着目して、セッションをまとめていきます。
フレキシブルインスタンス
従来型は、vCPUとメモリの組み合わせが固定されている中からインスタンスを選択しなければならず、例えば「メモリは大量に確保したいがvCPUは少なくていいワークロード」でも、メモリに合わせて大量のvCPUを契約しないといけません。
フレキシブルインスタンスでは、必要な分だけvCPU, メモリを契約することができます。そして、それらを自由にスケールすることができるので、従来型と比べ、パフォーマンス最適化・コストを最小限に抑えることができます。
必要な分だけvCPUとメモリを選択・スケールできるのはとても素晴らしいですね!
私の場合、CPUの計算速度はほしいが計算結果はディスクに書き出すのでメモリはあまり必要ない、といったケースがありました。その時は、大量のvCPUに合わせて無駄なメモリを契約しましたが、これからはこのフレキシブルインスタンスが選択肢に入ってくると思います。
※vCPUでメモリ最大値が決まるようなので、メモリを大量に必要とするケースでは柔軟性に少々制限が出てきそうです。
幅広いワークロードへの対応
vCPUとメモリの最適化だけでなく、ディスクI/OやGPUが必要な場合など、状況に応じてVM(インスタンス)を選択できます。
コンピュートシェイプに関して、詳しくはこちらに載っていました。
カタログスペックに惑わされるな
クラウドベンダーのカタログスペックは、基本的にはプロセッサのスペックが掲載されていますが、実際のクラウドーサービスでは、プロセッサの他に仮想レイヤーやネットワーク等の要素が絡んでくるため、カタログスペックと実パフォーマンスは違ってきます。
価格性能表ということですが、比較対象になっているAWSインスタンス(C5a, M5a, R5a)は第3世代のAMD CPUでした。対してE4となっているOCIのVMは第4世代です。 AWSだとM7aがAMD CPUの第4世代なので、M7aとE4の比較が気になりました。
価格については、カタログ通りでざっくり表にしてみました。
オンデマンドだとOCIがAWSの半額以下というのは驚きました(間違ってたらスミマセン...)
AWSでもSavingPlanを使えばだいたい同じくらいの費用になりますね。
つまり、同価格帯で第3世代と第4世代のCPUを比較しているので、実際にベンチマークをしてませんが、価格性能表通りの結果が得られそうです。
感想
本セッションではじめて「FinOps」というキーワードに触れました。
また、「マルチクラウド」にも特に関心をもっていませんでした。
本セッションを通じて、今まで見えてなかった目線、持っていなかった選択肢を持てた気がします。
そして、今回は汎用ワークロードが議論の中心でしたが、DBインスタンスやGPUインスタンスだとどうなのか興味が湧きました。