
【非エンジニアのためのClaude/Claude Codeシリーズ】クラスメソッド営業にJoinしたメンバーの入社後研修をサポートするclaudeの活用法
はじめに
東日本営業統括本部 広域営業部の福田です。私は広域営業部という、東京・関東・北陸・東北のお客様を担当する部署でマネージャーをしています。
クラスメソッドでは今、これまでお客さまからいただいていたクラウドに関するご相談に加えて、生成AIに関するお問い合わせを多数いただく状況が今年に入ってずっと続いています。どれだけ業務を効率化しても、最後にお客様に「これだ!」と決めてもらう後押しは、やはり営業=「人」の力です。ここ数年強化している営業メンバーの採用をよりドライブしています。
クラスメソッドの社員が一緒に働きたいと感じるのは、「CLP」というクラスメソッドのカルチャーに共感できる方です。同じ目標を目指す考え方を共有できれば、IT業界の経験やクラウドインフラの知識は、入社後にいくらでもキャッチアップできると、これまでの採用で実感しています。
ただ採用面接に参加すると応募者の方からは、「入社後にIT営業として十分な知識をキャッチアップできるか不安」「研修プログラムなどはありますか」とご質問いただくことがままあります。
安心して採用ページの申し込みボタンを押していただけるよう、営業部門で導入しているClaudeを使ったロールプレイング研修プログラムについて、ご紹介します。
クラスメソッド Check Ride
Check Rideとは、航空業界でパイロットが技能や資格を確認するために受ける実技審査(実地試験)に由来する言葉です。クラスメソッド Check Rideは、この考え方を営業に応用し「営業担当者がお客様商談にひとりで対応できるか」を確認するための研修プログラムとしています。座学や知識テストではなく、先輩社員との実践的なロールプレイング形式の商談実演を通じて、実際の営業場面に即したスキルと知識を身に着けていきます。
クラスメソッド Check Rideでは、次の5つの評価軸で商談実演を審査します。
- プレゼンテーション作法
- AWS基礎知識
- 価値訴求
- Q&A対応
- 基礎的な営業スキル
これに合格することで、自信を持って入社後に担当するお客様と向き合うことができます。皆さん入社後1か月〜3か月で合格しているケースが多いです。
「プレゼンテーション作法」や「基礎的な営業スキル」だけでなく、「AWS基礎知識」と「価値訴求」も評価軸に入っている点がCheck Rideの特徴です。たとえば「AWS基礎知識」では、オンプレミス環境でお客様が抱えがちな課題(サーバー調達に時間がかかる、需要の増減にあわせた拡張が難しい、災害対策やセキュリティ対応を自社だけで背負うのが大変、といった悩み)に対して、AWSがどう解決するのかを自分の言葉で説明できるかを見ます。数分単位でリソースを調達できるスピード感、必要な分だけ使えるスケーラビリティ、運用負荷をAWS側に任せられるマネージド型サービス、世界中に広がるグローバルインフラ、そしてAWSと利用企業が役割分担してセキュリティを守る「責任共有モデル」など、Cloud Practitionerレベルの知識をお客様目線でかみ砕いて話せるかが問われます。
また「価値訴求」の一部として、自社サービスである「クラスメソッドメンバーズ」(AWSの請求代行・サポート・セキュリティなどをまとめて提供するサービス)を、お客様の課題に紐づけて正確に説明できるかも評価対象です。割引プランやサポート体制、セキュリティオプションといった内容を、覚えた通りに話すだけでなく、目の前のお客様の状況に合わせて伝えられるかまで求められます。座学で知識を詰め込むのではなく、こうした技術・製品知識を「実際の商談で使える形」に鍛えるロールプレイになっているのが、Check Rideのもう一つのポイントです。
クラスメソッド Check Rideの進め方
Check Rideは、思いつきで実施しているわけではなく、キックオフから振り返り・再受験まで全7ステップの運営ガイドに沿って進められます。
- キックオフ:Check Ride受験者に対象企業やシナリオを共有
- 事前準備:Check Ride受験者・評価者双方が想定質問や訴求ポイントを整理
- ロールプレイ実施:先輩社員が顧客役となり、実際の商談さながらの実演
- 評価:5つの評価軸に沿って採点
- フィードバック:良かった点・改善点を具体的に共有
- 振り返り:Check Ride受験者が自身の商談を見直す時間を確保
- 再受験(必要な場合):不合格の場合は改善のうえ再チャレンジ
Check Ride受験者向けには、過去の受験者の資料などを学習コンテンツとしてお渡しし、しっかりと身に着くよう先輩社員がフォローします。評価者となる先輩社員に対しては、初めて評価者を担当する場合でも迷わず進められるよう、Claudeを用いることで評価を標準化できる環境を整備しています。
評価の質を支えるClaudeの活用
Check Rideのサイクルを安定的に運用するために、Claudeを2つの場面で活用しています。
評価者の事前準備では、Check Ride受験者が想定する対象企業の情報をもとに、Claudeが顧客役として使う想定質問10問・反対意見10問と、その模範解答をあわせて自動生成します。評価経験の浅いメンバーでも、適切な難易度の質問を投げかけられるようになりました。
この事前準備を担っているのが「check-ride-qa」というClaude Skillです。「CheckRideの想定質問10個と反対意見10個、模範回答付きで生成してください。顧客: ○○株式会社」のように話しかけるだけで、業界・規模・IT環境・関心事といった顧客シナリオに沿った質問セットを作ってくれます。顧客情報を詳しく渡すほど具体的な質問になりますし、シナリオを省略した場合は製造業・小売業を想定したデフォルト設定で生成されます。さらに「基本レベルだけ」「メンバーズ関連の評価項目に絞って」「セキュリティとコストのオブジェクションだけ5個ずつ」といったように、難易度や評価項目を指定して調整することも可能です。出力される質問には、カテゴリ・難易度・意図・模範回答・回答のポイント・NGワードまでセットで付いてくるため、評価者は台本のように使いながら顧客役を演じられます。すべての質問は公式19項目のどれに対応するかが明示されているので、「今日は価値訴求(10〜14番)を重点的に確認したい」といった狙いを持った準備もしやすくなっています。
評価レポートの作成では、ロールプレイ後にGoogle Meetの文字起こしをClaudeに渡し、先ほどの5つの評価軸に沿った評価レポートを自動生成します。誰が評価を担当しても、同じ品質のフィードバックを返せる点がポイントです。
この評価レポート生成は、社内で作成した「check-ride」というClaude Skillが担っています。文字起こしを読み込ませると、まず「SPIN話法をご存知ですか」と評価者に確認し、相手の理解度に合わせた言葉遣いで質問力に関するアドバイスを準備したうえで、公式の評価基準19項目(進行・マナー、AWS基礎知識、価値訴求、加点要素、クラスメソッドメンバーズ)を各4点満点で採点します。そのスコアからS〜Dのグレードを算出し、実際の発言を引用しながら良かった点・改善点、そして次回への提言までを整理したレポートをMarkdownファイルとして自動出力します。評価者によって基準がぶれがちな19項目のロープレ評価を、誰が使っても同じ視点・同じ粒度でフィードバックできるようにしているのが、このSkillのポイントです。
特に「クラスメソッドメンバーズ」に関する評価項目では、割引率やサポート内容などの事実関係を間違えたまま話してしまうケースが起こりがちです。そこで社内では、クラスメソッドメンバーズの正しい情報をまとめた別のSkillを用意しており、check-rideのフィードバック生成時にはこの情報を参照して事実誤認がないかまで確認する仕組みにしています。単に「話し方が良かった/悪かった」ではなく、「その説明は技術的・製品知識として正しいかどうか」までAIがチェックしてくれるので、AWSやクラスメソッドメンバーズの知識そのものを鍛える機会にもなっています。
導入した効果
数字で見ると、評価レポートの作成時間は1件あたり約30分から約5分に、質問・模範解答の準備は約60分から約10分に短縮できました。何より大きいのは、評価を実施できる人が一部のマネージャーに限定された状態から、クラスメソッドの社員であれば誰でも対応できるようになったことです。
言いにくいフィードバックほど、機械が率直に伝えてくれる方が受け取る側の心理的な負担が軽くなる、という実感もありました。評価者を担当すること自体が担当する社員の成長機会にもなったことは、意外な効果でした。
人材育成という一見生成AIと縁遠いテーマでも、Claudeが役に立つ場面は多いと社内からも反響がありました。
さいごに
大切なのは、Claudeを使っていること自体ではありません。クラスメソッドの営業研修が、座学や知識テストではなく、先輩社員とのロールプレイング形式の商談実演を通じて、実際の営業場面に即したスキルと知識を身につけるプログラムになっているということです。Check Rideに合格すれば、「独り立ちできている」という自信を持って、入社後に担当するお客様と向き合うことができます。
これからクラスメソッドの営業にJoinを考えている方には、この研修があることを知って、安心して飛び込んできてください。AWSの知識がまったくない状態から始めても、先輩社員と何度もロールプレイを重ね、そのつど具体的なフィードバックを受けられる環境が整っています。実践の中で鍛えられ、スキルを身に着けて、一緒にクラスメソッドが目指すゴールに向かっていきましょう!






