今さら聞けない Claude Desktop の MCP って何?課金の仕組みも Claude 本人に聞いてみた
はじめに
ベルリンオフィスの伊藤です。
育休から帰ってきたら世はAI時代になっていました…
最近 Claude Desktop を使い始めて、今さらですが「MCPサーバ」がちゃんと分かっておらず、設定の「Connector」や「Extension」という言葉に戸惑いました。
ChatGPT などの生成AI は使ったことがあっても、Claude の MCP 機能はまた新しい概念です。
ということで今回は実際に Claude に質問して分かりやすく教えてもらった内容を、ブログにまとめてみました。
以下、私がいろいろ質問してClaude本人に答えてもらい、最後にそのQ&Aをブログ用にまとめてもらった内容でお届けします。
MCPサーバーって何?
Q: 生成AIのMCPサーバーってどういうこと?
A: MCP (Model Context Protocol) は、Claude が外部ツールやデータと連携するための仕組みです。
簡単に言うと、AI アシスタントが「手」を持てるようになる技術です。通常の AI は会話しかできませんが、MCP サーバーを通じて:
- ファイルの読み書き
- データベースへのアクセス
- API の呼び出し
- 各種ツールの実行
などが可能になります。
仕組み
ユーザー ↔ AIアシスタント ↔ MCPサーバー ↔ 外部システム
MCP サーバーは「橋渡し役」として、AI からの要求を適切な形式に変換して外部システムに伝えます。
活用例
- Notion/Slack との連携:社内情報を検索・更新
- GitHub 連携:コードレビューや Issue 管理
- ファイルシステム:ローカルファイルの読み書きで開発作業を自動化
- データベース接続:PostgreSQL や MongoDB へ直接クエリ実行
設定画面にないサービスとも連携できる?
Q: Claude Desktop の Connector にないサービスにも繋げられる?
A: はい、可能です!設定画面にあるのは公式提供の一部だけ。実際は:
- コミュニティ製 MCP を追加
- GitHub で多数公開(PostgreSQL、MongoDB、Docker、Spotify など)
- 自作 MCP サーバーの開発
- TypeScript/Python で開発可能
- 社内 API や独自システムとの連携も実現できる
claude_desktop_config.json
に以下のように追加:
{
"mcpServers": {
"custom-api": {
"command": "node",
"args": ["/path/to/your-mcp-server.js"],
"env": {
"API_KEY": "your-key"
}
}
}
}
よくある誤解:MCPサーバーはクラウドで動く?
Q: 公式 Connector はクラウド処理で、自作はローカルサーバー?
A: いいえ、すべての MCP サーバー(公式含む)はローカル PC 上で動きます。クラウドではありません。
実際の動作
Claude Desktop → ローカルプロセス(MCPサーバー) → 外部API/サービス
↑ あなたのPC内で実行
例えば:
- Slack MCP: あなたの PC 上で動き、Slack API を呼び出す
- GitHub MCP: あなたの PC 上で動き、GitHub API を呼び出す
- ファイルシステム MCP: あなたの PC 上で動き、ローカルファイルにアクセス
「サーバー」という名前ですが、実際はローカルプロセス(仮想サーバーですらない)です。
セキュリティ上の利点
- データが外部サーバーを経由しない
- API 認証情報もローカル保存
- 社内の機密情報も安心して扱える
実際の動作とコスト
Q: Notion 連携時の課金や通信量、PC負荷は?
Claude 従量課金への影響
課金対象:
- Claude とのやり取りの文字数(入力+出力)
- MCP ツール呼び出しの結果も含まれる
- 例:Notion から 10 ページ取得 → その内容もトークンとしてカウント
課金されないもの:
- MCP 自体の実行
- Notion API への通信
データ通信の発生箇所
[あなたのPC]
Claude Desktop ←→ Claude API (文字データ:軽い)
↓
MCPサーバー ←→ Notion API (JSON:やや重い)
モバイルホットスポット使用時の通信量:
- Claude 通信:数KB〜数十KB(テキストのみ)
- Notion API:数十KB〜数MB(ページ数による)
- 画像/ファイル含む場合:さらに増加
PC負荷
CPU/メモリ使用:
- MCP プロセス起動:軽微(Node.js/Python)
- データ処理:Notion 応答の JSON 解析程度
- 通常のブラウザタブ 1 つ分より軽い
重い処理の例:
- 数百ページの一括取得
- 大量ファイルの同時処理
ホットスポット利用時は、取得ページ数を制限したり、画像を含まない操作に限定するのが良さそうです。
Extensions と Config ファイルの使い分け
Q: GUI で Filesystem を追加済みだけど、config ファイルも必要?
✏️ 他の入門ブログや公式ドキュメントで「ローカルMCPへつなげる」方法として Config ファイル編集で Filesystem 設定が説明されているのですが、私の場合は先に Extension (=GUI) から入れていた Filesystem がすでに設定されていたため、この質問をしました。
A: 不要です!
使い分け:
- Extensions(GUI)を使う場合
- 公式 MCP(Filesystem、Notion、Slack など)
- 簡単な UI 設定
- パーミッション管理も UI で完結
- Config ファイルを使う場合
- GitHub のコミュニティ MCP
- 自作した MCP
- Extensions にない MCP
既に Extensions で設定済みなら、config ファイルでの重複設定は避けましょう。
まとめ
Claude の MCP は、AI に外部ツールとの連携能力を与える強力な機能です。すべてローカルで動作するため、セキュリティ面でも安心して業務利用できます。
公式 Connector で足りない場合は、コミュニティ製や自作 MCP で拡張可能。皆さんの業務に合わせてカスタマイズしてみてはいかがでしょうか。
参考リンク
執筆者からのまとめ
今回私が Claude さんにした質問の答えがとても分かりやすく、他の入門ブログではすぐに理解できなかった範囲がスッと理解できたので、同じように MCP についていけてない勢に参考になるのではないかと思いました。
そして Claude さんの力を借りてその内容を上記のようにクラメソのブログ用にまとめてもらいました。(私が書くより遥かに上手)
それをmarkdownファイルでDownloadフォルダに出力したのですが、最後に
ちなみに、今の処理だとClaudeは何が課金対象になるの?
と聞いてみたところ↓
もし利用量が気になる場合は、設定の Personalization で「回答はなるべく端的に」など入れておくとデフォルトで短めの回答=少ない出力文字数にする手助けになるかもしれません。
参考:https://support.anthropic.com/en/articles/10185728-understanding-claude-s-personalization-features