【クライアントVPN】ルート追加時に気をつけたいポイント

2022.03.17

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こんにちは!AWS事業本部コンサルティング部のたかくに(@takakuni_)です。

今回は、クライアントVPNの「ルート」設定時に気をつけたいポイントをシェアしていこうと思います。

最初に結論

  • クライアントCIDRは、「VPCのローカルCIDR」、「追加するルートのCIDR」と重複できない
  • VPCのローカルCIDRは、「クライアントCIDR」と重複できない
  • 追加するルートのCIDRは、「クライアントCIDR」、「ターゲットサブネットのCIDR」と重複できない

CIDR重複について

以下、ドキュメントにもある通り、CIDR範囲の重複を避ける必要があります。

クライアント VPN の制限とルール

クライアント VPN には、次のルールと制限があります。

  • クライアント CIDR 範囲は、関連付けられたサブネットが配置されている VPC のローカル CIDR、またはクライアント VPN エンドポイントのルートテーブルに手動で追加されたルートと重複することはできません。

クライアント VPN の制限とルール

クライアントCIDR範囲とVPCのCIDR範囲の重複時

例えば、以下の場合を想定します。

  • クライアントCIDR範囲:10.10.0.0/16
  • VPC CIDR範囲:10.10.0.0/16
  • サブネット CIDR範囲:10.10.0.0/24

上記の場合で、クライアントVPNとサブネットの関連付けを行うと次のようなエラーが発生します。

Overlap detected between 10.10.0.0/24 and 10.10.0.0/16

原因

「クライアントCIDR範囲」と「サブネットが配置されている VPC のローカル CIDR」が重複しているためエラーが発生しています。

対策方法

どちらかのCIDR範囲を再検討する必要があります。

また、クライアントVPNエンドポイントの作成後にクライアントCIDR範囲は変更することはできないため注意が必要です。

クライアントCIDR範囲と追加するルートのCIDR範囲の重複時

例えば、以下の場合を想定します。(クライアントCIDR範囲と追加するルートのCIDR範囲が重複しています)

  • クライアントCIDR範囲:10.8.0.0/16
  • VPC CIDR範囲:10.10.0.0/16
  • サブネット CIDR範囲:10.10.0.0/24
  • 追加するルートのCIDR範囲:10.8.0.0/16

上記の場合で、ルートの追加を行うと次のようなエラーが発生します。

Client address pool for this endpoint overlaps with the destination cidr block

原因

「追加するルートのCIDR範囲」と「クライアントCIDR範囲」が重複しているためです。

対策

追加するルートのCIDR範囲とクライアントCIDR範囲の重複を排除する必要があります。

繰り返しになりますが、クライアントCIDRは、「VPCのローカルCIDR」、「追加するルートのCIDR」と重複できません。

つまり、クラスA,B,C単位でまとめてルーティングする場合は、重複していないか注意が必要です。

例:10.0.0.0/8を関連付けたサブネットへルーティングするルート

追加するルートのCIDR範囲とターゲットサブネットの範囲の重複時

例えば、以下の場合を想定します。(クライアントCIDR範囲と追加するルートのCIDR範囲が重複しています)

  • クライアントCIDR範囲:10.8.0.0/16
  • VPC CIDR範囲:10.10.0.0/16
  • サブネット CIDR範囲:10.10.0.0/24
  • 追加するルートのCIDR範囲:10.10.0.0/24

上記の場合、ルートの追加を行うと次のようなエラーが発生します。

The destination CIDR block cannot be a range that spans only within the target resource CIDR block

原因

「追加するルートのCIDR範囲」と「ターゲットサブネットのCIDR範囲」が重複しているためです。

対策

ロンゲストマッチを使用したルートの追加はできません。

デフォルトルートでVPC向けにルーティングは行われているので、追加しなくても通信は可能です。

終わりに

今回は、クライアントVPNでルートを追加する際に気をつけたいポイントをご紹介してみました。

もし、同じエラーに遭遇された方の助けになれば幸いです。

以上、AWS事業本部コンサルティング部のたかくに(@takakuni_)でした!