
クラスメソッド データアナリティクス通信(AWSデータ分析編) – 2026年9月号
クラウド事業統括本部の石川です。2026年8月のAWSデータ分析関連のアップデート情報をお届けします。今月は、30%の価格削減と Apache Iceberg v3 サポートを備えた AWS Glue 6.0 の一般提供開始、Amazon Kinesis Data Streams から Amazon S3 Tables へ直接配信できるストリーミングテーブルの登場、Amazon Redshift のシステムテーブル長期保持と Apache Iceberg v3 対応が目を引きました。Iceberg v3 と S3 Tables を軸に、各サービスがマネージドな連携でパイプラインの自前実装を減らす方向に揃ってきた1か月でした。他にもアップデートがあるので紹介します!
Amazon Redshift
新機能・アップデート
2026/08/20 - Amazon Redshift introduces long-term system table retention with Amazon S3 Tables integration
Amazon S3 Tables とのネイティブ統合により、システムテーブルのデータを従来の7日間を超えて長期保持できるようになりました。有効化すると、システムテーブルのデータが Apache Iceberg 形式で S3 Tables へ自動的に書き込まれ、パーティショニング・コンパクション・保持期間は AWS が管理します。
従来、保持期間を延ばすにはシステムテーブルをコピーするカスタム ETL パイプラインの構築と維持が必要でした。複数のデータウェアハウスを運用する場合は、データ共有で各ウェアハウスのシステムテーブルを集約する複雑さもありました。今回の機能によりカスタム ETL が不要になります。
2026/08/20 - Amazon Redshift now supports concurrency scaling of streaming ingestion workloads from Amazon Kinesis data streams
パッチ P203 以降の Amazon Redshift で、Amazon Kinesis Data Streams に接続されたストリーミングマテリアライズドビューの更新に対して同時実行スケーリングが適用されるようになりました。
Redshift ストリーミングインジェストは KDS から低レイテンシーでデータを取り込む機能で、データはストリーミングマテリアライズドビューに格納されます。同時実行スケーリングを有効にしていれば、ストリーミングワークロードが自動的にスケールし、メインのクラスターやワークグループを他の優先度の高いワークロードのために解放できます。Redshift が利用可能な全リージョンで使用できます。
2026/08/27 - Amazon Redshift integrates with Agent Toolkit for AWS for AI-assisted data warehouse management
Amazon Redshift が Agent Toolkit for AWS と統合され、Claude Code、Kiro、Cursor といった AI エージェントから Redshift のデータウェアハウスやデータレイクの構築、クエリ、トラブルシューティング、移行を行えるようになりました。
認証済みで AWS API を実行する AWS MCP サーバーと、Redshift 向けにキュレーションされた手順・リファレンス集である Redshift skills を組み合わせて提供されます。skills には SQL 構文リファレンス、メタデータ探索、データロードのパターン、マテリアライズドビューのベストプラクティス、Qualify・Pivot・Super といった拡張機能の解説、移行の一連の手順が含まれます。
2026/08/27 - Amazon Redshift streaming can now ingest 10MiB records from Amazon Kinesis Data Streams
Amazon Redshift のストリーミングインジェストが、Amazon Kinesis Data Streams の最大10MiB のレコードサイズをサポートしました。従来の1MiB から10倍の引き上げで、KDS 側で拡張された最大レコードサイズと揃いました。
大きなペイロードをレコード分割なしにそのまま Redshift へ取り込めるため、取り込みパイプラインを簡素化でき、大容量・大レコードのワークロードにも対応できます。Amazon Redshift が利用可能な全ての商用リージョンで使用できます。
2026/08/31 - Amazon Redshift now supports AWS IAM Identity Center authentication with enhanced VPC routing
拡張 VPC ルーティング(EVR)を構成したプロビジョンドクラスターおよびサーバーレスワークグループで、AWS IAM Identity Center 認証を利用できるようになりました。企業の認証情報によるシングルサインオンを使いつつ、通信は VPC を経由して AWS ネットワーク内に留まります。
Redshift は IAM Identity Center のトークンの検証と交換を VPC 内から AWS PrivateLink のインターフェイス VPC エンドポイント経由で行うため、認証・認可も他の Redshift 通信と同じ管理されたネットワーク経路をたどります。データレジデンシーやネットワーク分離の要件でパブリックインターネットへの通信を認められない環境に有用です。
2026/08/31 - Amazon Redshift now supports Apache Iceberg v3 tables
Amazon Redshift がデータレイク上の Apache Iceberg v3 テーブルの読み取りと書き込みをサポートしました。今回のリリースで、デフォルト列値、行リネージ、削除ベクターに対応します。
デフォルト列値により、値が指定されない場合に適用される初期値を定義でき、列追加時のスキーマ進化が容易になります。行リネージは各行の識別子と最終更新シーケンス番号を追跡する疑似列を公開し、変更行のみを処理する増分パイプラインや CDC ワークフローを構築できます。削除ベクターは v2 の位置削除ファイルを圧縮ビットマップに置き換え、更新・削除が多いワークロードの読み書きを高速化します。
APIの変更点
2026/08/19 - Amazon Redshift - 20 updated methods
システムテーブルのデータを Redshift Managed Storage ではなく顧客アカウント内の Amazon S3 Tables に直接格納する、Enhanced System Table Retention に対応しました。
Amazon Redshift Serverless
新機能・アップデート
APIの変更点
2026/08/19 - Redshift Serverless - 7 updated methods
システムテーブルのデータを Redshift Managed Storage ではなく顧客アカウント内の Amazon S3 Tables に直接格納する、Amazon Redshift Enhanced System Table Retention に対応しました。
AWS Glue
新機能・アップデート
2026/08/05 - AWS Glue Data Catalog now supports metadata exports to S3 Tables (Preview)
プレビュー中の AWS Glue Data Catalog に、カタログメタデータの Amazon S3 Tables へのエクスポートと、AWS KMS カスタマーマネージドキーで暗号化されたカタログへのセマンティック検索プレビューの拡大という2つの機能が追加されました。
エクスポートを有効にすると、用語集の用語、カスタムメタデータの添付、アセットの説明といった技術メタデータ・ビジネスメタデータが、マネージドな aws-catalog S3 テーブルバケット内のテーブルへ書き込まれます。Apache Iceberg 形式で保存されるため、Amazon Athena や Amazon QuickSight、Iceberg 対応のサードパーティツールから標準 SQL でクエリ・監査・タイムトラベルクエリを実行できます。
2026/08/05 - AWS Glue Data Quality makes ETL anomaly detection free and improves anomaly predictions
AWS Glue Data Quality の異常検知に、誤検知を減らす新しい観測モードが追加され、あわせて ETL ジョブにおける異常検知の課金が撤廃されました。線形トレンドではなく一定のベースラインを用いることで、トレンドの過剰な外挿を避け、より正確なアラートを出せます。
データ到着間隔が不規則なケースにも適切に対応するため、探索的なデータ分析、平坦またはランダムなパターンのデータセット、予測可能なトレンドを持たないワークロード、ノートブックのような対話環境での実行に向いています。全ての AWS 商用リージョンと AWS GovCloud で利用できます。
2026/08/06 - AWS Glue Schema Registry is now available in ten more AWS regions
AWS Glue Schema Registry が、アジアパシフィック(ニュージーランド、タイ、ハイデラバード、大阪、マレーシア、メルボルン、台北)、メキシコ(中部)、イスラエル(テルアビブ)、カナダ西部(カルガリー)の10リージョンで利用可能になりました。
Schema Registry は AWS Glue のサーバーレスかつ無料の機能で、Apache Avro、JSON、Protobuf のスキーマを登録してストリーミングデータの構造の進化を検証・制御します。Apache ライセンスのシリアライザー/デシリアライザーを通じて、Apache Kafka/Amazon MSK、Amazon Kinesis Data Streams、Apache Flink/Amazon Managed Service for Apache Flink、AWS Lambda 向けの C#・Java アプリケーションと統合できます。
2026/08/11 - AWS Glue adds one-click access to SageMaker Unified Studio from the AWS console
AWS Glue コンソールから Amazon SageMaker Unified Studio へワンクリックでアクセスできるようになりました。Glue コンソールでカタログを参照している状態から、同じ IAM ロールのまま SageMaker Unified Studio を開き、クエリ実行、データ品質チェック、データパイプラインの構築へ移れます。
今回の追加により、SageMaker Unified Studio は S3 Tables、Athena、EMR、Redshift、Glue の各コンソールからワンクリックで開けるようになりました。SageMaker Unified Studio を未セットアップの場合は、インラインのアクセス許可パネルから IAM コンソールへ移動せずに必要な IAM ポリシーを作成・設定できます。
2026/08/21 - AWS Glue 6.0 delivers 30% price reduction and Iceberg v3 support
AWS Glue 6.0 が一般提供開始となりました。30%の価格削減に加え、Apache Iceberg v3 の完全サポート、新しいバージョンの Apache Hudi と Delta Lake への対応、開発生産性を高める機能が導入されています。ランタイムは Apache Spark 4.1、Python 3.13、Scala 2.13 へ更新されました。
Iceberg v3 対応として、半構造化データの読み取りを高速化する自動シュレッディング付き VARIANT 型、行単位更新を高速化する削除ベクター、空間処理向けの geometry/geography 型、UNKNOWN 型とデフォルト列値による柔軟なスキーマ進化が加わりました。さらに、定型的なオーケストレーションコードを不要にする Spark Declarative Pipelines、サブ秒レイテンシーの Real-Time Mode ストリーミング、Arrow ネイティブの Python UDF も導入されています。
APIの変更点
2026/08/05 - AWS Glue - 2 new methods
Glue Data Catalog のメタデータを Amazon S3 Tables 上のシステムテーブルへエクスポートするための PutDataCatalogExportConfiguration が追加されました。
2026/08/14 - AWS Glue - 3 updated methods
テーブルの列など、繰り返し項目を持つフォームアイテムに用語集の用語を関連付けられるようになりました。
Amazon Quick
新機能・アップデート
2026/08/06 - Amazon Quick supports multi-dataset analytical capabiity
Amazon Quick がマルチデータセットトピックをサポートしました。1つのトピックの中で複数データセット間のリレーションシップを定義し、そのモデルを使ってダッシュボードの作成と自然言語での質問応答ができます。
従来、データセットをまたぐ可視化には事前の結合が必要で、データ準備での JOIN 実装や追加の SPICE 容量消費、ユースケースやモデル変更のたびのデータセット作り直しが発生していました。マルチデータセットトピックでは、トピックが再利用可能なリレーショナルデータモデルとなり、リレーションを一度定義すれば Quick が実行時に結合します。
2026/08/14 - Amazon Quick now supports approval policies for sharing
Amazon Quick に承認ポリシーが追加され、管理者が組織内でのアセット共有をガバナンスできるようになりました。指定した承認者が共有リクエストをレビュー・承認するまでアクセスを許可しない運用にでき、機微なアセットの共有を意図的かつ監査可能な形に保てます。
ポリシーはナレッジベース、スペース、カスタムチャットエージェントといったアセットタイプ単位でスコープを設定できます。承認者は承認・却下の前にアセット自体を確認でき、ワークフローのイベントはすべて AWS CloudTrail に記録されます。Professional および Enterprise プランで利用できます。
2026/08/14 - Amazon Quick now supports customizable no data messages for visuals
ビジュアルにデータが返らなかったときに表示される既定の「No data to display」メッセージを、作成者が任意の内容に差し替えられるようになりました。タイトル、サブタイトル、ハイパーリンクを設定でき、なぜデータが表示されないのか、次に何をすればよいのかを読み手に伝えられます。
すべてのテキストフィールドはパラメータをサポートするため、読み手が選択中のフィルター内容をメッセージに動的に反映できます。ハイパーリンクは http://、https://、mailto: に対応し、タイトルとサブタイトルは個別に表示・非表示を切り替えられます。Amazon Quick が提供される全リージョンで利用できます。
2026/08/14 - Amazon Quick now supports data loss prevention with Microsoft Purview
Amazon Quick が Microsoft Purview と連携し、Quick 環境全体にデータ損失防止(DLP)ポリシーを適用できるようになりました。既存の Purview の秘密度ラベルを使って、チャット、スペース、ナレッジベースといった機能でのファイルの取り扱いを自動的に制御できます。
管理者は秘密度ラベルごとにブロック・警告・許可といった強制アクションを設定できます。たとえば「Highly Confidential」ラベルの付いたファイルは共有スペースへのアップロードをブロックし、「Internal」は警告付きで許可する、といった運用が可能です。追加ツールなしに既存の Purview ガバナンスポリシーを Quick へ拡張できます。
2026/08/14 - Amazon Quick now supports per-user resource limits
管理者がユーザーごとにインデックスストレージとエージェント時間の上限を設定できるようになりました。ユーザー単位の消費量を制限するリミットプロファイルを作成することで、想定外の超過料金を防ぎつつ、サブスクリプションの権利を組織全体で効率的に使えます。
リミットプロファイルはユーザー、ロール、アカウントの各レベルで作成・割り当てができ、優先順位の階層によって適切な容量が適用されます。上限に到達したユーザーは新たな消費がブロックされますが、既存のコンテンツは保持されます。Professional および Enterprise プランで利用できます。
2026/08/17 - Amazon Quick Microsoft 365 extensions are now generally available
Excel、PowerPoint、Word、Outlook 向けの Microsoft 365 拡張機能が一般提供開始となりました。ユーザーの M365 環境内で Quick が直接タスクを実行でき、文書の赤字入れ、財務モデルの作成、プレゼン資料の作成、Outlook の受信トレイ管理といった作業を扱えます。
Excel 拡張は複雑な集計、ピボットテーブルやチャートの作成、データの取り込みとクレンジングを支援します。PowerPoint 拡張は組織のテンプレートに沿って Quick のデータから資料を作成し、Word 拡張は変更履歴付きの一括編集やレビュアーとしてのコメント参加に対応します。
2026/08/19 - Amazon Quick adds deny by default for custom permissions
Amazon Quick のカスタムアクセス許可に「デフォルト拒否」が追加されました。新しい AI 機能がユーザーに届く前に自動的に制限するガバナンス設定で、従来のように機能リリース後に管理者が後追いで対応する必要がなくなります。
カスタムアクセス許可プロファイルで AI 機能カテゴリを制限し、ユーザー・ロール・アカウント全体に割り当てると、以降にリリースされる AI 機能は既定で拒否されます。カテゴリを制限すると、そのカテゴリ内の既存機能も制限されます。準備ができた機能から明示的に許可する運用になります。
2026/08/31 - AWS Agent Registry agents and MCP servers now available in Amazon Quick
Amazon Quick が AWS Agent Registry と統合され、組織の Agent Registry に登録されたエージェントや MCP サーバーを Quick 内から検索・参照して数クリックで有効化できるようになりました。接続情報はレジストリから自動的に取り込まれます。
有効化したリソースはチーム内で共有でき、チャット、エージェント、アプリ、フロー、ディープリサーチをまたいで利用できます。Amazon Bedrock AgentCore でエージェントを構築する技術チームと、Quick を使うビジネスユーザーとの間の橋渡しになります。Amazon Quick と Amazon Bedrock AgentCore の双方が利用可能な全リージョンで使用できます。
APIの変更点
2026/08/12 - Amazon QuickSight - 16 new 4 updated methods
Microsoft Purview を用いた DLP(スペース・チャット・ナレッジベースにわたるラベル強制の設定管理)、承認ワークフロー(エージェント・ナレッジベース・スペースの共有ポリシーの CRUD)、リミット管理(インデックスストレージとユーザーごとのエージェント時間のリミットプロファイル)の各 API が追加されました。
2026/08/31 - Amazon QuickSight - 6 new methods
Amazon QuickSight のアプリ管理用に、ListApps、SearchApps、DescribeApp、DescribeAppPermissions、UpdateAppPermissions、DeleteApp が追加されました。
Amazon SageMaker Unified Studio
新機能・アップデート
2026/08/18 - Amazon SageMaker Unified Studio now supports data profiling and anomaly detection
AWS Glue Data Quality を基盤としたデータプロファイリングと異常検知がサポートされました。データの形状や欠損状況を把握する統計プロファイルを生成し、その統計が時間とともにどう変化したかを追跡できます。異常検知はしきい値やカスタムルールを事前に定義せずに、履歴パターンからの逸脱を検出します。
カタログテーブル上の保存済みデータと、Visual ETL ジョブ内の処理中データの双方に対応します。カタログテーブルには専用の Data profile タブが追加され、オンデマンドおよびスケジュール実行でデータセット単位・列単位の統計を計算します。プロファイル履歴が蓄積されるにつれて期待される挙動のベースラインが構築されます。
2026/08/19 - Amazon SageMaker notebooks now support trusted identity propagation
SageMaker のノートブックが、Amazon Athena、Amazon Redshift、Amazon EMR Serverless に対する信頼された ID 伝播(Trusted Identity Propagation、TIP)をサポートしました。TIP を有効化したプロジェクトの TIP 対応コンピュートに接続すると、ノートブック利用者ごとの IAM Identity Center の ID が AWS Lake Formation まで伝播し、権限に応じたテーブル・列・行のみが見えるようになります。
広い権限を持つ単一の実行ロールを共有する必要がなくなり、クエリ実行者に基づくユーザー単位のデータ境界と、CloudTrail によるアクセス主体の監査証跡が得られます。ID は既存のコンピュート接続を通じて自動的に伝播するため、追加のログインやトークン、ロール管理は不要です。Amazon SageMaker Unified Studio が利用可能な全リージョンで使用できます。
Amazon DataZone
新機能・アップデート
APIの変更点
2026/08/11 - Amazon DataZone - 15 updated methods
GetSubscriptionGrant が、サブスクリプション付与に対応する AWS Lake Formation のデータセルフィルターや Amazon Redshift ビューをマッピングするための、実体化されたアセットスコープ名を返すようになりました。
2026/08/27 - Amazon DataZone - 2 updated methods
DeleteDomain に cascadeDelete が追加されました。指定するとプロジェクト・環境・サブスクリプションと配下の AWS リソースを再帰的に削除してからドメインを削除します。進捗は GetDomain の deleteProgress、リソースごとの失敗理由は failureReasons で確認できます。
Amazon EMR
新機能・アップデート
2026/08/04 - Run interactive workloads on Amazon EMR on EC2 with Spark Connect
Amazon EMR on EC2 が Spark Connect による対話型 Apache Spark セッションをサポートしました。Amazon SageMaker Unified Studio のマネージドノートブックや、Jupyter・Visual Studio Code といった使い慣れた IDE から、専用の EMR on EC2 クラスター上でセッションを実行できます。
セルやスクリプトをまたいで永続する Spark コンテキストを持てるため、ローカルの Python コード実行とリモートの Spark 処理を組み合わせたアドホック探索、ステップ実行によるデバッグ、本番投入前の PySpark ジョブの反復開発に向いています。実行中・完了済みセッションは EMR コンソールから監視・デバッグできます。
2026/08/28 - Amazon EMR on EKS now supports job run concurrency controls
Amazon EMR on EKS に、仮想クラスター単位でジョブ実行数を制御する admission control が追加されました。同時実行できるジョブ数の上限 maxConcurrentJobRuns と、キューで待機できるジョブ数の上限 maxInQueueJobRuns を任意で設定でき、StartJobRun API からバックプレッシャーのシグナルを受け取れます。
マルチテナントで共有する EKS クラスターが過負荷になることや、ノイジーネイバーによるスケジューリング失敗を防げるため、高負荷時でも重要なワークロードを予測可能な形で動かし続けられます。
Amazon Kinesis
新機能・アップデート
2026/08/28 - Amazon Kinesis Data Streams announces streaming tables, delivering data to Apache Iceberg tables on Amazon S3 Tables
Amazon Kinesis Data Streams に、ストリームのデータを Apache Iceberg 形式で Amazon S3 Tables へ継続的に配信するフルサーバーレスの「ストリーミングテーブル」が追加されました。自前で Iceberg 配信パイプラインを構築・運用する必要がなくなり、データ配信コストを最大50%削減できるとしています。
インラインのインテリジェントなコンパクションによってスモールファイル問題が解消され、クエリ性能が安定するため、下流のクエリコストも最大30%削減できるとされています。ニアリアルタイム分析や AI/ML の特徴量パイプラインに、鮮度の高いデータを供給しやすくなります。
2026/08/29 - Amazon Kinesis Data Streams announces data delivery to general purpose Amazon S3 buckets
Amazon Kinesis Data Streams から汎用 Amazon S3 バケットへ、ストリーミングデータを直接配信できるようになりました。複数のサーバーレスサービスを連結したり、独自のコンシューマーアプリケーションを自前のコンピュート上で運用したりせずに、コンソールまたは API から数クリックで配信を設定できます。
バッチ分析、ログ配信、コンプライアンス目的の保管、リプレイといった用途を、自前実装と比べて最大60%低いデータ配信コストで実現できるとしています。
APIの変更点
2026/08/31 - Amazon Kinesis - 5 new 2 updated methods
Amazon Kinesis Data Streams から Amazon S3 Tables(Apache Iceberg)および汎用 Amazon S3 バケットへのデータ配信に対応し、CreateChannel、UpdateChannel、DeleteChannel、DescribeChannel、ListChannels の各 API が追加されました。
Amazon MSK
新機能・アップデート
2026/08/06 - Amazon MSK now delivers Kafka Authorizer Logs to customers
Amazon MSK の Provisioned クラスター(Standard・Express ブローカーの両方)で、Kafka の Authorizer ログを追加費用なしで配信できるようになりました。拒否された認可リクエストごとにクライアントの IP アドレスと試行された API が記録されるため、クライアント側の認可エラーの原因を特定しやすくなります。
配信先は Amazon CloudWatch Logs、Amazon S3、Amazon Data Firehose から選べます。新規・既存どちらのクラスターでも MSK コンソールまたは AWS CLI から有効化でき、AWS European Sovereign Cloud を除く MSK Provisioned クラスターが利用可能な全リージョンで使用できます。
2026/08/10 - Amazon MSK now supports in-place migration from Apache ZooKeeper to KRaft
Amazon MSK が、既存クラスターの Apache ZooKeeper から KRaft へのインプレース移行をサポートしました。新しいインフラのプロビジョニングやデータ移行、クライアントアプリケーションの再設定なしに移行でき、移行中もクラスターは利用可能なままです。
Kafka 3.9.x が ZooKeeper をサポートする最後のバージョンで、Kafka 4.x は KRaft のみのサポートとなるため、Kafka 4.x へ上げるための現実的な移行パスになります。古いバージョンの場合はまず Kafka 3.9.x へアップグレードしてから移行を開始します。
2026/08/17 - Amazon MSK now supports configuring custom domain names for MSK Provisioned clusters
Amazon MSK Provisioned クラスターで、ZooKeeper・KRaft のどちらのメタデータ管理方式でもカスタムドメイン名を設定できるようになりました。クラスター単位でカスタムドメインを一度定義すれば、MSK が全ブローカーへ自動適用します。
従来はブローカーごとに手動設定が必要で、KRaft ベースのクラスターではそもそも設定できませんでした。設定はスケーリング操作をまたいで維持されるため、クラスター移行や DR フェイルオーバー、スケーリング時にクライアント側の接続エンドポイントを変えずに済みます。
2026/08/24 - MSK Replicator now supports OAuth 2.0 (SASL/OAUTHBEARER) authentication for replication from external Apache Kafka clusters to Amazon MSK
MSK Replicator が、外部の Apache Kafka クラスターから Amazon MSK Provisioned クラスターへレプリケーションする際の OAuth 2.0(SASL/OAUTHBEARER)認証をサポートしました。対象となる外部クラスターはオンプレミス、AWS 上のセルフマネージド、他クラウドのいずれも含みます。
従来サポートされていた SASL/SCRAM と mTLS に OAuth/OIDC が加わったことで、OAuth 認証を必須とする既存 Kafka クラスターからの移行、MSK をフェイルオーバー先とした DR、ハイブリッド・マルチクラウドでのデータ分散に MSK Replicator を利用できます。
2026/08/31 - Amazon MSK Connect now supports restarting connectors
Amazon MSK Connect で、新規作成したコネクタとそのタスクを再起動できるようになりました。コネクタ全体とすべてのタスクを再起動するか、失敗したタスクだけを選んで再起動するかを選択できます。
従来は障害からの復旧にコネクタの削除・再作成が必要で、ダウンタイムと運用負荷が発生していました。失敗タスクがないコネクタも再起動できるため、一時的な問題からの復旧や外部システム・依存関係の変更の反映にも使えます。追加費用なしで、MSK Connect が利用可能な全リージョンで使用できます。
APIの変更点
2026/08/06 - Managed Streaming for Kafka - 10 updated methods
MSK クラスターがブローカーログと並べて Authorizer ログを、指定した配信先へ出力できるようになりました。
2026/08/24 - Managed Streaming for Kafka - 2 updated methods
MSK Replicator が外部 Apache Kafka クラスターへの接続時に OAuth 認証をサポートし、クライアント認証に OAuth を要求するクラスターからのレプリケーションが可能になりました。MSK Express ブローカーが利用可能な全リージョンで使用できます。
Amazon MWAA
新機能・アップデート
2026/08/18 - Amazon MWAA Serverless now supports PythonOperator and BashOperator
Amazon MWAA Serverless で、PythonOperator と BashOperator を使ってカスタム Python 関数やシェルスクリプトをサーバーレスランタイム上で直接実行できるようになりました。データ変換、フォーマット変換、データ品質チェックといった日常的なコードパターンを、追加のインフラをプロビジョニングせずに実行できます。
Python モジュールやシェルスクリプトをコードパッケージとしてまとめて Amazon S3 にアップロードし、ワークフローの作成・更新時に参照します。ワークフロー作成時点のコードがスナップショットとして固定され、以降の実行はすべてそのスナップショットを使うため、実行間の一貫性が保たれます。
Amazon OpenSearch Serverless
新機能・アップデート
2026/08/10 - Amazon OpenSearch Serverless now supports up to 10,000 collections per collection group
次世代の Amazon OpenSearch Serverless で、1つのコレクショングループに含められるコレクション数の上限が従来の1,500から10,000へ引き上げられました。コレクショングループは複数のコレクションをまとめ、異なる AWS KMS キーで暗号化されたコレクション同士でも OCU(OpenSearch Compute Unit)を共有できる仕組みです。
KMS キーごとに個別の OCU をプロビジョニングせずコンピュートを共有できるためコスト削減につながり、テナントごとにコレクションを払い出すマルチテナントアプリケーションのスケールがしやすくなります。コレクション単位のセキュリティとアクセス制御は維持されます。
Amazon OpenSearch Service
新機能・アップデート
2026/08/06 - Amazon OpenSearch UI now supports Network Access Control
OpenSearch UI アプリケーションに対するネットワークアクセス制御がサポートされました。AWS の他サービスで使い慣れた IAM 条件キー(aws:SourceVpce、aws:SourceVpc、aws:SourceIp)で、承認済みネットワークからのアクセスのみに制限でき、環境全体で一貫したデータ境界を構成できます。
制限はアイデンティティベースのポリシー、VPC エンドポイントポリシー、リソースコントロールポリシー(RCP)の3階層で強制できます。RCP を使えば組織内の全アカウントに一律で適用でき、ネットワーク外のユーザーが認証画面に到達する前にブロックできます。
2026/08/07 - Amazon OpenSearch Service announces additional upgrade runway for existing domains and support dates for additional versions
2024年11月に発表された旧バージョン向けの Extended Support について、移行に時間を要するお客様向けにセキュリティパッチと OS パッチの提供が12か月延長され、2027年11月7日までとなりました。対象は Elasticsearch 1.5〜7.8(すでに2028年11月7日まで延長済みの 5.6 を除く)、OpenSearch 1.0〜1.2、OpenSearch 2.3〜2.9 です。
対象バージョンのドメインが隔離されることはありません。ただし2026年11月7日以降、これらのバージョンの Extended Support 追加料金はインスタンス料金と同額に変更されます。
2026/08/17 - Amazon OpenSearch Service now supports automatic semantic enrichment for VPC domains
自動セマンティックエンリッチメントが VPC 対応ドメインにも拡張されました。ドメインをインターネットに公開することなく、AI によるセマンティック検索を利用できます。従来この機能は VPC 非対応のドメインでのみ利用可能でした。
自動セマンティックエンリッチメントは、キーワード一致のみの検索をクエリの意味を理解した検索へ変換する機能です。機械学習モデルの自己管理や連携の作り込みは不要で、既存の VPC 構成を変更することなく利用できます。
2026/08/31 - Amazon OpenSearch Service adds new Cluster Insights for faster diagnosis of cluster status
Cluster Insights に、Red/Yellow のクラスターステータスの根本原因を特定し、解決に向けた具体的な推奨事項を示す17個の新しいインサイトが追加されました。JVM の OOM や CPU 飽和といったリソース枯渇に加え、ゾーンの偏りやレプリカ数の設定ミスといった構成上の問題もカバーします。
従来、未割り当てシャードによる Red/Yellow の原因究明には、ノードやアベイラビリティゾーンをまたいで複数のメトリクスを手作業で突き合わせる必要がありました。今回、プライマリシャードが未割り当てになる状況を検知する Critical 6件を含む形で、インスタンスタイプのスケールアップやディスク増設、シャード割り当て設定の修正といった対処を提示します。
AWS Clean Rooms
新機能・アップデート
2026/08/11 - AWS Clean Rooms supports exporting privacy-enhanced analysis logs for SQL
AWS Clean Rooms のコラボレーションで実行した SQL クエリについて、プライバシー保護が施された分析ログを Amazon S3 バケットへエクスポートできるようになりました。Spark の実行詳細を確認でき、クエリの最適化やトラブルシューティングに活用できます。
エクスポートの権限は、コラボレーション作成時、または既存コラボレーションへの変更リクエストによって、コラボレーションのオーナーがメンバーに付与します。クエリ実行後、任意の S3 パスへログを出力できます。たとえば第三者の測定事業者がパブリッシャーとのコラボレーションで、クエリが遅くなる原因となっているデータスキューを特定するといった使い方ができます。
2026/08/13 - AWS Clean Rooms supports minimum aggregation thresholds in custom analysis rules
カスタム分析ルールタイプで、最小集計しきい値を設定できるようになりました。クエリが出力する各行が、指定した数以上の一意な値(ユーザー ID など)を表すことを保証し、個人や少人数のグループに関する結果が返らないようにします。
データ提供者は自身の識別子列と、クエリ出力に対して強制する最小の識別子数を指定でき、特定の列にはより高いしきい値を設定することもできます。従来、カスタム SQL に最小集計しきい値を適用するには、事前承認済みの分析テンプレートと手動のコードレビューが必要でした。
APIの変更点
2026/08/11 - AWS Clean Rooms Service - 3 new 12 updated methods
AWS Clean Rooms で、秘匿化されたクエリ実行ログのエクスポートに対応しました。
2026/08/13 - AWS Clean Rooms Service - 8 updated methods
カスタム分析ルールタイプに、最小集計しきい値と比較制御のサポートが追加されました。
最後に
2026年8月は、Apache Iceberg v3 と Amazon S3 Tables を軸にしたアップデートが各サービスで揃った月でした。AWS Glue 6.0 と Amazon Redshift がそろって Iceberg v3 に対応し、Kinesis Data Streams のストリーミングテーブル、Redshift のシステムテーブル長期保持、Glue Data Catalog のメタデータエクスポートと、S3 Tables を出力先とするマネージドな連携が一気に増えました。これまで自前の ETL パイプラインで書いていた部分が、設定だけで済むようになってきています。
ガバナンス面でも動きがありました。Amazon Quick の承認ポリシー・デフォルト拒否・Microsoft Purview 連携、SageMaker ノートブックの信頼された ID 伝播、Redshift の IAM Identity Center + 拡張 VPC ルーティング対応と、ユーザー単位でのアクセス制御と監査を前提にした機能が並んでいます。気になるアップデートがあれば、ぜひ試してみてください。この記事がどなたかのお役に立てば幸いです。











