【資格取得】パーソナルカラーアドバイザーになってみた

2021.12.08

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パーソナルカラーをもっと知りたい

私は色彩学に関してとても興味があり、常に意識をして成果物を作成しています。昨年は色彩検定UC級、今年は1級なども受験しました。

また、現在業務でファッションの案件に携わっていることもあり、パーソナルカラーについて学んだら面白いのでは?と日に日に興味を強くしていました。今はファッション雑誌やインターネット、SNSでこの単語を見ない日はありません。(特に女性の間で)かなり浸透しているな、という印象です。

そこで、より理解を深めるため、今年はパーソナルカラーアドバイザー(上級)(JPCA「色彩技能パーソナルカラー検定」)の資格を取得してみました。

パーソナルカラーは、ちょっとしたことで日常生活でも活かせる色のテクニックで、デザイナー以外でも使用できます。簡単に内容と資格取得の流れについてご紹介します。

パーソナルカラーという分野

パーソナルカラーとは、その人の生まれ持った色(髪・瞳・肌)と雰囲気が調和する色(=似合う色)のことです。自分が着たい色ではなく「第三者から見て似合う色」というのがポイント。「春」「夏」「秋」「冬」に分けられたその人に合う色を選びます。

発祥はアメリカ。1920年代の色彩の芸術理論が元になっており、ロバート・ドアというデザイナーが「自然界の色はイエローかブルーに分けられ、それぞれは調和する」と提唱しました。1961年にアメリカ大統領となったジョン・F・ケネディが、このパーソナルカラーを利用してスーツの色をコントロールし、「有能なリーダー」としての演出に成功した、なんて話もあります。

よく「日本人は黄色人種なんだから全部イエローベースでしょ」などと言われますがこれは間違い。どんな肌の色でも青みと黄色みが存在すると言われています。

実際に使えるシーン

私は肌の色が白く、きっと黒を着たほうが、明度対比によってより自分の良いところを活かせるだろう!と思い込んでおりました。また学生時代は茶色が大好きで、いつもブラウンのコートやマロンカラーのスカートなどを好んで身につけていました。

しかし実際には効果は逆。試してみれば、茶色は最も自分には似合わない色。この試験を受けてからは、できるだけ明度が高い、白やベージュといった色味を身につけるようになりました。またマロンカラーなどの赤系統の色を避け青みよりのものを身につけるようにしています。(正確には、私はオータム以外の色は概ね着ることができます)

最近はリモートで会議に参加することも多いですね。パーソナルカラーは主に顔周りの色味が重要なので、上半身のTシャツの色味を白にするか黒にするかだけでも効果を得られます。

たとえば、同じ黒Tシャツを着ても、顔のクマや皺が強く見えてしまう人(似合わない人)と、黒目や輪郭がはっきり見える人(似合う人)がいます。ウェブ講演などで、顔出しする際にちょっといつもよりも明るい色にしてみよう!と変えてみるだけで、ずっと印象が良くなったりします。

日本人の3〜4割が青みがかった肌色を持つ「夏」のカラーだと言われています(黄色人種なのに?と思われると思いますが、これは本当にそう)。しかしスーツなど、フォーマルな場で使用される「黒」が似合うのは全体の1割である「冬」のカラーを持つ人のみだったりするのです。(正確には夏の方は冬も合うケースが多いので、似合わない、といいきるまでではありません)

4つのカラータイプをみてみよう

この4つの色味の区別が付きますか?

4シーズンカラー

この4色を首の周りに充てると、色によって顔色が変わります。(本当に変わります)(変わりにくい人もいますが)

それぞれの色がどういう分類になっているかと言うと…

4色の説明

そして、この色を当てた時に顔色が変化します。

・顔が黄色みを帯びる or 顔が白く見える

→色相の変化。イエローベースかブルーベースか。

・顔が明るくなる。顔がぼんやりする。 or 顔が暗くなる。線がはっきりする。

→明度の変化。

・顔の印象が強く見える or 顔の印象が弱く見える

→彩度の変化。

・肌にツヤが出る or 肌がマットに見える、柔らかく見える

→清濁の変化。

この4軸で見ていきます。主観(その人の好きな色、や性格を介さない)ではなく可能な限り客観的に色味を判断します。私の場合は、黄色みがかったオータムの色は特に相性が悪く、顔に当てるとなんだか肌がくすんで老けて見えてしまいます。

春 スプリングタイプ

ポップで、黄みがかった清色が似合うタイプです。春の日差しや花のイメージ。

夏 サマータイプ

ソフトで、青みがかった濁色が似合うタイプです。夏の霧がかった空気や空のイメージ。

秋 オータムタイプ

ゴージャスで、黄みがかった濁色が似合うタイプです。秋の紅葉や実のイメージ。

冬 ウィンタータイプ

シャープで、青みがかった清色が似合うタイプです。冬の夜や雪、イルミネーションのイメージ。

これは雑誌やインターネット上でよく見かける典型的な説明です。自己申告テストなども盛んですが、実際に布を当ててみないと本当のところはわからない、というのが試験を終えてみての自分の感想です。イエローベースでも青みがかった服が似合う方もいらっしゃると思います。

資格をとるには

とても面白い分野だけど、インターネット上にある自己申告リストはなんだか曖昧で、本当に自分の判断は合っているのだろうか?と思い始めてきました。そこで、どうやら自主学習だけでなく、もっときちんと学んだほうが効果が出そうだ、と思い、JPCA「色彩技能パーソナルカラー検定」の資格を取ってみることにしました。

こちらの検定にはモジュール1(下級)、モジュール2(中級)、モジュール3(上級)とあります。

また、下級合格→中級合格→上級合格と、前の級に合格しないと次の級を受けることはできません。(最初から上級を受けることはできません)。下級と中級は併願することができます。

モジュール1・2(下級・中級)について

こちらはオンラインのテストです。 各種テストセンターに足を運び、パソコンにて試験を受けます。 期間内でしたら好きな時間・場所(ただ土日はすぐに埋まってしまいますのでお早めに!)を選択できます。

モジュール1・2(下級・中級)の試験対策について

内容は正直簡単かな、と思います。感覚としては、色彩検定3〜2級程度の内容です。

デザインやアパレルの業務で、ある程度実績を積んでいれば問題なく答えられるのではないでしょうか。

私は講習などを受けず、独学の座学のみ、公式テキストの巻末問題を満点にした状態で挑んで問題なくパスすることができました。

教科書

モジュール1(下級)問題の例

Q. 色を知覚する条件は、光、物体の2つである ○か✕か

A. ✕ 光、物体、目が条件

こちらは公式テキストより引用しました。 公式テキストは公式サイトのウェブショップ、また書店で購入できます。

モジュール3(上級)について

こちらは実技筆記試験となります。合格後地域の試験会場に集まり、10人程度の試験者が集められた教室で行われます。中央に試験管が座り、パーソナルカラーの試験布を顔に当てていきます。その時の顔色の変化を選択肢から選ぶ、というものです。巻末には小論文テストもあります。

モジュール3(上級)の試験対策について

私は講習などを受けず、独学の座学のみ。こちらの公式テキストを購入し、巻末の問題を満点にした状態でパスすることができました。明らかに照明が足りていない自室でしたので、昼間、太陽のある時間帯を選んで、鏡にむかって自分の首元に何度もカラーカードを当てて、色の効果を確認しました。

実技試験に関しては、この公式テキストのカラーリストと、実際に使用される布の色が結構違う!ので、当日は戸惑いました。かなり鮮やかな青い布が出てきて、「これは清色なのか、濁色なのか?どっちなの?」と迷う瞬間が多々ありました。

また、茶色、暗い青に関しては非常に判断が難しい!と感じました。やはり試験対策としては、事前に講習を受けて臨むのが安心です。

最後に500文字の小論文(作文)、が出題されますのであらかじめ準備をしておくのが良いでしょう。今回の試験では「あなたは色の四属性を利用して生活や仕事でどのように活かしていきますか?」といった意味合いの出題でした(文章は正確ではありません)。色の四属性が何か、を理解していることが大事ですね。

上級テキスト

モジュール3(上級)問題の例

Q. テストカラーNo2,15を当てて比較する。

①No.2を当ててときのほうが顔色が黄みを帯びる。

②どちらを当てたときも顔色にあまり変化が見られない。

③No.15を当てたときのほうが顔色が黄みを帯びる。

A. ③ No.15のほうが黄色みのある色だから

こちらは公式テキストより引用しました。 公式テキストは公式サイトのウェブショップのみで購入できます。

おわりに

パーソナルカラーは業務以外の日常生活でも使用できますし、なにより色を学ぶのにとても楽しい題材だと感じています。 興味を持たれた方は一度ウェブサイトをご覧になってみては如何でしょうか。

JPCAパーソナルカラー協会ウェブサイト