生存戦略としての被評価者の伝える力
こんにちわ。従業員体験( EX ) の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
多くの企業において評価制度があり、何かしらの評価があります。
オーソドックスなところとしては何かしらの評価基準があり、そこへの到達度合いを期末に確認し、基準を満たしていれば昇格となります。大前提としては、評価基準を満たす事が必要になりますが、評価基準を満たしていても、その事実が評価者に伝わらなければ基準に至ったと満たされない可能性があります。今回はこの点についてまとめます。
前提
前提として評価者は万能とは限りません。評価に不慣れな場合もあります。被評価者に必要な観点を事前案内し、伝えきれる状況ばかりとは限りません。また、評価者は大抵忙しい事が多いです。そのため、被評価者が評価に必要な情報を自発的にまとめてくれると、評価者の負荷を減らすことができます。
もちろん、評価者が評価に習熟していて、時間的な余力も十分であればよいですが、その状況が常に提供されるとは限らないため、自分自身の評価の質を上げる工夫を被評価者自身でできれば、結果として自分自身を助けることになります。
評価者がやるべきサポートを被評価者に押し付ける意図はありません。生存戦略として被評価者として身につけておくと評価者が万全であれ、そうではない状況であれば役に立つよ、という意味の記事になります。
アウトカム・アウトプット・プロセスの説明
評価基準を満たしたことを評価者が判断するための材量を期中もしくは、期末の評価時期に提出できると評価は判断がしやすくなります。
評価基準は企業によってことなりますが、必要となる判断材料は同じです。
それが
- アウトカム
- アウトプット
- プロセス
です。
アウトカム
アウトカムは、自分の取り組みを通して生み出した価値です。
社外向けの仕事をしている方の場合は、お客様やお客様向けに作ったプロダクトがエンドユーザーにもたらす価値です。
社内向けの仕事をしている方の場合は、社内に対して生み出す価値です。
ある程度グレードが低い場合はアウトカムまでは求められないケースが有るかと思いますが、ポジションが上がってくるほどこの部分の重要度が増して行きます。私達は価値を生み出すことで売上をあげ、利益を増やし、給与を頂いているのだから。
直接的な売上や最終成果物に関わっていない場合は、仕事の全体像を踏まえて最終成果にどのような影響を与えているかを考える事が必要になります。
また、アウトカムはそのインパクトも合わせて説明できると自分が今いるグレードにふさわしい成果を出せているかが伝わりやすくなります。
アウトカムの例
例えば、システム開発で、検索機能を強化する場合
- 強化された検索機能でユーザーが見つけたい情報を見つけやすくなること
がアウトカムです。
アウトプット
アウトプットはアウトカムを生み出すための成果物です。
アウトプットの例
例えば、システム開発で、検索機能を強化する場合
- 強化された検索機能 - アウトプット
- 強化された検索機能でユーザーが見つけたい情報を見つけやすくなること - アウトカム
の関係性です。
プロセス
プロセスはどのようにアウトプットを生み出したか、に関わる過程です。
仕事の進め方、すすめる上で身につけた知識・スキル、マインドなどを含みます。
能力評価、マインド評価などが中心になる場合はこの部分を評価者に伝えることが大切になります。
プロセスこそがアウトプットの質を決め、アウトカムの質を決めるため単に評価のためだけではなく、被評価者の成長や業務の成果向上に向けてとても大切な部分になります。
アウトカムとアウトプットには外部要因も関係することがあります。例えば市場の状況がよいからたまたま良い成果がでる、ということもあります。一方で、プロセスはその人の実力そのものです。この部分の評価および成長が安定した成果を生み出す能力の向上のために重要になります。
プロセスの例
例えば、システム開発で、検索機能を強化する場合
- 強化された検索機能 - アウトプット
- 強化された検索機能でユーザーが見つけたい情報を見つけやすくなること - アウトカム
- 新しい検索機能を実装するためのライブラリや設計に関わる知識・スキル - プロセス
の関係性です。この場合のプロセスは知識・スキルが中心ですが、その他にも
- 任意の業務を適切な手順で実施できているか?
- 任意の業務の手順を改善できるか?
- 自ら積極的に取り組む姿勢を見せていたか?
などもあるでしょう。
アウトカム・アウトプット・プロセスの可視化
アウトカム・アウトプット・プロセスは期末の評価の実施時だけではなく、普段から見えるようにしておくとさらに好ましいでしょう。
普段から評価者、被評価者間でのズレが小さくなり、期末はお互い軽い確認をするだけ、という状態になります。
また、そもそも業務のアウトカム・アウトプット・プロセスが可視化されている事自体が仕事の進行や改善を円滑にします。
何を身に着け、どのように仕事を進め、何を生み出し、それがどんな価値を生み出したか?
これらを常日頃見えるようにできるとよいでしょう。
また、単に見えるだけではなく、評価者やチームメンバーが参照する際に
- わかりやすい
- 最小の時間で確認できる
ということを追求できるとよりよいでしょう。
可視化の方法
タスク管理
一つの例としてはチームでのタスク管理です。
各自がバラバラに口頭での依頼のやりとりをしているだけではなく、個別のタスクをタスク管理ツールで共有し、その目的・ゴール・成果物を記録・共有できるようにします。
また、小さな単位でタスクばらしをして仕事をすすめるようにして、そのばらしたタスクがチェックリストになっていれば、そのチェックリスト自体がから仕事のプロセスが読み取れます。
タスクばらしについては以下を参照ください。
業務プロセス図・手順書
別の例としては業務プロセス図・手順書があります。
単独担当に閉じない業務のプロセスについては、業務プロセス図で可視化できます。
単独担当の業務については手順書で可視化できます。
属人化している業務をどのように進めているか、これらで可視化し、その質を確認してもらったり、必要に応じて改善することができます。もちろんすべての業務が文書化したほうがいいわけではないので、文書化が好ましいある程度定まった業務に限ります。
ペアワーク・モブワーク
上司・メンター・同僚とペアワーク、モブワークをすることもプロセスを可視化することにつながります。
何を考え、どのように仕事を進めているかが確認できるためです。
日報、週報、月報
普段からの定期的に活動を伝える方法として日報、週報、月報があるでしょう。
録画
例えば、オンライン商談の録画サービスなどがありますが、こういったツールによって営業やカスタマーサクセスの会話の質を録画で確認することが可能になります。
まとめ
「生存戦略としての被評価者の伝える力」についてまとめました。評価活動において
- アウトカム
- アウトプット
- プロセス
が重要な要素であり、これらをいかにわかりやすく伝えるか、普段から可視化されているか、が評価に繋がる要素になります。
自らの価値を自ら説明できる能力は仕事において必ず役に立ちますので、おすすめのスキルです。