匙を拾う実践者
こんにちは。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
仕事をしていると様々な問題に遭遇します。そして、発見した問題に対する反応は人それぞれです。この記事では、問題に対する向き合い方のスタンスとして評論家と実践者に分けて整理します。
評論家とは
今回の文脈における評論家とは、その場にある問題に対してあるべき論を述べるが、解決に動かない人を表す言葉です。場合によっては、期待する結果を導けない関係者を非難することもあります。
実践者とは
実践者とは、理論やアイデアを語るだけでなく、実際に行動して問題解決に取り組む人を指します。具体的な行動を通じて結果を出すことを重視する人を表す言葉です。
評論と実践の違い
組織の問題に対して、評論家である人と実践者である人には、いくつかの違いがあります。以下に、主な違いを説明します。
- 分析と行動
- リスクの受容
- フィードバックと学び
- 目標志向
1. 分析と行動
評論家
組織の問題を分析し、批評したり、理論的な観点から改善点を述べたりする人です。実際の問題解決に直接的に関わることは少ないです。
実践者
問題を具体的に解決するために行動する人です。実践者は理論を理解するだけでなく、具体的な対策や行動を通じて、問題を解決するために積極的に関与します。
2. リスクの受容
評論家
分析や批評を行う際、結果に対して責任を追わないため、リスクを負わずに安全な立場から意見を述べることになります。
実践者
実際に問題解決に取り組むため、行動に伴うリスクを引き受けます。失敗の可能性を受け入れながらも、結果を出すために行動します。リスク管理と意思決定が求められます。
3. フィードバックと学び
評論家
フィードバックを受ける機会が限られるため、理論や過去の知識に基づいた洞察を提供します。過去の経験が豊富な場合、提案や改善策の質が高いかもしれませんし、現場での経験が少ない場合、提案や改善策が現実と乖離することがあります。
実践者
自分の行動によって得た結果やフィードバックから学び、改善を重ねます。実践を通じて経験から得た知識を元に、次の行動をより良いものにするための修正を繰り返します。
4. 目標志向
評論家
問題に対する理想的な解決策やあるべき姿に注目することが多く、特にその解決が実現可能かどうかやROIが適切かについては深く関わらないことが多いです。
実践者
解決策が実現可能で、実際に効果があるかどうかに重点を置きます。問題の解決を目指して、具体的な行動計画を策定し、実行に移します。
まとめ
評論家と実践者についてまとめました。仕事における問題は、書籍で知ったベストプラクティス通りに解決できるとは限りません。状況ごとの細かな前提の違いや、解決の途中でベストプラクティスでは語られていない大小様々な制約や障壁に遭遇する可能性があります。また、実際に関わってみると予想していた内容ではなく、全く別の問題ということもあります。そのため実践者として行動を繰り返した人は、教科書には載っていない実践の中で遭遇する様々な問題への対処を身に着けていくことになります。特に、関係者が匙を投げるような問題を拾い、成否はさておき、解決に向けて最後まで取り組む経験は希少です。
評論をするが、実践経験が少ない方は問題の解決に参加し、実践知を蓄えてみると評論家としての知見、分析能力と実践者としての実践知を揃えてさらに強力な存在となるでしょう。